車が古くなってくると、エアコンの効きが悪くなるケースも出てくるものだ。それが理由の一つで乗り換えを検討する人もいるだろう。
エアコンは車の走行には問題のない装備だが、故障となれば減額対象となるのが必然である。ここではエアコンが故障した車の査定について、どれくらいの減額になるのか、内緒で査定を受けてもいいのかをまとめてみた。
またエアコンの修理をしたらどれくらいかかるのかも紹介しているので参考にしてもらいたい。
エアコンが故障していても車買取・下取りは可能…だが減額対象
エアコンは直接車の走行には影響がないが、暑い夏や寒い冬にエアコンなしではいられないため重要な装備であることは間違いない。
そのため、エアコンが故障していたら買取・下取りできないのではと思う人もいるが、結論から言えば買取も下取りも可能だ。
だが業者からすれば、エアコンが故障した車をそのままリユースすることはできないため、たいていは修理して販売することになる。そのため、エアコンの故障は減額の対象となってしまうのは避けられないのだ。
エアコン故障による査定額の減額(減点方式で最大4万円程度)
クラス・該当車種 |
機種\年もの |
当・1年 |
2・3年 |
4・5年 |
6年〜 |
Ⅰ・Ⅱ
クラウン・セドリックなど |
エアコン |
160点(+16万円) |
140点(+14万円) |
110点(+11万円) |
80点(+8万円) |
デュアルエアコン |
220点(+22万円) |
180点(+18万円) |
140点(+14万円) |
110点(+11万円) |
Ⅲ・Ⅳ
プリウスやカローラなど |
エアコン |
130点(+13万円) |
110点(+11万円) |
90点(+9万円) |
60点(+6万円) |
デュアルエアコン |
180点(+18万円) |
150点(+15万円) |
120点(+12万円) |
90点(+9万円) |
軽自動車 |
エアコン |
100点(+10万円) |
80点(+8万円) |
60点(+6万円) |
40点(+4万円) |
デュアルエアコン |
140点(+14万円) |
120点(+12万円) |
100点(+10万円) |
70点(+7万円) |
軽貨物 |
エアコン |
70点(+7万円) |
60点(+6万円) |
50点(+5万円) |
40点(+4万円) |
エアコンの故障は減額の対象となるが、故障パターンによって減額の幅は違ってくる。主な故障パターンとしては以下のケースがある。
- エアコンをつけてもなかなか冷えない
- 暖房・冷房の効きが悪い
- エアコン自体が作動しない
- エアコンの風から異臭がする
いずれのケースでも、そのまま車査定を受ければマイナス査定は避けられないだろう。ただ、エアコンの故障といっても状態によっては大きな減額とならないケースもある。
JAAIの査定基準では、エアコンの冷却不良による減点は以下の通りに定められている。
エアコンの冷却ガスの充填 |
-10点(-1万円) |
エアコンの動作不良 |
-40点(-4万円) |
1点が千円となっているため、査定時の減額は最大でも4万円程度なのだ。
【故障パターン1】動作しない・一部が動作しない
エアコンをつけても全く動作しない、もしくはファンなど一部が動作しないというケースがある。もちろん正常に動作しないのだから冷えもしないし温まりもしない状態だ。この故障パターンは一番重症と言えるだろう。
当然正常に動作するためには、整備業者による点検・修理が必要となってくる。とはいえ、動作しないといっても故障部位によっては、部品交換等で解消できるケースもあるため、比較的安価で済む可能性もゼロではないのだ。
いずれにしても点検・修理は必要となるだろう。
【故障パターン2】動作するが暖房・冷房の効きが悪い
エアコンをつけると動作するが、冷房がなかなか冷えないというケースは少なくないだろう。エアコンで比較的多い故障がこのケースだ。車が古くなってくるとこういう故障は特に増えてくる。ただこの故障ケースは意外と軽症のことが多いのである。
冷房の効きが悪い場合には冷却ガスの充填で解消するケースが多い。冷却ガスがなくなったことが原因でエアコンが冷えないケースは、エアコンの故障によるJAAIの査定基準ではマイナス10点の対象だ。
