車の免許は18歳を超えると取得できるため、大学生になってから車の購入を考える人は少なくないはずだ。車を持つことでさまざまなメリットがあるが、車を所有する際には購入費用だけでなく維持費に注意が必要である。
もちろん乗りたいカッコいい車もあるかもしれないが、維持費が高くなることもあるためある程度の我慢が必要になることもある。
ここでは大学生が車を買う時に注意したい維持費について、また大学生におすすめの車種と支払方法を紹介しているので参考にしてもらいたい。
大学生で車を買うのはきつい?購入費用だけでなく『維持費』を考える
車はいろいろな車種があるため、買うこと自体は大学生でもそれほど難しいことではない。だが購入費用だけでなく、車を所有する事でかかってくる維持費に注意が必要だ。ここでは大まかではあるが車の維持費について解説していくので頭に入れておくといいだろう。
【維持費1】ガソリン代
車の維持費として真っ先に思いつくのがガソリン代ではないだろうか。近年は電気自動車や水素自動車なども出てきているが、中古車の多くはガソリン車である。ガソリン代に関してはどれくらい走行するのかによって変わってくる。
社会人の場合、通勤で車に乗る人は仮に会社まで20kmあるとすると、1日40km走行することになる。燃費が20km/Lの車に乗っていれば、1日2L、1ヶ月で約50L必要となるのだ。ガソリン価格が140円/Lだと1ヶ月のガソリン代は約7,000円となる。
大学生だと通学で毎日乗る人以外はそこまでガソリン代がかかるわけではない。ただ燃費の悪い車を購入すると、すぐにガソリンがなくなってしまうこともあるため、車を購入する際には燃費についてもチェックしておく必要があるだろう。
【維持費2】駐車場代
車は購入すればそれを停めておく駐車場が必要となる。自宅などに車庫がある場合はいいのだが、アパートやマンションに住んでいる大学生なら、駐車場を借りる必要もあるのだ。駐車場を借りるとなると、少なからず駐車場代がかかってくる。
駐車場については地域によっても差があり、借りているアパートやマンションの家賃に含まれていることもあるが、たいていは数千円かかることが多いのだ。
もし東京23区内で駐車場を借りるとなると、3万円から5万円、場合によってはそれ以上かかることもあるので注意したい。
また駐車場代が安いからと言って住まいから離れた場所に借りてしまうと、不便上に治安が悪い場所だと車両荒らしに遭う恐れもあるので、そういった点もチェックが必要だ。
【維持費3】車検代・整備代
初めて車を持つ人は車の購入費用とガソリン代については頭にあるだろうが、それ以外の費用についてはあまり考えていない人も多いものだ。車を維持していく上で必要となってくる維持費の1つが車検代や整備代である。
車検は新車時以外は2年に1度必ず受けなければいけないのだ。その費用は軽自動車なら7万円前後、普通車なら10万円前後は最低でもかかると思っておいた方がいい。
中古車を購入する場合には、車の状態によってはいろいろな部位の交換や修理が必要となってくるのだ。そのためプラスαで5万円ほどが必要である。
古い中古車や走行距離の多い中古車などは特に故障のリスクが高いため、定期的な整備も必要となるだろう。そのため整備費用や修理費用も必要になることがあるのだ。
【維持費4】保険料
車に乗る人にとって必ず入っておくべきなのが自動車保険である。新車購入時や車検時には強制的に自賠責保険には加入するが、それだけでは十分ではなく民間の自動車保険にも加入が必要だ。
特に大学生であれば、運転技術が未熟であることは否めないため、どうしても事故率は高くなってしまう。また車の事故はもらい事故も少なくないため、自分は安全運転をしていても事故に遭うことはあり、その時に十分な補償がなければ自分の人生すら変えかねない。
事故車保険料は大学生だと免許取得からも期間も短く事故率が高いということもあり、保険料は高めだ。
そのため保険の内容をしっかりと見極めて無駄のない補償にする必要があるだろう。この保険料については大学生が車両保険までつけると年間で10万円から30万円とかなり高額だ。
【維持費5】自動車税
車を持っていれば、毎年支払わなければいけないのが自動車税である。自動車税は5月初めに納付書が送られてきて5月中に支払わなければいけない税金で、税額は排気量によって変わってくるのだ。
その税額は軽自動車であれば10,800円だが、普通自動車は25,000円から111,000円と幅広い。例えば新車登録が2019年9月30日以前なら排気量によって以下の税額となる。
- 1L以下…29,500円
- 1L超から1.5L以下…34,500円
