旧車を売る時には幾つか注意したいことがある。その中でも特に業者選びは、一般的な中古車選びよりも慎重に行なう必要があるだろう。
なぜかと言えば、旧車は思わぬ高値がつく可能性があるからだ。特に最近ではアメリカの25年ルールのこともあり、古い国産のスポーツカーの値段が高騰している。
そのため旧車を売る時に適当な業者を選んでしまうと、大きく損をするかもしれない。そこで旧車買取に役立つ情報を見ていこう。
旧車(クラシックカー/希少車)とはどのようなタイプの車か
最初に旧車とはどのような車なのかを確認したい。字義の通りであれば古い車を意味するだろう。しかし実際には、ある程度のルールがあると考えて良いのだ。
- 1975年以前か以降かで評価が変わる
- 希少な車種ほど価値が高くなる
旧車の中でも1つの基準となるのが1975年になる。なぜこの年代かと言うと、電子制御式の燃料噴射装置が普及した年だからだ。1975年以前は機械式になっていてパワーや乗り心地が異なり、それを愛する人も少なくない。
1980年代には電子制御式が一般的になることから、価値が大きく違ってくると考えて良いだろう。
ヴィンテージカーとはどのような車なのか
旧車の中でも特に貴重なのがヴィンテージカーというカテゴリーだろう。
- イギリスでは1919年~1930年代までに製造された車を指す
- 同じく1931年~1942年までに製造された車がポスト・ヴィンテージカー
- 日本国内では1975年以前の車をヴィンテージカーと呼んでいた
といったように国によって、カテゴリーに違いが出ている。特にイギリスでは自動車を趣味にする人が多いことから、こうした詳しい年代分けをしているのだ。また日本国内ではヴィンテージカーの分類が違ってきている。
- 1986年以前の車がカテゴライズされている
ほとんどのイベントにおいて、この定義が使われているので覚えておくといいだろう。
【最新年度版】旧車の買取相場と査定価格《一覧表》
旧車の車種 | 年式 | 買取価格 |
---|---|---|
パオヒョウジュン | 1990年4月(平成02年4月) | 69.7万円 |
ローバー ミニ不明 | 1997年12月(平成09年12月) | 83.8万円 |
ローバー ミニポールスミス | 1998年10月(平成10年10月) | 76.1万円 |
クレスタルラーンG | 1997年11月(平成09年11月) | 190.5万円 |
240 エステート不明 | 1990年8月(平成02年8月) | 67.1万円 |
ローバー ミニ不明 | 1997年9月(平成09年9月) | 60.0万円 |
ローバー ミニ不明 | 1990年8月(平成02年8月) | 104.8万円 |
240 エステートタックエステート | 1993年6月(平成05年6月) | 123.1万円 |
ローバー ミニ不明 | 1998年3月(平成10年3月) | 61.5万円 |
アルファ75ツインスパーク | 1992年3月(平成04年3月) | 155.8万円 |
フィガロオープントップ | 1991年9月(平成03年9月) | 122.1万円 |
ジムニーバンHA | 1995年5月(平成07年5月) | 31.2万円 |
ローバー ミニ不明 | 1993年12月(平成05年12月) | 80.0万円 |
240GL | 1989年5月(昭和64年5月) | 25.0万円 |
ローバー ミニ不明 | 1988年1月(昭和63年1月) | 135.7万円 |
パオ1.0 | 1990年5月(平成02年5月) | 51.0万円 |
セドリックブロアム | 1993年12月(平成05年12月) | 35.5万円 |
アルシオーネSVXVE | 1994年11月(平成06年11月) | 10.8万円 |
シルビアK’s | 1990年3月(平成02年3月) | 223.0万円 |
スープラGT ツインターボリミテッド エアロトップ | 1992年9月(平成04年9月) | 131.5万円 |
《要check!!》高価買取の期待大な旧車のポイント
旧車買取では高値が期待できるポイントが幾つかあるので紹介しよう。
この3つのポイントについて1つずつ確認していきたい。
【ポイント①】1970年代以前の車
旧車買取でも鉄板で高値がつきやすいのが、1970年代以前の車だ。前段でも触れたように、排ガス規制の転換期であったことから、規制前の車には高い値段がついているのだ。
自動車メーカーは苦心して排気ガスの大幅低減を実現していくだが、パワーのある気持ち良い走りができなくなってしまった。時代の流れで仕方のないことではあるのだが、やはり規制前の車に魅力を感じる人も少なくない。
- 希少性が高くなっている
- マニア垂涎の車になるので高額の取引がされている
といった理由がある。ただし同じ車種でも年式によっては、排ガス規制が加えられていて値段が大きくダウンすることもある。そのためしっかりとした知識のある業者と取引したい。