そのため車買取査定額の減額は約1万円程度となる。また暖房の効きが悪い場合はサーモスタットの故障が原因の可能性がある。この場合も、サーモスタットの部品自体は2,000円前後のため、減額されても大きくはないだろう。
【故障パターン3】エアコンの風から異様な臭いがする
エアコンは作動するが、エアコンの風から異様な臭いがするというケースも少なくない。臭いの程度によって気が付かない人もいるが、これも故障の一つともいえるだろう。エアコンの臭いはエアコンのフィルターにカビや雑菌が生えていることが原因の一つだ。
エアコン内は冷却することで結露が発生し、その水分が原因でカビや雑菌が発生するのだ。ただ臭いに関しては故障といっても、実際は減額されるほどの故障とは言い難いのだ。
なぜなら部品交換や修理は不要で、掃除するだけで解消する可能性があるからである。ただ開業者からすれば、異様な臭いがするままリユースするわけにはいかないため、マイナス査定になることがあるのだ。
だがエアコンの臭いであれば、掃除によって消すことができる。
エアコンの臭いを簡単に消す”3つの方法”
エアコンの臭いを消すため消臭剤などを使っている人もいるだろう。確かに多少は解消されるかもしれないが、これでは根本的な解決にはならず、査定で減額される恐れがある。
エアコンの臭いを簡単に消す方法としては、以下の3つの方法を試してみるといい。
- エアコンのクリーニング
- エアコンフィルターの掃除
- エンジンルームの異物除去
エアコンに発生するカビや雑菌は、主にエアコンのエバポレータ部分やフィルターに付着するものだ。
エバポレータのクリーニングには市販のエアコンクリーニングスプレーで対応できるし、フィルターは外して掃除もしくは交換可能だ。
臭いが消えない場合はエンジンルームの異物が原因のケースもある。エンジンルームもチェックしてみるといいだろう。
エアコン故障を隠して売るのは売主の”違法行為”に該当
エアコンの故障を隠して売ったら少なくともエアコンで減額になることはない。だが故障を知っているにもかかわらず、故障はしていないと伝えて売った場合、瑕疵担保責任に問われる可能性もある。
契約の解除や損害賠償請求ができる瑕疵は「隠れた」もの、すなわち、買主が通常の注意を用いても発見できないようなものであることを要します。
いいかえれば、買主は、自分の不注意で見逃した瑕疵については、後にこれを理由に損害賠償や契約解除を請求することはできません。
悪質だと判断されれば損害賠償を請求される可能性すらあるのだ。例えば以下の損害賠償を求められることもある。
- 買取額の全額返金
- 車査定のための人件費や出張費
- 車を引き取る際の運送費
- 営業妨害による慰謝料
こうなると、数万円から数十万円の賠償となることもある。それを考えたら隠さず売るのが望ましい。
車査定の際にエアコン故障を自己申告しよう
車査定をした際、たいていは査定員から不具合の有無を質問されるものだ。だが、時には何も聞かれないケースもある。
不具合を聞かれないから答えないという人もいるが、しっかりと自己申告したほうがいいだろう。エアコンの不具合は作動してみればすぐにわかるもので、わからない範囲の異常なら修理する必要もない。
結局、隠してもすぐにバレてしまうだろう。そんな時も自己申告すれば査定員の心証は良くなり、査定額に影響する可能性は十分ある。
エアコン故障の車を簡単に高く売る”2つの方法”
エアコンの故障がある車を査定に出す場合、どうしても減額は避けられないものだ。それでもやり方次第では、少しでも損をせずに済むこともできるし、マイナスにすらならないケースもある。エアコンの故障でやるべきことは2つある。
【1】エアコン故障はあえて修理しないで買取に出す
エアコンが故障していると減額は免れないだろう。自分が快適にドライブを楽しむためであればいいが、買取査定の減額を避けるためであれば、修理しないで買取に出すべきである。
それは修理に出したほうが出費が大きくなるからだ。主なエアコンの故障と、整備工場で修理した場合にかかる費用は以下の通りだ。
ガスの充填 |
5,000円~3万円 |
コンプレッサーの修理 |
3万円~5万円 |
ファンやモーターの修理 |
4万円~6万円 |
点検費用 |
1万円~15,000円 |
