事故に遭って車が大破してしまった、買取査定額がつかなかったという場合には車をスクラップにすることになるはずだ。もちろん事故に遭ってもスクラップにする必要がないケースもあるため、その見極めも必要である。
ここではスクラップと廃車の違いとスクラップにすべき3つの状態、そしてスクラップにする方法を解説している。もしスクラップ・廃車にすべきなのか迷っている人は参考にして、無駄な費用を支払うことなくスクラップにしてもらいたい。
車の”スクラップと廃車の違い”について
車のスクラップと廃車、同じことを言っているように思えるが実際が違うことを指すのである。いずれも車に乗れなくなることを指すのだが、その意味合いは全く違うものとなるのだ。まずスクラップは車そのものを解体しることを指す言葉だ。
一方で廃車とは書類上その車で公道を走れなくなる手続きのことを指すのだ。廃車の手続きとしては一時抹消登録と永久抹消登録があり、一時抹消登録なら再度登録することができることになる。
スクラップは車自体が解体されてしまうのだから、当然再度乗ることは不可能だ。そのためスクラップをした車であれば永久抹消登録をすることになる。
車をスクラップにすべき『3つの状態』
車をスクラップにするかどうかは所有者の判断になるが、一般的に以下の3つのような状態だとスクラップにしたほうがいいだろう。
【状態1】事故などで車が動かせなくなった
事故を起こしてしまうと、その程度によっては修理する費用が高額になってしまうこともあるはずだ。もしまだ新しい車で修理すれば乗れるような状態なら、修理して乗ることもできるし車買取店でもそれなりの価格がつくはずである。
だが全損になって修理不能になるほどの大きな事故だったり、修理はできるがリユースしても修理費用のほうが高くなってしまうような古い車はスクラップしたほうがいいだろう。
もちろん愛着のある車なら修理して乗る選択肢もあるが、安全走行にも問題が出てくるし損する事になるのでやめたほうがいいのだ。
特に大破してしまい車が動かせなくなっているようなら、スクラップ業者に速やかに連絡をしてレッカーしてもらったほうがいいだろう。
【状態2】何年も動かしていない不動車
車はあるがすでに一時抹消登録をしており何年も動かしていないような車は、すでに動かなくなっている可能性が高い。そんな何年も動かしていない不動車はスクラップにすべきである。その理由は主に以下の通りだ。
- 修理にも大金がかかってしまう
- 車検が切れているので車検にもお金がかかる
- 公道を走らせられないので、業者にもっていくにもお金がかかる
- すでに年式もかなり古くなっている
もしエンジンがかかる状態であれば仮ナンバーを取得して、整備工場にもっていって車検や修理をしてもらうという選択肢もある。
だが現実的には何年も動かしていない車はエンジンがかからないだろうし、どこかに不具合がある可能性も高く走行することも危険なのだ。
【状態3】査定額がつかなかった
車を手放す時にはディーラーや中古車販売店、車買取店で査定してもらう買取してもらうことだろう。だが以下のような車だと、査定がつかない可能性も十分に考えられるのだ。
- 事故車や不動車
- 年式が古い
- 過走行車
- エンジンなどの状態が悪い
- 内外装に大きなキズやへこみがある
もしいくつかの業者に査定してもらいどこでも査定額がつかないという場合には、スクラップにするしかないのだ。ただ査定額がつかないといっても、ゼロで引き取ってくれる業者があれば自らスクラップにする必要はない。
車をスクラップにする方法は『3つ』
車をスクラップする方法は以下の3つがある。
- ディーラーや中古車販売店でスクラップしてもらう
- 自分でスクラップ工場に持ち込む
- 廃車買取業者にスクラップしてもらう
車を買い替えする時にはディーラーや中古車販売店にスクラップしてもらう人もいるはずだ。車を引き渡すだけなので手軽にできる一方、その場合は別途スクラップ費用と代行料等を負担しなければいけない。
スクラップ工場にもっていけば、コストを抑えることができるが手間もかかる上に廃車手続きも自分で行わなければいけないのだ。
一番おすすめなのが廃車買取業者にスクラップしてもらう方法で、手間もコストもかからない上に場合によっては高額買取してもらえる可能性があるのだ。
車をスクラップにするまでの全ステップ&流れ
車のスクラップを業者に依頼する時には、車を持っていくもしくは引き取りに来てもらうだけなので基本的に何もする必要はない。だがもし自分で車をスクラップするのなら、以下のようなステップで行わなければいけないのだ。
- スクラップ業者を探す
- 管轄の運輸局に行き、一時抹消登録をする
- 決めたスクラップ業者に車を運ぶ、もしくはレッカーで運んでもらう
- スクラップが完了したら解体通知を受けとる
- 解体通知を含む必要書類を準備して管轄の運輸局で永久抹消登録をする
スクラップは費用がかかるので自分で解体するという人もいるかもしれないが、素人は解体できないのだ。当然解体通知も受け取れないため廃車手続きもできない上に、法律違反で罰金を取られてしまうのでやってはいけないのである。
車のスクラップに掛かる費用と相場
車をスクラップするのにも費用がかかってしまうものだ。一般的に車のスクラップにかかる費用と相場、その内訳は以下の通りである。
スクラップ費用 | 5,000円~1万円 |
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廃車手続きの申請費用 | 約500円 |
廃車手続き代行費用 | 1万円~2万円 |
レッカー代 | 1万円~3万円 |
もし廃車手続きを自分で行い、スクラップ工場まで自分で持っていくというのであれば、車種によって5,000円から1万円ほどが相場となるのだ。もちろんそこにはさらにガソリン代や交通費などもかかってくるのである。
だが不動車となればレッカーは必要であるし、手続きが面倒で業者に依頼するとなれば6万円ほどかかってしまうこともある。ちなみに廃車買取業者に依頼すれば、最低でも0円でスクラップできるはずだ。
車を廃車にしたとき戻ってくるお金がある
車を廃車にすると一般的にはスクラップ費用やその他の費用で2万円から6万円ほどかかってしまうものである。だが車を廃車にすると、負担する費用だけでなく戻ってくるお金があるのだ。それが自動車税や自動車重量税などだ。
自動車税は毎年5月末まで支払うことになっており、自動車重量税は車検時に車検の期間分を支払っているはずだ。車を廃車にすればそれぞれの残存期間分を還付金として受け取ることができる。
ただ自動車税に関しては3月に売却した場合を除き必ず戻ってくるが、もし廃車にせず買取してもらう場合には自動車重量税は戻ってこないのである。また車を廃車にしてその後も車に乗らない場合には、掛けていた保険料も戻ってくるのだ。
まとめ
車をスクラップにする場合には、やり方一つで数万円を負担しなければいけないケースもあれば、逆に一切お金をかけずにスクラップできることもあるのだ。
ディーラーや中古車販売店の言いなりになってしまうと、費用がかかってしまうことがあるので注意してほしいところだ。
もし廃車にするのであれば、ディーラーや中古車販売店ではなく廃車買取店に依頼するのがベストである。もしかしたら費用がかからないだけでなく、数万円を手にすることができるかもしれないのだ。