一般的に車を売る場合は、複数の買取業者を競合させて少しでも高く買取してもらうのを重視しがちだ。もちろんそれで構わないのだが、売買契約を交わして終わりということではなく、あくまで引き取りされるまでが重要だ。
もし、引き取られる前に事故を起こしてしまうと、再査定となり場合によっては買取してもらえないことも。ここでは車の査定や買取後に事故を起こしてしまった場合、真っ先にすべきことについてまとめているので参考にしてほしい。
『車の買取・査定後に事故でぶつけてしまった…』まずはすぐに連絡を
車の買取・査定後、そして売買契約を交わした後も、実際に車を引き取るまでに数日かかることもある。買取業者によっては、次の車が納車されるまで引き取りを待ってくれるケースもある。ただその間に事故を起こしてしまうということも実際に起こりうるのだ。
事故を起こしてしまうと、すぐに整備工場に連絡をして修理したくなるものだが、買取査定後ならちょっと待ってほしい。事故を起こした時にやるべき行動は以下の通りだ。
- 事故を起こしてしまった
- 保険会社に連絡をする
- 買取査定をした業者に連絡する
- 買取業者によって再査定を受ける
- 再査定の金額に納得すれば、そのまま売る
- キャンセルできるならキャンセルする
買取・査定後は自分の車ではないという意識が必要で、いくら保険で修理できるとしてもまずは買取店に連絡をして指示を仰ぐのがベストだ。
【事故レベル別】車の買取・査定後であっても再査定となる
車の買取・査定後の事故は、どのような状況でも再査定となる。再査定となった場合、損傷度合いによって以下のケースに分かれる。
【事故レベル1】キズ・ヘコミがほとんど目立たないレベル
事故といってもちょっとモノにぶつけた、車とぶつかったとしてもほとんどキズやヘコミが目立たないレベルもあるだろう。もし、そのキズやヘコミが1cmから2cm程度のごく小さなものであった場合、再査定しても減額にならない場合もあるのだ。
実際に査定基準でも1cm未満の小さなキズであれば減額にはならないとされているのだ。そのため、事故を起こしたからと言って、必ず減額になるわけではない。
だが気をつけなければいけないのは、1cm未満だからといって、自己判断で買取業者に連絡しないのはダメだ。
たとえ小さなキズであっても、連絡をして再査定してもらわないといけない。なぜなら、あくまで1cm未満は減額にならないというのは基準であって、最終的には買取店の判断になるからだ。
【事故レベル2】大きなキズ・ヘコミができてしまった
比較的大きな事故で、バンパーが破損した、ドアが大きくキズついて凹んでしまったという場合、ほぼ査定額が減額されるのは避けられないだろう。中には売買契約を交わした買取店に連絡せずに修理する人もいるようだが、これはやめてほしい。
なぜなら、あくまで査定額は事故を起こす前の状態の査定額であって、いくら綺麗に修理されたからといって価値が同じとは限らないのだ。それがもし、事故車扱いになるような事故であれば、引き取り後にバレてしまう可能性は高い。
この場合、瑕疵担保責任に問われてしまう恐れがあり、キャンセルされてしまうこともある。また、修理したとしても、高額な修理費用がかかってしまうものだが、そのまま再査定を受けて減額されたとしても、そこまでの費用にはならないのが一般的だ。
【事故レベル3】車がボロボロの廃車に近いレベルになった
大きな事故を起こしてしまい、廃車にするしかない状態にまでなってしまった場合、再査定の結果、売買契約が破棄されてしまう可能性は十分にある。買取業者によって事故車は扱わないというところもあるし、そもそも修理不要な状態の損害ならなおさらだ。
また、仮に修理可能な状態であっても、修理はせずに再査定を受けることだ。廃車に近いレベルまで損傷したなら、到底隠し通せるものではない。もし、廃車に近いレベルにまでなった場合、無料でキャンセルできるならそうするのも1つの方法だ。
車をぶつけても買取店に見せるまで修理をしない
車をぶつけてしまうと、ついすぐに修理したくなるものだが、まずは買取店に再査定してもらうのが望ましい。その理由は以下の通りだ。
- そもそも減額にならない可能性がある
- 自分で補修したことで減額になることも
- 修理代金よりも減額された方が損害が少ない
そもそも、売買契約を交わした後だと自分の車ではないと思ったほうがいい。あくまで買取店側の判断を仰いでからのほうがいいのだが、いずれにせよ自分で修理することのメリットはないのだ。
修理をしてしまうと事故歴(修復歴)アリになる可能性も
事故を起こしてしまい、修理してしまうと事故歴、修復歴ありになってしまう可能性があるのでは?と不安になる人もいるが必ずしもそうではない。仮に大きく凹んでしまって、板金塗装をしたとしても損傷部位によっては事故歴・修復歴ありとはならないのだ。
かといって、買取店に報告せずに修理してしまうと、後々大きなトラブルになってしまう可能性が高いのだ。仮に事故車となってしまった場合には、いくら修理しても事故車であることはついて回るし、隠し通せるものではない。
しかも、報告もせずに修理し、それが後から事故車となっていたことがバレてしまうと、瑕疵担保責任に問われてしまうどころか、詐欺罪で訴えられてしまう恐れもあるので、どのような事故でも連絡しなければいけない。
事前に注意を!車買取が決まったあとにすべき『3つの行動』
車買取が決まって、売買契約を交わした後はこれまで通りの行動、意識ではいけない。契約が決まったら、車をぶつけたりしないよう以下の3つの行動を心がけるべきだ。
【行動1】極力運転を控えるようにする
売買契約を交わしても、それまで何年も載り続けた車はどうしても自分のものという意識があるものだ。そのため、車が引き取られる日までこれまで通りに車に乗り続ける人も少なくない。
だがそれで事故を起こしてしまうと、せっかく高額買取で契約しても意味がなくなってしまう。
そのため、売買契約を交わしたら、極力運転を控えるようにすべきである。例えば、他に車があるならそちらの車に乗ったり、他に移動手段があるなら、自転車やバスなどを利用するのもいいだろう。
【行動2】買取店で代車を借りれるか聞いてみる
新しい車が納車されるまで今の車に乗っていていいという車買取店は多いが、乗れば乗るほどどうしても事故を起こすリスクは出てくるものだ。そんな時には車買取店に代車を借りられるか聞いてみるのもいいだろう。
もちろん、代車でも事故を起こすリスクは変わらずあるが、代車は業者が保険に加入していたり、古い車を代車にしていることが多い。そのため、万が一事故を起こしてしまっても代車なら負担する費用は少なくて済むことが多いのだ。
【行動3】速やかに引き取ってもらえるようにする
売買契約後に事故を起こしてトラブルにならないためには、契約後は速やかに車を引き取ってもらうのが一番だ。特にすでに新しい車が納車されているなら、すぐに引き取ってもらえば乗ってしまう心配もないだろう。
また、仮にまだ新しい車が納車されていなくても、数日のうちに納車されることがわかっていて、その間の交通手段も確保できるのなら引き取りしてもらうのがいいだろう。
すぐに引き取りしてもらえば、それですべての契約が完了するので安心だ。
まとめ
万が一、売買契約を交わした後に事故を起こしてしまった場合、その買取業者に連絡を入れて再査定を受けるのが必須である。
もちろん、事故は起こしたくて起こすものではないが、運転していればそのリスクはあるため、引き取りされるまでは慎重にしないといけない
つい引き取られるまで自分の車と思いがちだが、あくまで預かっているだけという意識の方がいいだろう。そのため、もし新しい車が納車されるまで車に乗っていてもいいといわれても、極力乗らないほうがいいだろう。