エアコンの故障による減額は1万円もしくは最大でも4万円だ。買取店によってはもっと少なくて済むケースもある。そのため、下手に修理するとマイナスされる額よりも、修理費用のほうが高くなってしまうのだ。
【2】車買取店が複数競合する”車一括査定”を利用する
エアコンの故障は、車の安全走行に不安が出る故障ではない。ガスの充填や修理すれば問題なく直る部分である。車の価値には全く影響しないため、買取店によっては高値で買取してくれるケースも少なくないのだ。
エアコンが故障している車でも高く売りたいなら、複数の業者を競合させることが必須だ。そのためにも車一括査定を利用するといいだろう。
業者が競合すれば、エアコン故障のマイナス部分もほとんど関係なくなる可能性すらある。
車一括査定サービスは、たった一度きりの申し込みで、複数の買取店に査定依頼ができるネットサービスだ。
最大のメリットはこちらが何もせずとも査定額が吊り上げてくれるという点だ。
例えば、4社が競合した場合、各買取店は他の業者以上の買取額を提示しないと買取成立にはならない。よって業者間が自然に競合状態になるため、特に何もしなくても最低額がどんどん高くなるのだ。
- 確実に高価買取を実現させたい方
- 愛車のリアルな査定相場を知りたい方
- 時間と労力を費やしたくない方
- 交渉が面倒な方&苦手な方
このような方に欠かせないおすすめのサービスだ。
編集部おすすめ車一括査定『カーセンサー』
当サイト編集部が車一括査定サービスで最もおすすめしているのがリクルート社運営の「カーセンサー」。
なぜなら、ビッグモーターやアップル、カーセブンなどの大手買取店と提携し、買取業者数が1000社を超えているのはカーセンサーだけ。
同時査定依頼も30社と業界最多なので、最も査定額が高い業者を選ぶ幅が圧倒的に広がるのだ。
編集部所有の車を実際に査定したが、ディーラー下取りよりもなんと96万円も高い査定額が付いている。
他社の車一括査定もあるが、高価買取を目指すならカーセンサー以上のサービスは存在しない。編集部が太鼓判を押す一括査定サービスだ。
【2023年最新】車一括査定おすすめランキング《人気5社比較》
|
カーセンサー |
ユーカーパック |
ナビクル |
楽天Car車買取 |
ズバット |
運営会社 |
リクルート |
UcarPAC |
エイチーム |
楽天 |
ウェブクルー |
提携業者数 |
1,000社 |
5,000社 |
55社 |
2,000社 |
220社 |
同時査定依頼数 |
30社 |
? |
10社 |
? |
10社 |
業者選択 |
〇 |
× |
× |
× |
〇 |
入力の時間 |
約1分 |
約1分 |
約1分 |
約3分 |
約1分 |
利用料 |
無料 |
無料 |
無料 |
成約時
22,000円 |
無料 |
電話の多さ |
多い(メール可) |
1社のみ |
少ない(JADRI加盟) |
1社のみ |
多い |
上記の特徴と比較表を見ればある程度わかるが、これだけだとどのサービスを利用すべきか迷うはずだ。
そこで実際に当サイト編集部が車一括査定サービスを利用してみた。その結果も判断材料に加えたうえで、5つの一括査定サイトをランキング形式で紹介する。
1位:カーセンサー(※編集部一押し)
- 特徴1.同時査定依頼数30社は業界No.1
- 特徴2.競合会社が多いため高額査定率も圧倒的に高い
- 特徴3.電話営業は多いがメール&電話時間指定可能
前述したが、高価買取を狙うなら間違いなくカーセンサーがおすすめだ。提携業者は1,000社を超え、大手中古車買取業者はほぼ網羅している。また、同時に査定依頼できるのが30社で業界最多。
当然ながら競合する会社が多い分、高額査定が出やすい。人気や知名度だけでなく、当サイト編集部が実際に使用して成果も出ている。
現段階で車一括査定の中で最高のサービスだと自信をもっておすすめできる。迷ったらカーセンサーで間違いないだろう。
2位:ユーカーパック
- 特徴1.掲載買取業者は2,000社は圧倒的
- 特徴2.高額買取にも期待
- 特徴3.電話営業一切なし
- 特徴4.申し込みと同時に買取相場がわかる
オークション形式の車一括査定サイト「ユーカーパック」。掲載買取業者は1位のカーセンサーと比較すると約2倍の2,000社、当然ながら高額査定に期待できる。
