未使用車とは登録済み未使用車や届け出済み未使用車のことであり、新古車と同じ意味を持つ。購入にはメリットとデメリットの両方が存在するため、未使用車が欲しい場合は事前によく検討してから選ぶことをおすすめする。
普通の新車や中古車とは異なる特徴を持ち、購入後すぐに運転できるようになる可能性もある。
未使用車にはどのようなメリットとデメリットがあるかについて紹介するため、初心者は内容をよくチェックすると良いだろう。
「登録済未使用車(展示車)」とは”普通車の新古車”と同じ意味
まず登録済未使用車についてだが、以下のような特徴がある。
- 既に誰かの手に渡った車である
- ディーラーや中古車の業者が所有者となり陸運局に登録されている
- 市場では中古車扱いとなる
未使用車とは元々は新古車という表現であり、それが登録済未使用車に変わったのだ。業界的には走行距離がおおむね20キロ未満の状態を表す用語であり、新車というわけではなく意味をわかりやすくするために変わったのである。
ディーラーや中古車の業者は商品として売るために所有しているだけであり、実際にその車を使用しているわけではない。
登録済未使用車が取り扱われている理由は、ディーラーや業者などが自分たちの販売実績を作るためだと言われている。
「届出済未使用車(展示車)」とは”軽自動車の新古車”と同じ意味
次に届出済未使用車は、法的な呼称である。未使用車とは何かと誰かから質問された場合、届出済未使用車という表現の方が適切かもしれない。ちなみに用語の意味は、軽自動車の新古車である。
法的な呼称があるのには、以下のような事情が関係している。
- 法的には新古車と未使用車という表現は使用できず俗称となっている
- 自動車構成取引協議会により登録済未使用車と表現することが定められている
新古車と同じ意味ではあるものの、正しい表現を使用した方が良いだろう。
【各メーカー・車種別】未使用車の販売価格(新車との値引き相場)
メーカー | 車種名 | 未使用車価格 | 新車価格 | 差額 |
---|---|---|---|---|
トヨタ | アクア | 153万円 | 169万円 | 16万円 |
シエンタ | 136万円 | 144万円 | 8万円 | |
ヴォクシー | 174万円 | 200万円 | 26万円 | |
プリウス | 158万円 | 205万円 | 47万円 | |
日産 | セレナ | 149万円 | 209万円 | 60万円 |
エクストレイル | 175万円 | 200万円 | 25万円 | |
ホンダ | N-BOX | 115万円 | 120万円 | 5万円 |
フィット | 84万円 | 112万円 | 28万円 | |
ヴェゼル | 190万円 | 217万円 | 27万円 | |
ステップワゴン | 171万円 | 198万円 | 27万円 | |
ダイハツ | タント | 82万円 | 105万円 | 23万円 |
ミライース | 69万円 | 75万円 | 6万円 | |
スズキ | ハスラー | 117万円 | 135万円 | 18万円 |
スペーシア | 126万円 | 153万円 | 27万円 | |
ラパン | 74万円 | 100万円 | 26万円 | |
ソリオ | 116万円 | 130万円 | 14万円 |
上記の価格はあくまで数あるデータの中のひとつのため、必ず同じ差額が生まれるわけではないことを注意してほしい。
この差額を見るに、人気車種であればあるほど大きくなることがわかる。つまり、未使用車よりも新車のほうが需要があるということだろう。
走行距離が短い”未使用車”が市場に生まれてくる理由
市場をチェックすると走行距離が短い未使用車が市場が見られるが、これには単に買取実績を作る以外の理由が存在する。市場に生まれるまでに、以下のような流れが存在する。
- メーカーがディーラーに対してノルマを課している
- ディーラーはノルマ達成のために自社で新車を大量登録する
- 登録された未使用車が中古車オークションなどで流される
- 中古車を取り扱う業者が格安で仕入れる
- 仕入れた未使用車は点検される
- 点検をクリア後に多少の利益を加えて販売される
