中古車を購入する際、中古車販売店によっては手付金という名目で支払いを要求されることもある。手付金の意味も分からずに、言われるままに支払ってしまう損をしてしまうこともあるため注意したい。
また手付金の他に申込金として支払いを求められることもあるため、まずその違いをしっかり知った上で中古車の購入を検討していくといいだろう。
ここでは中古車を購入するときに求められる手付金について、申込金&頭金との違いについても解説している。
中古車を購入するときの”手付金”とは?購入する意思の証明
中古車の購入を検討していると、気に入った車が見つかることもあるだろう。ただ中古車と言えども数十万円から数百万円という大きな買い物であるため、購入意思はあってもローン等も考えなければいけないため、その場で即決というのも難しいものだ。
ただ、だからといってそのまま帰ってしまうと、他の人に契約されてしまう恐れもある。手付金とはそんな時に中古車を購入する意思があることを証明するお金で、手付金を支払うことで販売店は他の人との交渉をしなくなるのだ。
手付金は大きく分けて以下の3つに分けられるので、手付金を支払う際にはどのようなタイプであるのかの確認が必要だ。
- 証約手付…契約締結の証明するもの
- 解約手付…条件を満たせば契約の破棄ができる
- 違約手付…契約違反があった場合に罰則に充てられる
手付金と頭金の違いについて
中古車を購入する際には頭金を入金するケースもあるが、手付金は頭金のようなものと思う人もいるようだ。確かに中古車を購入した場合には、どちらも購入金額の一部に充てられるものではあるが、厳密にはまったく意味が違うお金である。
頭金は手付金とは以下のような違いがある。
- 主にローンの支払いを少なくするためのお金
- ローンの審査に通りやすくする
- 金額が基本的に自由
頭金については、基本的に販売店側が要求するものではなく、あくまで購入者側が審査を通りやすくするため、支払いを楽にするために支払うお金である。
一方で手付金は、購入者側からすれば車を取り置きしてもらうため、販売店側からすれば購入をやめるなどで損害を受けた時のための保証料的な役割があるのだ。
手付金と申込金の違いについて
中古車を購入する際に求められるお金としては手付金の他に申込金と呼ばれる費用もある。一見すると同じような意味合いと思われがちだが、違いがあるため知っておくといいだろう。申込金が手付金と違う点は以下の通りである。
- 契約前に支払う
- 契約前なので購入をやめることも可能
- 支払うことで車を取り置きしてもらえる
- キャンセル時は基本的に返金される
申込金は購入する意思を示すものというよりは、他の人に契約されないように一時的にキープしてもらうためのお金である。そのため申込金を受け取った販売店側はその車を商談中として確保するのだ。
あくまで商談中であり、他の車の方が良いと思ったらキャンセルも可能で、基本的に申込金は戻ってくる。ただいつまでも車を取り置きしてもらうことはできず、早急に商談して契約もしくはキャンセルが必要だ。
中古車の購入で必要な手付金の相場
中古車の購入で必要となる手付金は、実際にどれくらいの費用がかかるのか不安になる人も多いだろう。これについては法律で決まっているわけではなく、販売店によって変わってくる。そのため販売店によっては手付金も不要としているところもあるのだ。
ただ一般的な手付金の相場としては、5万円から10万円程もしくは車両価格の1割程度としているところが多いようだ。中古車購入価格を50万円から100万円と考えれば、1割で5万円から10万円というところなのだろう。
ただ誰しもそんな現金を持ち歩いているとは限らないため、販売店によっては持っているお金でも構わないとされることも多いです。その場合でも最低1万円は必要とされているため、中古車探しに行ったときはある程度の現金も持っていくといいだろう。
中古車の手付金は基本的に返金されない
中古車の手付金を支払ってから、何らかの理由で購入をやめるということもあるかもしれない。ただ気を付けてほしいのは、購入をキャンセルした場合は基本的に支払った手付金は返金されないのだ。
手付金を支払うということが購入の意思を証明するものであり、販売店側では納車のために整備や登録手続きなどをおこなうため、それなりの経費がかかっているのだ。
また本来なら他の人の購入を諦めさせてしまっているため、そういう面でも損害が出てしまうのである。手付金はまさにそういった損害を補うための費用である。
ただ、手付金を支払った後に中古車に修復歴がみつかったなど販売店側の過失によりキャンセルをする場合には手付金が返金されることはある。
手付金を払ったからといって必ず購入する必要はない
手付金を支払った場合には、基本的にキャンセルはできないものだ。だが、だからと言って必ず購入しなければいけないというわけではない。手付金を支払った後に、ローンが組めなかった、車が必要ではなくなったなどいろいろな諸事情がでてくることもある。
もちろん、他に好条件の中古車が見つかったというケースもあるだろう。手付金を支払って契約したとはいっても、そういった事情でキャンセルする事は可能である。
ただし、キャンセルすることで販売店側が損害を生じてしまうこともあるため、キャンセル料として手付金が戻ってこないことがほとんどである。
手付金ではなく”申込証拠金”なら全額返金可能
中古車を購入する際の手付金は基本的に戻ってはこないのだが、もし契約前に支払う申込証拠金だったなら全額返金可能である。
あくまで申込証拠金は契約ではなく、商談するために預けるお金という意味合いがあり、購入をやめれば支払った申込証拠金は全額戻ってくるのだ。
販売店によっては手付金という名目で支払うこともあるが、もし売買契約が成立する前に支払っているのであれば、実際は申込証拠金ということになる。
販売店によっては、契約はしていないが口約束したのだからこれは手付金であり返金できないということもあるかもしれない。
そのためもし契約前に手付金を支払ってほしいということであれば、これは申込証拠金ですか?と確認してみるといいだろう。
手付金を支払う前に注意すべきポイント
中古車を購入する際に販売店から支払いを求められる手付金だが、販売店に言われるがまま支払うのは注意が必要だ。
この費用は最終的には中古車の購入費用に充てられる、とだけ説明をされることもあるため、支払う前に必ず以下のポイントを確認しておくべきだ。
- 手付金なのか申込証拠金なのか
- キャンセルしても返金してもらえるか
- オークションの場合は落札失敗時に返金されるか
- いつまでなら返金できるか
- 販売店側の過失なら返金されるのか
手付金については販売店によって呼び名も内容も変わってくる。そもそも手付金がないところもあるし、キャンセル時の返金対応も違ってくるので、万が一に備えて細かなところまで確認しておくべきである。
まとめ
このように中古車を購入する際には、手付金が必要になることもあるのだ。もちろんそのまま車を購入すれば、その費用は購入費用に充てられるため何の問題もないのだが、万が一購入をやめた時には返金されない可能性もある。
そのため基本的に手付金を支払ったらキャンセルはできないものと思っていたほうがいいだろう。
だからといって、支払うのをためらっていると希望の車が他の人に買われてしまうこともある。そうならないため、申込証拠金などについても確認が必要である。