車を購入する場合、真っ先に考えるのが新車にするか中古車にするかという点だろう。誰しも新しい車に乗りたいものだが、金銭面で難しいから中古車にと考える人も少なくない。
だが金銭面だけでなく新車・中古車にはそれぞれメリット・デメリットがあるものだ。金銭面で余裕がなくてもローンを組むことができるため、必ずしもお金がないから中古車とも言い切れないのだ。
ここでは新車・中古車それぞれのメリット・デメリットを解説しているので、まずはそれをチェックしてから車選びを検討してもらいたい。
新車と中古車おすすめどっち?登録台数の割合
車を購入する際、新車にするか中古車にするか悩む人も多いだろう。新車を選ぶか中古車を選ぶかはその人の考えやライフスタイルによっても異なるため、一概にどちらがいいかは言い切れないが、参考までに新車と中古車の登録台数を比較してみる。
日本自動車販売協会連合会が公表している2017年から2020年までの軽自動車を含む新車の登録台数は以下の通りだ。
- 2017年:523万4,095台
- 2018年:527万1,987台
- 2019年:519万5,134台
- 2020年:459万8,527台
- 4年平均:約507万4,936台
一方、中古車の登録台数は以下の通りだ。
- 2017年:339万1,703台
- 2018年:335万7,843台
- 2019年:337万1,104台
- 2020年:334万2,505台
- 4年平均:約336万5,789台
これからわかるように、新車の方が中古車よりも1.5倍ほど購入台数が多いということになる。
新車と中古車買うならどっちがお得?コスパを比較
車の購入費用は中古車と言えども決して高いものではないため、車を選ぶ場合にはコスパも重要になってくるだろう。コスパについては、車種やグレード、年式などさまざまな要因があるため一概にどちらがいいとは言えない。
あくまで一般的ではあるが、同じ車種でコスパを比較すると以下の通りである。
- 購入費用:新車>>>>中古車
- ガソリン代:新車≧中古車
- 自動車税:新車≧中古車
- 自動車保険:新車≧中古車
- リセールバリュー:新車>中古車
- メンテナンス・車検費用:新車≧中古車
新車だと燃費性能も向上しているケースが多く、またエコカー減税なども受けられる車もあり、維持費の面では新車の方がかからないことがほとんどだ。だが購入費用では圧倒的に中古車にほうがコスパは良い。
新車を購入する『3つのメリット』
新車か中古車かを迷っているなら、まずは新車のメリットを知っておくといいだろう。主に新車を購入すると以下の3つのメリットがある。
【メリット1】色やメーカーオプションを自分好みに選べる
新車の最大のメリットと言えば、グレードやボディカラー、オプションなどを自分の思い通りにできるという点だ。一般的に新車を購入した場合、一部を除き受注生産となるため、試乗車やカタログなどを見て自分好みの車を選べる。
中古車市場にはたくさんの車があるが、自分好みの車はなかなか見つからないものだ。見つかったとしても年式や走行距離、もしくは費用面で条件と合致しないこともあるだろう。新車ならそういう面はなく、自分で選んだ自分の車を購入できる。
最近はボディのカラーバリエーションも豊富で、グレードやオプションもたくさんある。そのため特に他の人とは違う自分らしい車にしたいという人には中古車よりも新車のほうが最適だ。
【メリット2】エコカー減税がある
新車を購入するメリットとしてあまり知られていないのが、エコカー減税があるという点である。最近は環境性能に優れた車もたくさんあり、その性能に応じて重量税の優遇を受けることができるのだ。性能による減税割合は以下の通りである。
- 電気自動車等:初回・2回目車検時100%減税
- 2030年度基準120%達成:初回・2回目車検時100%減税
- 2030年度基準達成:初回車検時100%減税
- 2030年度基準90%達成:初回車検時100%減税