実績の指標となる新車販売台数が増えることで、ディーラーが台数達成奨励金を得られる仕組みがある。台数達成奨励金はディーラーにとって、褒賞や名誉となるものである。
「未使用車VS中古車」どっちを購入すべき?未使用車のメリット・デメリット
未使用車のメリット・デメリットまとめ | |
---|---|
メリット | デメリット |
新車と比べて価格が安い | 在庫車しか選べない |
納車までの時間が短い | 人気の車種を購入するのは難しい |
価格交渉をしなくてもいい | メーカーのオプションが付けられない |
車検までが長い | – |
状態の良い中古車が高く評価されて人気となる場合もあるが、未使用車と中古車の2つを比較すると前者を購入した方が良いこともある。ただしメリットとデメリットを考えて、未使用車とはどのようなものか理解しておく必要がある。
未使用車を購入する『4つのメリット』
まずは未使用車を購入する大きく4つのメリットであるが、購入のためにかかる負担が軽減されることが特徴だ。すぐにでも新しい車を運転したいのであれば、中古車ではなく未使用車を選んだ方が何かと良いかもしれない。
【メリット1】新車と比べて価格が安い
未使用車とは新車とは異なる特徴を持つ車であり、上記にある通りディーラーの都合が関係している。ただし状態的には新車に近く市場では中古車として取り扱われており、基本的に過走行車となっているものはないのである。
価格が安くなってもディーラーや業者は実績を作ることができ、双方にとってメリットがあると言えるだろう。
車を購入するためには消費税がかかるが、その金額も比例して安くなる。新車は高くてなかなか手が出せないのであれば、新茶に近い状態の未使用車から自分好みのものを探して購入することをおすすめする。
【メリット2】納車までの時間が短い
未使用車とは陸運局への登録が済んだ状態の車でもあり、購入手続きが完了すれば運転できるようになる。一方新車は納車までに時間がかかってしまい、最後の注文書を作成してから2週間から3週間ほど必要だと言われている。
ちなみに中古車を新しく購入する場合でも、以下のような理由から2週間から3週間ほどかかってしまうだろう。
- 状態に応じて修理や整備が必要となる
- 納車の前に車検の取得が必要となる場合もある
車種やグレードから人気の高いものは、数ヶ月ほどかかってしまうこともある。しかし新古車は生産工場から出荷されるまで待つ必要がなく、整備や車検についても比較的スムーズなのだ。トラブルがなければ、1週間ほどで納車となる。
【メリット3】価格交渉をしなくてもいい
未使用車とはノルマ達成を目指すディーラーだけではなく、中古車の実績が欲しい業者のためのものでもある。業者は実績を少しでも多く作るために安く仕入れて、少しの利益だけを上乗せして未使用車を中古車扱いで販売している。
上記した通り新車よりも安く購入できることもメリットであるが、購入者がわざわざ価格交渉をする必要がない。
実績という目的があることから、新車や中古車を販売するほどの利益が上乗せされていない。利益を考えれば限界に近い価格設定であるため、価格交渉をすること自体にあまり意味がないのである。
【メリット4】車検までが長い
ほとんどの場合で車検期間は約2年間であるのに対して、新古車は約2年半から3年間ほどと言われている。未使用車は完全な新車ではないため丸々3年間の車検が付くことはないが、人気の高さからすぐに売れる場合もある。
特にコストパフォーマンスの良い軽自動車は市場でも人気が高くなることがあり、登録から2ヶ月から3ヶ月以内であれば車検期間が長めに残されているかもしれない。車検にもコストがかかるため、期間の長さはメリットと言える。
中古車と比べてもメリットがあり、新古車を検討すると良いだろう。通常の中古車は購入から数年経つと、中古車としての価値がなくなる場合もある。未使用車とは比較的新しい状態であるため、現金化しやすい。
未使用車を購入する『3つのデメリット』
メリットだけに注目すると、未使用車とはとても都合の良いものと思えるかもしれない。しかしデメリットもあるため、購入時は注意が必要だ。新車と比べると自由度が下がってしまう場合もあり、探すためには工夫が求められる。
【デメリット1】在庫車しか選べない
