CEV補助金制度の「CEV」とは、「clean energy vehicle」の略、すなわち、クリーンエネルギーで走る車のことを指す。
政府(経済産業省)の定めるクリーンエネルギー自動車に該当する車種を新車で購入した購入者に対し、一定の補助金を交付するという制度がCEV補助金制度である。
CEV補助金を受ける方法だが、クリーンエネルギー自動車に該当する車種を新車で購入して車検登録を行ってから、車検証や身分証明書などを添えて公益法人「一般社団法人次世代自動車振興センター」に申請すればよい。
審査に通過すれば同法人から補助金が交付される。では、そのクリーンエネルギー自動車とはどういった車種なのかだが、以下の4つが該当する。
- EV車(電気自動車)
- PHV車(プラグインハイブリッド車)
- FCV(燃料電池自動車)
- クリーンディーゼル車
購入した車がこれらのいずれにかに該当すれば補助金交付の対象になるのである。CEV補助金の金額は、メーカーが販売する車の車種やグレードごとに定められている。
車両価格の何%と一律に定められているものではないことに注意が必要だ。そのため、補助金を受けることを考えるのであれば、購入希望車の車種やグレードが対象なのか、また、対象である場合、補助金がいくらに設定されているのかを個別に調べる必要がある。
CEV補助金はエコカー減税やグリーン化特例と併用OK
ハイブリッドカーなど低燃費車を購入すると適用される「エコカー減税」や「グリーン化特例」という制度がある。車種によってはCEV補助金に加え、これらエコカー減税やグリーン化特例による減税も受けられるのである。
エコカー減税とは、国の定める燃費と排気ガスの基準をクリアした車に対しての税金の優遇制度だ。自動車取得税と自動車重量税が減税される。
また、グリーン化特例とは、燃費性能や排気ガス性能に優れた車に対して自動車税や軽自動車税が減税されるという制度である。要するに、いずれも環境に優しい車が優遇されるという制度である。
排気ガスなどによる環境汚染を阻止するために、環境に配慮した車の普及に努める動きは世界的なものである。これらCEV補助金、エコカー減税、グリーン化特例はそれぞれに該当する車種であれば併用も可能である。
ちなみに、プラグインハイブリッドカーの場合、充電設備の設置費用を補助してくれる充電インフラ補助金制度も利用可能である。
自治体によるCEV補助金制度もある
国の補助金制度とはまた別に、自治体による独自の補助金制度が適用される場合もある。自治体の補助金制度は適用条件が厳しいものから易しいものまでさまざまだが、そもそも知っていないことには受けられる可能性はないので、一度調べておくべきだろう。
CEV補助金の4分の1という金額からもわかるように、この制度はCEV補助金の交付が決まった人だけが対象となる。たとえば、CEV補助金で40万円の交付を受けた人が区に申請すると、10万円の補助金が受けられるのである。
大阪府泉大津市には、電気自動車を購入した市民を対象に「エコハウス認定奨励金」という奨励金が設けられている。条件を満たすと5万円の奨励金が受けられるのだが、これは電気自動車の購入だけでなく太陽光発電システムなども導入しなければならない。
泉大津市のようにハードルが高いものもあるが、自治体がそれぞれ独自の補助金制度を設けていることもあるので、お住まいの地域に制度があるかぜひ一度調べてみることをおすすめする。
補助金制度の対象車種
CEV補助金制度の対象となる車は
- EV車(電気自動車)
- PHV車(プラグインハイブリッド車)
- FCV(燃料電池自動車)
- クリーンディーゼル車
の4つである。これらのいずれかに該当すると認定された車が補助金の交付対象になる。
具体的にどんな車種やグレードが補助金の対象なのかはまた別に調べなければならないが、まずはこれら4つのタイプの車について詳しく見ていくことにしよう。
EV車(電気自動車)とは電気で動く車
環境への配慮から、近年、EV車(電気自動車)への注目が高まっている。注目が高まるにつれ、自動車メーカーもそれぞれEV車(電気自動車)の開発に注力を始め、最近はラインナップもかなり豊富になってきた。
では、そのEV車(電気自動車)とはどんな車なのかだが、簡単に言えば文字通り「電気で動く車」である。一般的な車はガソリンを燃料にエンジンを動かして走るが、EV車(電気自動車)はガソリンの代わりに電力を燃料に、エンジンの代わりにモーターを動かして走る。
ガソリン車ならガソリンスタンドで給油することで燃料を補給するが、電気が燃料のEV車(電気自動車)は、電気をバッテリーに充電する必要があるため、充電器の設置してある場所の存在が重要になる。