- 1.5L超から2L以下…39,500円
- 2L超から2.5L以下…45,000円
- 2.5L超から3L以下…51,000円
- 3L超から3.5L以下…58,000円
- 3.5L超から4L以下…66,500円
- 4L超から4.5L以下…76,500円
- 4.5L超から6L以下…88,000円
- 6L超…111,000円
このように排気量によっては大きな負担となるため、自動車税を節約するために購入する中古車の排気量もチェックしておきたいところだ。ちなみに新車登録から13年経過した車は約15%増額となるのだ。
軽自動車と普通乗用車の維持費の違い
軽自動車にはあまり乗りたくないと思う大学生も少なくないだろう。中古車の購入費用だけを考えれば軽自動車も普通車もそれほど価格が変わらないケースもある。どの車に乗るのかは本人の自由だが、維持費を考えると軽自動車の方が節約できるのだ。
ガソリン代については普通車も燃費が良くなってきているし、それほど走行距離が多くない大学生はそれほど大きな差にはならないかもしれない。だがそれ以外の維持費では大きく変わってくるのだ。
仮に排気量1.5L以下の中古車と軽自動車を比較すると以下のように各費用で普通車の方が高くなる。
- 自動車税…プラス23,700円
- 車検代…プラス約50,000円
- 任意保険…プラス約20,000円
このように年間で10万円ほど差が出ることがあり、排気量の多い中古車などを購入すればさらに維持費は高くなってしまうのだ。
大学生におすすめしたい車『5選』
車に興味がある大学生は自分が乗りたい車を購入したいと思うだろうが、購入費用や維持費を考えるとある程度妥協も必要だ。ここでは大学生が乗る車としておすすめしたい中古車を5車種紹介しているので、参考にしてもらいたい。
スズキワゴンR
スズキワゴンRはトールワゴンというジャンルのパイオニア的車種で、デビュー以来高い人気を誇る車だ。車内空間も広く、燃費性能も良く、軽自動車なので維持費を大幅に抑えられるのも魅力の1つだ。スズキワゴンRを大学生におすすめしたい主な理由は以下の通りである。
- 軽自動車なので維持費が抑えられる
- 男女問わず乗りやすい
- ハイトワゴンタイプで室内も広い
- 中古車も多く出回っているので選択肢が多い
大学生と言っても性別もさまざまで、好みや予算も人それぞれ違うだろう。
長年人気を維持し続けているスズキワゴンRは中古車市場にもたくさんの車があるため、自分の好みや予算に合わせて選択できるのは大きなメリットだろう。絶対とは言わないが、きっと自分の希望通りの車が見つかるはずだ。
ダイハツタント
ダイハツタントは2003年に登場したハイトワゴンタイプの軽自動車である。デビュー以来、幅広い年代層に人気があり、ダイハツを代表とする車種だ。初代は年式も古くなってしまうため、購入するなら2代目以降が妥当である。
そしてその2代目からはBピラーがないミラクルオープンドアが採用されたことにより、乗りやすさがさらに向上している。ダイハツタントを大学生におすすめしたい主な理由は以下の通りである。
- 軽自動車なので維持費が抑えられる
- ミラクルオープンドアが乗り降りしやすい
- 男女問わず幅広いジャンルに人気がある
- 中古車も多く出回っているので選択肢が多い
ダイハツタントは中古車もたくさん出回っており、ボディカラーもポップなものからシックなものまでいろいろあるため好みに合わせて選べるのもおすすめの理由だ。
ホンダフィット
ホンダフィットは2001年に登場したハッチバック型のコンパクトカーだ。2002年には国内年間販売台数トップを獲得した大人気車種である。普通自動車のため軽自動車に比べると維持費がかかるイメージがあるが、燃費性能が極めて高く、排気量も少ないので維持費もあまりかからないのだ。
ホンダフィットを大学生におすすめしたい主な理由は以下の通りである。
- 燃費性能が高い
- コンパクトカーの中では車内空間が広い
- 老若男女誰にでも似合う
- 小回りが利くので初心者でも運転しやすい
- 中古車も多く出回っているので選択肢が多い
グレードによって燃費は異なるが、悪くても19.2km/Lほど、ハイブリッド車だと34.0km/Lにもなるため、大学生にとってはガソリン代を深く考える必要がないのもポイントだ。また中古車も多いためリーズナブルな価格のフィットもある。
日産キューブ
日産キューブ1998年に登場したトールワゴンで車内スペースを重視した車だ。また左右非対称のリアウインドウ、名前通りの立方体を連想させるフォルムは個性的かつ可愛らしさもあり女性にも人気である。また国内だけでなく海外でも人気の車種だ。
