自動車が取り扱われている業者向けのオークションを、オートオークションと言います。中古車市場が大きく盛り上がった昭和末期ごろから徐々に規模が広がり、オートオークションをメインとする業者も複数存在するほどです。
一般的なオークションとは異なるため、個人利用に関しては期待しない方が良いでしょう。またどのような仕組みやメリット・デメリットがあるかわからないという人は、この機会にどのようなものか覚えておくと良いでしょう。
オートオークションはどんな仕組みなのか?
中古車が出品されているオートオークションですが、以下のような仕組みで行われています。
- 買取店が中古車を買い取る
- 出品された中古車がチェックされる
- オークションが開催されて入札される
- 落札後に仕入れが確約し支払いが行われる
オートオークションごとに細かな差があるかもしれませんが、だいたい上記した仕組みで行われるでしょう。つまりオートオークションをシンプルに説明すれば、目当ての中古車のために最高額で入札した業者が仕入れられるのです。
業者の純粋な仕入れ値、つまり原価は以下のものを合計して金額となります。
- 入札金額
- 手数料
- 陸送費用
仕入れのためにもコストがかかるため、欲しいものを安く購入できる場とは言い難いでしょう。
個人(一般人)が参加することはできない(代行業者に依頼する)
オートオークションは業者向けのものであるため、個人(一般人)が参加することはできないのです。また業者が参加資格を得るためには、以下の内容の審査にクリアする必要があります。
- 加入店の設立状況と業績
- 展示場の有無と販売台数
- 日本中古自動車販売協会連合会の加入状況
- 他オークションでの加入状況
どうしても参加したい個人(一般人)は、代行業者に依頼することをおすすめします。買取店や業者の中にはブローカーが存在し、入札などを代行してくれるのです。
代表的なオートオークション会場一覧
オートオークションには複数の会場が存在し、全国におよそ140箇所あると言われています。今回はその中でも有名なUSSとJAAを紹介しますので、欲しい中古車がある人は代行業者を介して利用してみてはいかがでしょうか。
USS
中古車オークションの中でも多くのシェア率を誇ると言われているUSSですが、特徴をまとめると以下の通りです。
- 出品台数は毎週平均でおよそ5万台
- 年間でおよそ239万台を出品している
- 会員総数はおよそ46,850社
上記した通り規模や実績から、日本を代表するオートオークション会社と言えるでしょう。ボタンを押すと5,000円単位で加算され、入札開始後に大型スクリーンに中古車の数字が1つずつ表示されるというシステムが採用されています。
JAA
日本で初の常設型のオークション会場として、1971年に創業されたのがJAAです。JAAの特徴をまとめると、以下の通りです。
- USSと並びオークション会場が大規模である
- オートオークションは毎週水曜日に開催される
- 所在地は東京都江戸川区
開催日には出品店だけではなく、中古車を求めている応札店も多数参加します。JAAでは順番に従い競りが進められ、成約されたものは買い手である応札店が搬出することになります。
代表的なオートオークション業者
オートオークション会場だけではなく、専門の業者も多数存在します。今回は数ある業者の中から代表的な4つを紹介しますので、利用したいと考えている人は代行業者に依頼して開催されているオートオークションを利用すると良いです。
株式会社ベイオーク
最初に紹介する株式会社ベイオークには、以下のような特徴があります。
- 西日本の中でトップクラスの規模を誇る
- 手入札形式のオークションを昭和53年から行っている
- 完全映像4レーン化によりリアルタイムに対応している
- 入札金額を2段階で設定できる
- 気に入った中古車があれば登録することができる
- 自動車税照会機能が利用できる
規模の大きさや機能性の良さから、初めてオートオークションを利用する人にもおすすめできる業者です。
株式会社ユー・エス・エス
2つ目に紹介する株式会社ユー・エス・エスには、以下のような特徴があります。
- 32.3パーセントのシェアを誇りオートオークション業界の中でトップクラスである
- 全国に19箇所の会場が存在する
- 巨大スクリーンや快適シートの座席など設備面も充実している
- 衛星システムを利用したオークションが開催されている
サービスの範囲を全国に広げている株式会社ユー・エス・エスは、大規模なオートオークションの草分け的存在と言えるのではないでしょうか。
株式会社オークネット
3つ目に紹介する株式会社オークネットには、以下のような特徴があります。
- 世界で初めて中古車のTVオークションを開催した
- 中古車以外の商品のオークションも充実している
- 加入することで自動車の故障修理代が0円となる中古車保証がある
- モバイル端末を利用して下取りや買取の簡単な査定をしてもらえるサービスがある