以前は充電する場所がEV車(電気自動車)のネックだったが、最近は公共のスペースに急速充電器を設置するところも増えており、充電に必要な時間もかなり短くなってきている。
PHV車(プラグインハイブリッド車)とはハイブリッドカーとEV車の中間に位置
PHV車(プラグインハイブリッド車)とは、ハイブリッドカーとEV車(電気自動車)の中間に位置する存在だ。通常のハイブリッドカーはエンジンとモーターという二つの動力源で駆動する車である。
PHV車(プラグインハイブリッド車)の特徴は、家庭用コンセントからバッテリーに直接充電できる点がハイブリッドカーと異なる。
PHV車(プラグインハイブリッド車)のメリットは、ハイブリッドカーと同じく燃費性能が優れていることだが、それ以外にも、走行距離や環境性能において通常のハイブリッドカーよりさらに優れているのが特徴である。
PHV車(プラグインハイブリッド車)は、家庭で充電ができる分、通常のハイブリッドカーよりバッテリーを多く搭載することが可能である。
そのため、1回の充電で走行できる距離も、ガソリン車より長くなるのはもちろん、通常のハイブリッドカーが電気走行できる距離よりも長くなっている。
電気走行できる距離が長くなるということは、ガソリンの消費量が少なくなるということで、PHV車(プラグインハイブリッド車)は、通常のハイブリッドカーよりも環境にさらに優しい車と言えるのである。
FCV(燃料電池自動車)とはエネルギー効率はガソリン車の2倍以上
FCV(燃料電池自動車)のFCVとは、「fuel cell vehicle」の頭文字であり、日本語ではそのまま「燃料電池自動車」と呼ぶ。FCV(燃料電池自動車)の構造は、燃料電池に酸素と水素を取り込んで、その化学反応によって電気エネルギーを発生させてモーターを駆動させる。
FCV(燃料電池自動車)の燃料は水素なので、ガソリン車がガソリンスタンドで給油するように、水素ステーションで水素を充填する。
水素ステーションはまだ普及が進んでいないため、気軽にどこでも充填できるわけではないが、次世代の車として注目を集めているのである。
FCV(燃料電池自動車)のエネルギー効率はガソリン車の2倍以上にもなるため、化石燃料の枯渇への対策として有効である。また、酸素と水素が化学反応することによって発電を行うため、運転中に排出されるのは水のみである。
二酸化炭素や窒素酸化物など車の排気ガスには大気汚染の原因物質が多く含まれるが、FCV(燃料電池自動車)はそのような環境に有害な物質を一切排出しない。
また、FCV(燃料電池自動車)は、EV車(電気自動車)の弱点とされる走行距離の短さ、充電時間の長さも克服している。だからこそ、究極のエコカーや次世代自動車と呼ばれているのだ。
クリーンディーゼル車とは排出ガスの浄化システムが備えられている
クリーンディーゼル車とは、ポスト新長期規制に適応する有害物質の排出量が抑えられたディーゼル車のことだ。
クリーンディーゼル車には排出ガスの浄化システムが備えられている。尿素を使って窒素酸化物を浄化する尿素SCRシステムや、排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を触媒で化学変化させて還元する NOx吸蔵還元触媒というシステムが、その浄化システムである。
ディーゼルエンジンの仕組みは、取り込んだ空気を圧縮して燃料室内を高温・高圧にしたところに、ディーゼルを噴出させて燃料を自然発火させるというものだ。
従来のディーゼル車は有害物質を多量に排出するというデメリットがあったが、クリーンディーゼル車では、コモンレール方式という燃料噴射システムを採用し、煤の排出量を軽減することに成功した。
クリーンディーゼル車のメリットには、二酸化炭素や窒素酸化物などの有害物質の排出量が抑えられるだけでなく、走行中の騒音も軽減し、そのうえ燃費性能が優れていることも挙げられるのである。
ただ、ガソリン車に比べてクリーンディーゼル車は価格が高いのがネックである。また、ディーゼルエンジンを搭載するため、車体の重量もガソリン車より重くなってしまうのがデメリットだ。
EV・PHV車の補助金概要
EV車(電気自動車)やPHV車(プラグインハイブリッド車)が、燃費性能や環境への配慮に優れていることは知られているが、ネックになるのが車両価格が高額なことである。ガソリン車に比べると選べる車種が多くないが、どれもなかなかの価格帯だ。
また、充電設備を確保しなければならないのもネックである。200Vの電圧を必要とするため、家庭で充電するには電気工事が必要になる。