日産キューブを大学生におすすめしたい主な理由は以下の通りである。
- コンパクトカーだがゆったりできる車内空間
- 個性的なデザインで男女問わず人気
- 視認性が高く、小回りもきくので初心者でも運転しやすい
- 中古車も多く出回っているので選択肢が多い
日産キューブは2020年3月で販売終了となっているが、中古車としては影響もなく数多くのキューブが出回っているので選択の幅は広い。逆に今後は徐々にキューブの姿は少なくなるため、より個性的に思えるだろう。
トヨタパッソ
2004年に登場したトヨタパッソはダイハツが開発・生産してトヨタが販売しているハッチバック型のコンパクトカーだ。コンパクトカーの中でもサイズは小さく、それでいて室内空間は広い。また新車価格もリーズナブルで燃費性能も高いのでコスパも最強だ。
トヨタパッソを大学生におすすめしたい主な理由は以下の通りである。
- 室内空間、ラゲッジスペースが広い
- 普通車ながら軽自動車並みの価格
- 燃費性能が高い
- コンパクトなサイズで初心者でも運転しやすい
丸みを帯びたデザインでボディカラーも豊富にあるので女子大生に特におすすめの車種だ。
初代は年式的に古くなるのでおすすめできないが、2代目以降であれば状態の良いパッソが中古車市場にたくさん出回っているので選択肢も多くなる。
大学生が車を購入するときの『3つの支払い方法』
車を購入する場合、気になるのは支払い方法ではないだろうか。大学生だと貯金も少ないため、車は買えないとあきらめてしまう人もいるだろう。だが大学生でも支払い方法はいろいろあるため、車の種類だけでなく支払方法も検討してみるといいだろう。
【方法1】一括払い
車を購入する場合に一番費用負担が少ないのが一括払いである。一括払いであれば、ローンやクレジットのように利息や手数料を毎月支払う必要がなく車の維持費だけを考えればいいので、収入が少ない大学生でも安心だ。
ただ、元々貯金も少ない大学生にとっては、一括払いできるほどまとまったお金が用意できる人も少ないだろう。特に年式も新しく走行距離も少ない中古車となると、購入価格がどうしても高くなってしまうため一括払いでは難しくなる。
だからといって、10万円程度で購入できる激安中古車だと、故障のリスクもあるので逆に費用がかかってしまうのでおすすめできない。
一括払いはおすすめではあるが、実際は難しい支払方法のため、ローンを組みたくない人は親に立て替えてもらったり、お金がたまってから車を買う方がいいだろう。
【方法2】オートローン
車を購入する場合にはオートローンやマイカーローンを組むという方法がある。ローンというと金利負担が大きいと思われがちだが、オートローンであれば金利が低く設定されているため高額の車でなければ金利負担はそれほど大きくない。
またローンを組むとなると審査が必要になるが、オートローンの場合は車が担保となっているので審査基準は比較的低いのだ。無収入であれば厳しいが、アルバイトをしている大学生であれば審査が通る可能性も十分にある。
ただ大学生でもまだ未成年だったり、100万円以上のローンを組む場合には保証人が必要となるケースがほとんどのため、それは親にも伝えて保証人になってもらうといいだろう。
人生においては何らかのローンを組むことも出てくるだろうから、これを機にローンについて勉強しておくのもいいだろう。
【方法3】クレジット
車を購入する場合にはオートローン以外にクレジットカードで支払うという方法もある。オートローンだと審査に時間がかかってしまったり、無収入だと審査が通らないこともあるが、クレジットカードをすでに持っているならそれを利用して支払うこともできるのだ。
もちろんクレジット一括払いはできないだろうから、分割払いとなるため金利負担はローンよりも多くなってしまう。また大学生の場合はクレジットカードを持っていても限度額が低く設定されているケースがほとんどだ。
たいていは上限が最大でも50万円、クレジットカードを持ったばかりなら上限30万円になってしまうこともある。そのため車の購入金額もそれに合わせて抑えなければいけないだろう。
まとめ
このように社会人が車を買うのとは違って、大学生で車を買うのは購入費用だけでなく維持費のことも頭に入れておかなければいけないのだ。
単純に車が欲しいというだけで買ってしまうと、生活がままならなくなることもある。結局、車を維持していくことができずに、手放す羽目になってしまうこともあるのだ。
まずは自分がどれくらい毎月支払っていけるのかを頭に入れた上で、どれくらいの費用なら維持していけるのかを逆算して車選びするといいだろう。