未使用車とはディーラーや業者によって、あらかじめ用意されている車という意味も持つ。新車のようにバリエーションが豊富というわけではなく、在庫車として展示されているものの中からしか選べないデメリットがある。
以下に挙げる内容もポイントとなるため、よく考えておく必要がある。
- 普通の新車や中古車と比較すると流通量がそれほど多くない
- 自分好みのカラーやグレードを選択できるとは限らない
- 在庫が残っていなければ購入すらできない
つまり自分好みの車と出会える確率が高くないことが注意点となり、こだわりが強い人には向かないかもしれない。選択肢が限られているため、購入前に在庫の有無やその数について問い合わせることをおすすめする。
【デメリット2】人気の車種を購入するのは難しい
新古車に限らず新車や中古車であっても、人気の車種はすぐに売れてしまい購入できない可能性がある。また上記したメリットから新古車というだけで人気が高くなり、情報をチェックしていても売り切れてしまう場合もあるかもしれない。
ただし売り切れてしまっても再度入荷される可能性もあるため、教えてもらうように連絡すると良い。未使用車を購入したい場合、車種の他に以下について事前に決めておくことをおすすめする。
- グレード
- 最低限希望するオプション
- 購入に充てる予算
これらについて事前に決めておかないと、購入のタイミングが遅くなってしまうかもしれない。自分の条件に合う新古車が見つかったら、すぐに購入できるようにしておくことだ。
【デメリット3】メーカーのオプションが付けられない
新車は自分好みにオプションを付けて性能を高めることが可能であり、これを純正オプションと言う。純正オプションには大きく2つの種類がある。
- 工場出荷時に取り付けるメーカーオプション
- 入荷後に取り付けるディーラーオプション
メーカーオプションには、以下のようなものがある。
これらのものは工場で組み立てるときに装備されるため、出荷後に取り付けることができない。一方ディーラーオプションには、以下のようなものがある。
- エアロパーツ
- カーナビ
ディーラーオプションであれば出荷後でも装備が可能であり、未使用車であっても基本的に問題ない。メーカーオプションを希望する場合、新車を購入する必要がある。
未使用車を実際に購入した方の口コミ&評判
WAKE、狙ってるグレードの登録済の未使用車見て来た。
移動と小柄の自分の車中泊には十分。 pic.twitter.com/yMvgiTLfOM— Boxer4 Turbo (@JH1RYE) October 26, 2019
80年代の未使用車の中古ってタイヤ変えたりキャブ一度見たり乗り出しまでにそれはそれでお金かかりそう
— 美味しいパスタ作った11/1/10:00教習11:15卒検 (@series_233_24) October 25, 2019
現金一括払いなら中古でも良いけど、ローンを組んで買うなら、金利が安い新車がお勧め!
専門店なら登録済み未使用車でも、金利が安かったりします。
ちなみに「新古車」と言う表記は禁止されており、登録済み未使用車です。— ちくん@無期限休暇中 (@SpicyCandy5GoGo) October 20, 2019
中古車やさんのチラシ
70万くらいの未使用車でスタッドレスやらナビやらドラレコやらオマケがつくのよ。
めっちゃ惹かれる…— あきこ (@akikokia13) October 19, 2019
プラド
未使用車
サンルーフ。ルーフレール。
3399千円
白、黒。
パーさんコレやな(笑)
ステッカーがもらえるみたい(笑)#ネクステージ— ピーやまに。HYPER プラス(ピーほどに) (@Pyamani) October 18, 2019
まとめ
未使用車とはどのようなものかについて解説したが、メリットとデメリットをバランス良く理解しておけば失敗を避けられるだろう。
安く購入することができ納車までスムーズに進むため、手間を省きたい場合は向いている。車に対する自由度が犠牲となるデメリットもあるため、購入を決めたら事前に必要な準備をしておくことが重要だ。
情報をチェックして運良く自分好みのものが見つかったときは、思い切って素早く決断する勇気も求められる。