このように、導入するのにさまざまなコストがかかるEV車・PHV車だが、地球環境のためには世界的に普及を進める必要がある。
日本政府も補助金制度を設けて普及を進めているわけだ。では、実際に補助金を申請する場合に注意しておくべきことを説明しよう。
EV・PHV車の補助金の申請期間
CEV補助金の交付は一般社団法人の「次世代自動車振興センター」が行っている。ただ、申請実績や今後の予想により、予算不足が発生する可能性が高いようだ。
そのため、平成29年度の補助金について、申請受付期間の終了日が予定の平成30年3月5日から2月5日に変更となった。1カ月申請期間が短縮されているので注意してもらいたい。
2月1日以降の登録車両は平成30年度で申請対象となる方向で検討されているようなので、詳しくは次世代自動車振興センターのホームページを参照してほしい。
EV・PHV車の必要書類
補助金の申請にはいくつかの必要書類がある。
次世代自動車振興センターのホームページから様式をダウンロードできるものが、補助金交付申請書(2枚)、補助金を受けた車両の管理のための書類、車両代金の一部に下取価格が充てられたことの確認書(下取車がある場合)の3種類である。
それ以外に、以下のものが必要だ。
- 運転免許証など申請者の氏名と現住所を確認できる公的書類
- 申請車両を確認するための車検証や標識交付証明書などの写し
- 領収書など車両代金が全額支払い完了していることを示す書類
- 契約書などの車名と購入価格が示された書類
また、所有権留保付きのローンによって車両を購入した場合は、申請者本人がその車両の使用者であることを示す書類の提出も必要である。
保管場所標章番号通知書か、使用者が契約者である任意保険の契約書、もしくは申請者が契約者であるローン契約書のうち、いずれかの写しを提出する。
なお、これらの書類は申請する車両1台ごとに1式揃えなければならない。また、持ち込みは受け付けていないので、「一般社団法人次世代自動車振興センター 次世代自動車部」宛てに郵便か宅配便で送付すること。
EV・PHV車の車両価格と補助金
補助金は具体的な車種・グレードごとに決められており、次世代自動車振興センターのホームページでも確認できる。補助金額はクリーンエネルギー自動車の区分別に定められた方法で算出されるが、上限金額も定められている。
なお、算出結果が1万5千円未満になる車両には補助金の交付はない。補助金の算出方法についてだが、EV車の場合、1充電の走行距離に応じて算出される。
具体的な計算式は「1充電走行距離×1充電走行距離当たりの補助単価(1000円/km)=補助金額」だが、40万円という上限がある。PHV車は、EV走行の換算距離が30km以上の車に限るが、一律20万円の補助金額が設定されている。
日産・リーフの新車価格・補助金・航続距離・特徴
新車価格 | Sが2,917,000円 Xが3,253,000円 Gが3,695,000円 |
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補助金 | 上限40万円 |
航続距離 | 400km |
日産・リーフは、2009年8月に発表、2010年12月に日本や欧米を中心に世界市場に向けて発売された5ドアハッチバックタイプのEV車である。2015年12月に世界累計販売台数が20万台を突破した。
現行モデルのリーフは、2017年10月に発売された2代目だ。初代モデルは航続距離が280kmであったが、2代目はEV車の弱点である航続距離を大幅に伸ばし、1充電で400kmを達成した。その理由は、駆動用バッテリーの容量を40kWhに拡大したことにある。
また、現行モデルには3年16万kmまでのバッテリー容量保証が付いているのもうれしい。初代モデルはエクステリアのデザインについて一部評判が良くなかったが、それも一新されてよりスタイリッシュになっている。
三菱・iMiEVの新車価格・補助金・航続距離・特徴
新車価格 | Mが2,273,400円 Xが2,624,400円 |
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補助金 | Mが12万円 Xが17万2千円 |
航続距離 | Mが120km Xが172km |
i-MiEVは、三菱が2006年に製造を開始した世界最初の量産型EV車である。丸みを帯びたフォルムが愛らしいが、それによってフロントウインドウが大型になり、ドライバーの視界を広く確保することに成功した。