オートオークションは基本的に中古車の取り扱いがメインとなりますが、株式会社オークネットはそれ以外のアクセサリーが欲しい場合に向いているでしょう。
アライオートオークション
最後に紹介するアライオートオークションには、以下のような特徴があります。
- 運営会社は大正9年に創業された
- 中古車の他にバイクや大型トラックなども取り扱われている
- ナンバー外しや出品票代筆などの出品店向けサービスが充実している
- フォークリフトのレンタルや商談などの落札店向けサービスも充実している
出品店と落札店に向けられたサービスが複数存在するため、利便性が高いと言えるでしょう。サービスの充実さで選ぶ場合、アライオートオークションをおすすめします。
オートオークションの参加資格と入会条件
参加条件と入会条件をまとめると、以下の通りです。
- 業者向けに開催されているため中古車を取り扱う業者であること
- 十分な販売実績があること
- 古物商の資格を持っていること
- 古物取引実績が1年以上あること
オートオークション業者ごとに異なる場合もありますが、上記したものは最低条件と言えるでしょう。業者の中にもレベル差があるため、十分な実績がない業者まで自由に参加できるようになると全体のレベルが下がってしまうでしょう。
そのため厳格な条件を定めている業者もあるため、事前にチェックしておく必要があるのです。
オートオークション当日の流れ(USS)
USSの例に挙げて、オートオークション当日はどのように流れるかチェックしてみましょう。
- 会場でエントリーを行う
- 会場内の情報端末を利用してデータベースにアクセスする
- 目当ての中古車があるかをチェックする
- 保管された出品中古車の下見を行う
- 4台から10台の競りが同時進行する
- 出品中古車のスタート価格や落札希望価格の調整が行われる
当日はこのような流れに従い、業者による競りが行われます。個人(一般人)が代行業者を利用して参加する場合も同様であり、希望する中古車の落札に成功すれば出品された中古車は出庫手続きが進み落札者の元へ届けられます。
会場には多数の業者が集まるため、スピードや判断力が求められるでしょう。
オークション代行を利用して参加するメリット・デメリット
代行業者によるオークション代行には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 安全性が高い
- 走行距離に不正がない
- 事故歴や修理歴が明確である
- 何かトラブルがあっても自己責任となる
- 自分の都合でキャンセルができない
- 安く購入できない場合もある
オートオークションで出品される中古車は、一般的なオークションのそれとは異なるでしょう。厳しい査定をクリアしたものが出品されているため不正などの可能性も低く、事故歴や修理歴などの情報もチェックできるのです。
ただしすべての手続きが完了するまで実車を直接チェックできないため、イメージとのギャップがあるかもしれません。自己責任でも問題ないという場合のみ、オークション代行を利用しましょう。
オークション代行で金銭トラブルが起こるケースあり
金銭トラブルには注意が必要で、オークション代行の中でも最大の問題点と言えるかもしれません。起こり得るケースとしては、以下のようなものがあります。
- 代行業者に提示した予算とは異なる金額で落札されてしまう
- 手数料の支払い後に逃げられてしまう
提示した予算よりも高額な金額で落札されてしまっては、安心してオークション代行を利用できないでしょう。
中古車オークションを利用した方の口コミアンド評判
中古車選びをする時、無謀にも業者オークションにも手を出したいと思ってしまう。
— 本気な車好き共感BOT (@seisyundaisuki) 2019年3月30日
2月12日に 車屋さんに頼んでいたのです。
やっとオークションに出た!
そしてGet(((o(*゚▽゚*)o)))❣️ pic.twitter.com/liPIw4Cf8k— Flora-* (@fluorite_74) 2019年3月28日
今日はオークション会場!
なんかいい車ないかな😃? pic.twitter.com/9bAALjk9ZM— ノーズライディング (@daaaa3333) 2019年3月26日
まとめ
オートオークションは中古車を取り扱う業者のためにあり、優良なところは全体的にレベルが高いと言えるでしょう。業者であっても参加できない可能性もあるため、珍しい中古車が手に入るチャンスがあるかもしれません。
個人(一般人)が利用する場合は代行業者に依頼する必要がありますが、デメリットがあることも忘れていてはいけません。実際にオークション代行のトラブルが発生しているため、信頼できるところを探して利用することが重要です。
ただし業者向けのオートオークションのために様々な企業が関わることは、決して悪くはないのです。お金や時間の無駄をなくして効率良く仕入れができる場は必要であり、実際に中古車の流通のために貢献しているのです。