- 2030年度基準75%達成:初回車検時50%減税
- 2030年度基準60%達成:初回車検時25%減税
その他に環境性能割やグリーン化特例などもあり、環境性能割の免税・減税、自動車税の軽減などもできるのだ。車種にもよるのだが3年間で10万円前後の費用が抑えられることも少なくない。
【メリット3】保証期間の長さと修理代の安さから長く乗れる
3つ目のメリットとしてはメーカー保証を受けられるため、修理・メンテナンス費用を節約でき、長く乗れるという点だ。
新車購入時はパーツによって3年・6万km、5年・10万kmのメーカー保証を受けられるため、万が一不具合が出たとしても、無償もしくは安い価格で修理してもらえる。
中古車だと年式や走行距離、そして前オーナーのメンテナンス具合によっては数年後に不具合や交換しなければいけない部分も出てくる可能性はあるのだ。
また昔は10年・10万kmが車の寿命などと言われていたが、今はそれ以上乗っても問題なく安全に走行できる。
中古車の場合は、購入時の走行距離によってある程度乗れる距離数が決まってしまうが、新車なら少なくとも7年から8年、場合によっては10年以上も問題なく乗れるだろう。
中古車を購入する『3つのメリット』
中古車は新車にはないいくつかのメリットがあるものだ。主に以下のような3つのメリットがあるので、迷っている方はメリットもしっかりチェックしてから検討してほしい。
【メリット1】車の価格の安さ
中古車の最大のメリットはやはり車の価格の安さにある。新車だと軽自動車でも100万円以上する車も多くなっており、普通車となれば乗り出しまでに200万円、300万円と高額な費用が必要となってくるのだ。
さらにハイグレードの車やオプションも充実させたらプラス50万円から100万円になることも少なくないだろう。もちろん税金面での優遇を受けられる、維持費も抑えられるのだが、ローンを組めば利息も多くなってしまう。
そのため高額すぎて手が出ないもしくは妥協せざるを得なくなることもあるのだ。中古車であれば、年式や走行距離にもよるのだが、好きなグレードの車を安く購入できる可能性がある。自分が3年から4年乗ったと思えばかなり安く感じるはずだ。
【メリット2】新車では買えない選択肢が豊富
新車だと自分好みのグレードやボディカラーを選べるというメリットがあるが、それはあくまで現行モデルのみである。前モデルもしくはさらに前のモデルの車が欲しいと思っても購入できないのだ。
それが中古車であればこれまでのモデルを購入できる上に、現行モデルも購入できるなど選択肢が豊富にあるのだ。さらには特別仕様車や限定車など、その時でしか買えなかったモデルもある。
車によっては前モデルの方がカッコいいというケースもあり、さらには旧車と呼ばれるようなプレミア価値がある車すら購入可能だ。
また年式や走行距離、グレードなどを変えれば希望の車を予算に合わせて購入もできる。それでいて未使用車などもあるため、新車同然の車を選ぶこともできるのだ。
【メリット3】購入してから納車までが早い
中古車を購入するメリットとしては、購入してから納車までが早いという点だ。新車の場合はほとんどが受注生産となるため、契約してからそれに合わせて製造し始めることになる。
そのため購入してから納車まで2ヶ月から3ヶ月ほど、最短でも1ヶ月ほどかかることが多いのだ。人気車種となれば半年以上納車までかかることがある。
納車までにこれまで乗っていた車の車検が来てしまうなんてこともあるのだ。一方で中古車であれば、購入してから平均して3週間程度で納車となる。
在庫さえあれば、整備と書類の準備だけなので最短で1週間程度での納車も可能な場合もあるのだ。そのため、車検などで車をすぐに手放したため、急いで新しい車に乗り換えたいという場合も安心だ。
新車を購入する『2つのデメリット』
新車は自分好みの車に乗れる、エコカー減税がある、長く乗れるなどのメリットがあるが、以下のような2つのデメリットもあるため、知っておくことも大切だ。