EV車らしく未来っぽい雰囲気を感じさせる車で、三角窓に特徴がある。ボディカラーにもライトニングブルーマイカやレッドメタリックなど全5色がラインナップされている。
i-MiEVの駆動用バッテリーには、耐久性のあるリチウムイオン電池が採用されており、電池セルが組電池化された電池モジュールをつないで大容量を実現した。電池残量0%の状態から、100Vで約14時間、200Vで約7時間でフル充電できる。
トヨタ・プリウスPHVの新車価格・補助金・航続距離・特徴
新車価格 | Sが302万円 Aプレミアムが391万円 |
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補助金 | 20万円 |
航続距離 | 68.2km |
トヨタのプリウスPHVは、2017年2月に新型モデルが発表された。大容量リチウムイオンバッテリーにより、初代モデルの26.4kmという航続距離を2倍以上にまで伸ばすことに成功していることがいちばんの特徴だ。
新型のプリウスPHVには、太陽光パネルが屋根に装備され、省電力エアコンや急速充電ポートなども搭載されている。
モーターのみの最高速度も旧型の100km/hから130km/hへ大幅に向上した。デザインもこれまでのプリウスとの差別化が図られており、フロント・リヤともに大きく変更し、一目でプリウスPHVだと区別ができるようになっている。
三菱・アウトランダーPHEVの新車価格・補助金・航続距離・特徴
新車価格 | アウトランダーPHEV(16モデル) Mが333万円 アウトランダーPHEV(17モデル)S Editionが4,434,500円 |
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補助金 | 20万円 |
航続距離 | 60.2km |
三菱から2013年に販売開始されたのがアウトランダーPHEVだ。トヨタのプリウスPHVに次ぐ国内2番目の量産型PHV車である。
走行状況やバッテリーの残量に応じて、走行モードが「EV走行モード」「シリーズ走行モード」「パラレル走行モード」の3つから自動で選択されるところが大きな特徴と言えよう。
アウトランダーPHEVは、JC08モードでのハイブリッド燃料消費率18.6km/L、プラグインハイブリッド燃料消費率67.0km/Lを達成した。また、EV単独の航続距離は60.2kmである。60km以上EVで走行できるなら、普段使いではEVのみでほぼ賄えるだろう。
クリーンディーゼル車の補助金概要
クリーンディーゼル車は、排出ガスを軽減した環境に優しい新しいディーゼルエンジン自動車で、走行のスムーズさ、静粛性、燃費性能など優れた魅力がある車であることは先に説明した通りだ。
ただ、クリーンディーゼル車は、排出ガスを軽減するためのシステムを搭載している分、一般的な車より車両価格が高くなる傾向にある。そこで、われわれ消費者にとってありがたいのが補助金の存在だ。
補助金の対象となるクリーンディーゼル車は、ポスト新長期規制をクリアし、次世代自動車振興センターで承認されたものである。そこで、補助金の申請と、補助金の対象となるおもだった車種について見ていこう。
クリーンディーゼル車の補助金の申請期間
クリーンディーゼル車の補助金の申請も、先ほど述べたEV車・PHV車と同じである。繰り返しになるがもう一度確認しておこう。より詳しくは次世代自動車振興センターのサイトを参考にしてほしい。
クリーンディーゼル車の補助金も次世代自動車振興センターが交付しているが、これまでの申請実績により、今後、予算不足となる可能性が極めて高い。そのため、平成29年度の補助金事業は、申請受付を早めに締め切ることが決まった。
当初、平成29年度の申請期間は平成30年3月5日までだったが、1カ月短縮され2月5日までとなった。そのため、当初は平成30年3月2日までに登録された車両が対象だったのが、1月31日までの登録車両に変更された点も注意が必要だ。
クリーンディーゼル車の補助金の必要書類
クリーンディーゼル車の補助金申請に必要な書類についても、EV車・PHV車と同じである。
次世代自動車振興センターのホームページから以下の様式をダウンロードして利用しよう。
- 補助金交付申請書(2枚)
- 補助金を受けた車両の管理のための書類
- 下取車がある場合は、車両代金の一部に下取価格が充てられたことの確認書
自分でそろえるものは、まず申請者本人であることを証明するための身分証明書である。あと、車両の確認に必要な車検証や標識交付証明書なども複写でよいので準備しよう。