大手買取店との提携はカーセンサーに劣るが、地域密着型の買取店との提携によって高額買取実績を増やしている。
本来、一括査定サービスは複数業者と売主本人が交渉するのが基本だ。しかし、ユーカーパックは売主の代わりにユーカーパックの担当者が交渉を全て代行してくれる。
編集部でも試したが、他のサービスとは比べものにならないぐらい手軽だった。交渉が苦手&面倒な方に最も適したサービスだ。
3位:ナビクル
- 特徴1.年間利用者数No.1
- 特徴2.わずか45秒で買取相場がわかる
- 特徴3.JADRIの審査を通過した優良業者のみ提携
中古車業界の流通を健全化を目的とした団代”JADRI”の審査に合格した業者しか提携しない「ナビクル(旧:かんたん車査定ガイド)」。
中古車業者を選定している分、業者数がそこまで多くないため、電話営業が少ないという特徴もある。年間利用者数が最も多く、その分高額買取実績も多数出ている信頼度No.1の一括査定サービスだ。
4位:楽天Car車買取(旧:楽天Carオークション)
- 特徴1.電話対応も査定も楽天1社のみ
- 特徴2.成約で楽天ポイントを獲得
楽天Car車買取(旧:楽天Carオークション)はオークション形式で、成約で楽天1,000ポイントがもらえる車査定サービス。
楽天Car車買取なら査定までの全ての工程を楽天の担当者が行うため、しつこい勧誘電話も一切なし。査定回数も1回のみ。
一括査定特有の営業電話が嫌な方、交渉が苦手な方でも勝手に査定額が吊り上がるのでおすすめだ。
5位:車査定比較(ズバット車買取)
- 特徴1.10年の実績と東証一部上場企業の安心感
- 特徴2.申込みと同時に買取相場がわかる
- 特徴3.査定業者を選定できる
車査定比較(ズバット車買取)は車買取業者として実績が長く、東証一部上場企業の運営という安心感があるサービスだ。
比べられる業者も多く、大手中古車買取業者との提携は7社と十分なスペックをもっている。また、運営実績が長いため、実績のある買取店との提携から高価買取にも期待できる。
申込みのフォームが利用者が迷わない簡易な仕組みになっていたり、申込みと同時に買取相場がわかるのも人気の理由だ。
【初心者向け】一括査定のデメリットをカバーした”ユーカーパック”
以上、編集部がおすすめする車一括査定を5つ紹介した。だが、肝心な一括査定のデメリットを解説していない。
一括査定サービスは中古車買取店同士が競合させるのが目的なので、必然的に買取店からの電話営業が多くなる。我先にと各社営業するために電話をかけてくるのは商売上仕方のないことである。
だが、利用者からしてもこの大量電話を懸念して利用を迷っている方も多い。しかし、高価買取を実現するなら一括査定サイト以上の方法は存在しない。
大量の電話を覚悟で、一括査定を利用しなくてはいけないが、一括査定サイトでもデメリットをほぼ解消したものが存在する。
それが「ユーカーパック」だ。
前述したが、ユーカーパックは担当者1名とのやりとりで査定から買取まで全てのやりとりが済むサービスだ。大量の営業電話は一切ない。
- 公式サイトから査定申込(概算の買取相場も表示)
- 担当者があなたの愛車を実地査定(出張査定可)
- 愛車を非公開オークションに出品し、2000社が競合
- 最高額を付けた業者を選んで車を売却する
あなたは何もしなくても、各買取業者の査定額をスマホから確認でき、競合する中古車買取店の相見積りをすべて同時に見ることが可能だ。
当サイト編集部でも実際に利用してみて、今までの一括査定サービスとは比較にならないほど手軽なサービスだと感じた。
ユーカーパックは、従来の一括査定サービスのデメリットである「交渉の手間」「一括査定後の大量の営業電話」を克服した上で高価買取が可能。よって初心者でも安心して利用できる非常に優れたサービスなのだ。
まとめ
エアコンの故障は暑い夏や寒い冬は致命的だが、車の走行に関しては全く無関係の故障だ。だが、そのままリユースすることはできないため、減額の対象にはなってしまうだろう。
だがその減額も、最大4万円程度なのだから気にするほどではない。逆にエアコンの故障を隠して査定を受けたほうが問題だ。また故障していた際は修理せずに査定を受けたほうが結果的にはお得になる。
ただエアコンの故障は走行上は問題がないのだから、複数の業者に査定を依頼すれば高く買取してくれる業者が見つかるはずだ。