- 価格が高い
- すぐに売ると損をする
一番大きなデメリットは中古車に比べると価格が高い点だ。車はどんどん性能が良くなっているが、その分価格も高くなってきている。
車両価格自体も高額になるのだが、実際に乗れるようになるまではオプション費用や諸経費などがかかるため普通自動車なら30万円から50万円ほど高くなるものだ。
軽自動車でも乗り出しまで200万円かかることも少なくないのだ。また新車はいくら状態が良くてもすぐに売れば中古車扱いとなるため買取額は大幅にダウンする。そのため新車は長く乗らないと損をするのだ。
中古車を購入する『2つのデメリット』
中古車は安く購入できる、納車まで早いなどのメリットがあるが、以下のようなデメリットもあるため知っておくといいだろう。
- 多少の傷や汚れ、すぐに不具合が出ることもある
- 値引きが少ない
いくら年式が新しくても中古車はあくまで中古車である。新車に比べるといくら綺麗に洗車されても細かい傷や汚れなどもあるものだ。
年式が古くなればなるほどそれは顕著になり、車の状態によっては買ってからすぐに不具合が出てくる可能性もゼロではない。
また中古車は販売店側で買取した金額や整備費用、維持費などがかかっていることもあり、新車に比べると値引きはできないと思ったほうがいいだろう。多少のサービスはあるものの、新車のように10万円単位での値引きはほとんどないのだ。
新車と中古車どっちを購入すべきか
新車と中古車どっちを購入すべきかはその人のライフスタイルや考え方、車の乗り方によっても変わってくる。そのため新車を購入するのに向いている人もいれば、中古車を購入したほうが向いている人もいるので、自分はどちらに向いているか考えてみるといいだろう。
新車を購入するのがおすすめな人
新車を購入するのがおすすめな人のタイプとしては以下の通りだ。
- 自分好みの車に乗りたい
- 誰かが乗った車は嫌
- 最新の車が欲しい
- お金にある程度余裕がある
- 長い期間乗り続けたい
新車を購入する最大のネックは購入価格が高額になってしまうことであり、もちろんほとんどの人はローンとなるのだが支払面も含めて余裕がある人が選ぶべきである。ただ長い期間乗り続けるつもりであれば、トータル費用を考えたら新車もありだ。
好みの車については中古車でも探せば見つかる可能性もあるため、特に新車にこだわりがないのであれば中古車も検討してみるといいだろう。
ただ誰かが乗った車は嫌だ、最新の車が欲しいという点を妥協できないのであれば、新車をメインに車の購入を考えてみるといいだろう。
中古車を購入するのがおすすめな人
中古車を購入するのがおすすめな人のタイプとしては以下の通りだ。
- 安く車に乗りたい
- 現行モデル以外の車に興味がある
- 今すぐ車を乗り換えたい
- 初心者・運転が未熟
- 短期間で車を乗り換えたい
中古車を購入する最大のメリットは新車よりもかなり安く購入できる点だ。
ただ中古車である以上、新車程ピカピカではない、年式によっては長くは乗れない、買ってからすぐに不具合が出るリスクはある、長期間乗れないなどのデメリットは頭に入れておく必要がある。
ただプラスに考えると、運転が未熟でぶつけてしまう心配がある人などは中古車の方がショックは小さいし、価格が安いため数年でまた違う車に乗れる、ともいえるのだ。
車が好きな人は新車と思われがちだが、意外に中古車のほうが楽しめる点はある。
まとめ
車の購入は人生においてそう何度もあるものではない高い買い物である。洋服などのように気に入らなかった、自分には合わなかったからという理由で気軽に買い替えることもできないだろう。
そのため車を探す時には、新車にすべきか中古車にすべきかよく考えてみる必要がある。
単純にお金に余裕があるから新車、お金がないから中古車にするのではなく、それぞれのメリット・デメリットを見極めて、後悔しないためにより自分に合った自分好みの車を探すといいだろう。