それに、車両代金が全額支払い済みであることを証明する領収書などの書類と、車両の契約書など車種と価格が明示された書類も必要である。
所有権留保付きローンを利用して購入し、まだ所有者の名義が申請者のものとなってない場合は、申請者が車両の使用者であることを証明する書類も必要だ。保管場所標章番号通知書、任意保険の契約書、ローン契約書などを用意しよう。
車両1台ごとに以上の書類一式をそろえ、「一般社団法人次世代自動車振興センター 次世代自動車部」宛てに郵送する。提出期限が初度登録(届出)の日から1カ月以内となっていることにも注意しよう。
人気車種の補助金上限額(クリーンディーゼルの場合)
クリーンディーゼル車の補助金の算出方法は、EV車やPHV車と異なる。EV車は「1充電走行距離×1充電走行距離当たりの補助単価(1,000円/km)」という計算式で算出され、上限が40万円と決まっていた。PHV車は一律20万円に定められている。
クリーンディーゼル車の場合は、車両本体価格(消費税抜きのメーカー小売希望価格)から基準額をマイナスした数値に、クリーンディーゼル車に定められている補助率1/8をかけたものが補助金額となる。
なお、基準額とは、該当の車両と同格のガソリン車の価格に、クリーンディーゼル車の場合、ランニングコストの削減想定分を加えたものになる。ただし、15万円が補助金額の上限である。
CX-3の新車価格・補助金・航続距離・特徴
新車価格 | 2,160,000~2,839,260円 |
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補助金 | 16,000~32,000円 |
CX-3はマツダが販売する5ドアクロスオーバーSUVである。ガソリンエンジン仕様とディーゼルエンジン仕様があり、後者にはマツダが開発・製造する環境性能の高いSKYACTIV-Dというディーゼルエンジンが使用されている。
CX-3は、ガソリンエンジン仕様車の方がパワーはあるが、燃費性能では圧倒的にディーゼルエンジン仕様車の方が優れている。ガソリンエンジン仕様車はJC08モードで17km/Lという燃費性能だが、ディーゼルエンジン仕様車は23km/Lを記録する。
また、ディーゼルエンジン仕様車では6速MTが選択できるが、その場合は25km/Lとさらに燃費性能が向上する。
おまけにガソリンよりディーゼルエンジンの燃料である軽油の方がコストが低いため、ランニングコストを見てもディーゼルエンジン仕様車が優れていると言えるだろう。
デミオの新車価格・補助金・航続距離・特徴
新車価格 | 1,814,400円 |
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補助金 | 対象外 |
航続距離 | 700km台 |
デミオは、マツダが1996年から販売するコンパクトカーである。発売から20年以上経っても常に新車販売ランキング上位に入る人気の車種だ。長らくガソリン車のみだったが、2014年の4代目モデルからディーゼルエンジン仕様車も設定された。
デミオのディーゼルエンジン仕様車には、環境性能の高いマツダの開発する「SKYACTIV-D 1.5」が採用されている。ディーゼルエンジン仕様のMT車は、JC08モード燃費30.0km/Lという優れた燃費性能を実現した。
満タンでのロングドライブなら航続距離700km台半ばを超えるだろう。デミオのディーゼルエンジン仕様車はパワフルな加速と安定性が特徴である。高速走行時にこその特徴が発揮されるので、遠乗りの機会が多い人に向いているだろう。
アクセラスポーツの新車価格・補助金・航続距離・特徴
新車価格 | 2,575,000~2,790,000円 |
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補助金 | 18,000円 |
航続距離 | 1,000km |
アクセラスポーツは、ファミリアの後継者としてマツダが2003年から販売する車である。アクセラにはいくつかのモデルが存在するが、なかでも「スポーツ」の名を冠するだけあり、走行性能が優れているのが特徴である。
排気量3Lモデルが並び、アクティブなドライブを好む層から支持を集めている。ディーゼルエンジンにはマツダのSKYACTIV-Dが採用され、走行性能とともに環境性能も優れているのが特徴だ。
燃費は、22XD L Package/22XD PROACTIVEが2WD車で19.6km/L、4WD車で18.0km/Lを、 15XD L Package/15XD PROACTIVE/15XDが21.6km/Lを記録する。
コンパクト化とともにエコ化が叫ばれる昨今において、アクセラスポーツが走行性能に抜きん出ていることは間違いない。
エクストレイルの新車価格・補助金・航続距離・特徴
新車価格 | 2,999,850円 |
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補助金 | 販売終了の為なし |
航続距離 | 1,000km近く |
エクストレイルは日産が2000年から販売するクロスオーバーSUVだが、クリーンディーゼル車は2008年から販売されていた。エクストレイル20GTといって世界で最初にポスト新長期規制に適合、歴代シリーズで最高のパフォーマンスを持つエンジンが採用された。
エクストレイル20GTは新車時価格が2,999,850円、燃費性能は14.2~15.2km/Lである。満タン時からの航続距離は1,000km近くに達する。従来のディーゼルエンジンでは騒音が問題になっていたが、エクストレイル20GTは静粛性にも優れている。
振動対策もされており、二酸化炭素の排出量もガソリン車より格段に軽減された。ただし、エクストレイルのクリーンディーゼル車は2015年2月をもって販売を終了した。
ランドクルーザープラドの新車価格・補助金・航続距離・特徴
新車価格 | 3,670,909~4,992,000円 |
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補助金 | 46,000円 |
航続距離 | 1,000km近く |
ランドクルーザープラドは、トヨタが製造するSUVだ。現行モデルは2009年から販売されている。
ランドクルーザープラドのディーゼルエンジン仕様車の燃費性能は11.2~11.8km/Lである。コモンレールという超高圧により燃料を直接噴射するシステムを採用、またソレノイドインジェクターにより、高精度かつ高応答なエンジン制御と燃料噴射を可能にした。
また、排出ガス浄化装置など排出ガスのクリーン化も果たしており、従来のディーゼルエンジンのイメージを変える低騒音、低振動、クリーン性の3拍子揃った車となった。
燃料タンクが大きいことも関係するが、ランドクルーザープラドのディーゼルエンジンなら満タンで1,000km近くの航続距離が期待できる。
デリカD5の新車価格・補助金・航続距離・特徴
新車価格 | 3,534,840~4,055,400円 |
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補助金 | 対象外 |
航続距離 | 約870km |
デリカD5は三菱が販売するミニバンである。フロントエンジンのワンボックスミニバンで、オールラウンドなミニバンをコンセプトに作られた。
2007年から販売され当初はガソリンエンジン仕様しかなかったが、2012年に、歴代のデリカディーゼルファンの要望に応えて、4WD車にミニバンでは初となるクリーンディーゼルエンジンを追加した。
デリカD5のクリーンディーゼル車はかなり高級な部類に入るだろう。新車価格はグレードにより差があるものの高価格帯である。しかし、平成29年度の補助金制度の対象からは外れてしまった。
補助金の対象外にはなったが、燃費性能が優れていることには変わりない。カタログ燃費がJC08モードで13.6km/Lなので、64リットルの容量の燃料タンクを満タンにして走ると、航続距離が約870kmにもなる。
まとめ
CEV補助金制度とは、クリーンエネルギーで走る自動車のうち、経済産業省の認定を受けた車種を新車で購入した者に、一定の金額の補助金を交付するというものだ。
該当の車種を購入後、車検登録を行ってから、必要書類を添えて一般社団法人次世代自動車振興センターに申請することで補助金が受けられる。
CEV補助金制度の対象となる車には、EV車(電気自動車)、PHV車(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車) クリーンディーゼル車の4種類がある。
EV車では三菱・iMiEV、日産・リーフなど、PHV車ではトヨタ・プリウスPHV、三菱・アウトランダーPHEVなど、クリーンディーゼル車ではマツダのCX-3やアクセラスポーツなどが該当する。
ただし、CEV補助金制度の内容は変更の可能性がある。最近の申請実績やこれからの予想により、次世代自動車振興センターは予算不足となる可能性が極めて高いとしているからだ。
実際、平成29年度の補助金について、申請の受付期間が短縮されている。したがって、補助金を目当てに車を購入する場合は、事前の確認が必要だろう。