【ポイント②】1980年代~1990年代のネオクラシックカー
1980年後半~1990年代前半の車をネオクラシックカーと呼ぶ。この時期の日本はバブルと呼ばれていた好景気であり、様々な車が登場している。中でも人気なのが国産スポーツカーだ。
特に価格が高騰しているのにはアメリカの25年ルールが関わっている。原則としてアメリカでは右ハンドルの車は公道を走れない。しかし初年度登録から25年が立てば、例外的にこのルールの適用外となるのだ。
- 25年ルールでネオクラシックカーの値段が高騰している
- 当時の高級乗用車の値段も上がっている
- 新車以上の価格がつくことも珍しくない
といった特徴を持っている。旧車買取でも注目されているのが、このネオクラシックカーというカテゴリーだろう。
【ポイント③】特別モデルや限定生産などの希少車
旧車買取でも希少車は特に値段が高くなっている。希少車とは特別なモデルのことで、もともとの生産台数が少ない車のことだと考えて良い。
- 抽選販売された車である
- 限定生産された車である
- マイナーな車で生産台数が少ない
などのような条件を満たしていると、かなり買取額が高くなるだろう。当時の新車価格を上回る値段をつけることも珍しくない。特に生産台数が少ない車だと、現存する台数が数台程度というものもある。
こうした車ほど高値がつきやすくなっているのだ。国産の車なので国内にありそうなものだが、現在からすれば30年以上も前の車なので多くが廃車になっていたりするのだ。
そのためもし手元に残っているのなら、非常に高額で取引できる可能性がある。
【その他①】故障なしの車両
上記のような条件に当てはまる車であっても、故障をしていたりすると買取が不可となる可能性が高くなる。やはり車は動かなければ価値がないものだからだ。
つまり故障しているかどうかは、大きな基準となってくる。ただし30年以上も前の車となると、完動品は少なくなっても当然だろう。
何かしらの部品が故障しているのが当たり前となってくる。特にメンテナンスをしていなければ消耗品などは故障している可能性が高い。
【その他②】オリジナル状態に近い
もう1つ旧車買取でポイントになるのが、できるだけオリジナルの状態に近いことを挙げられる。先程も伝えたように、旧車は経年劣化による部品の故障はあって当然のものだ。だからといって様々なパーツを交換していると意味がなくなる。
もちろんオリジナルのパーツなら良いのだが、旧車の場合はパーツそのものが残っていないのだ。特にエンジンなどは載せ替えもできないことが多いので、オリジナルの状態に近いほど価値が高くなる。
こうした判断は素人では難しいだろう。車に詳しくなければどう判断しても良いのかわからないはずなので、先程も述べたが専門家に見てもらうのがおすすめだ。
下手に素人が手をだすと、取り返しがつかなくなる可能性がある。
【全国対応】口コミ評判が高いおすすめ旧車買取専門店一覧
旧車を高く売るための『3つの方法とコツ』
では最後に旧車を高く買取してもらうための3つの方法を確認しておきたい。
この3つの方法について、1つずつ見ていこう。
【方法①】こまめなメンテナンスで旧車の車両状態を維持する
旧車はどうしても経年劣化をしてしまうものだ。そのため日頃からメンテナンスをしておくのがポイントになる。こまめに手入れをすることによって、車の状態を維持しやすくなるからだ。
このメンテナンス次第で、旧車の買取額が違ってくるとも言えるだろう。逆に言えばある程度は自分でメンテナンスができる技術がなければ、旧車を購入しない方がいいだろう。そのくらい手間がかかってしまうものだ。
仮にメンテナンスをすべて業者に任せてしまうと、かなりの費用が必要となってくるだろう。もちろん自分でできることには限界があるので、どうしても業者に頼ることもあるはずだ。その時にも費用には糸目をつけない方がいいだろう。
【方法②】旧車に精通した旧車買取専門店を選ぶ
旧車買取で損をしたくないのなら、一般的な中古車店は選ばない方がいい。何故なら一般的な中古車店では、旧車に関する知識を持つスタッフが少ないからだ。場合によっては、まったく知らないケースもあるだろう。
そもそも一般的な中古車店では10年以上の年式の車はほぼ価値がつかないので、当然そうした車に値段をつけることをしていないのだ。そのため旧車を高く売りたいのなら、旧車の知識を持つ専門店を選ぶ方がいいのである。
- 旧車専門店には独自の販売ルートがある
- 専門的な知識があるので適正価格で買取ができる
といった理由が考えられる。旧車の専門店にはマニアが顧客となっているので、独自の販売ルートが確立されているのだ。だからこそ適正価格で買取ができる。
【方法③】リアルな買取相場が分かる”車一括査定を利用する”
旧車買取では専門店を利用した方がいいのは前段の通りだ。ただその前にしておくことが1つある。それはリアルな買取相場を理解しておくために、車一括査定を利用することだ。
車一括査定はインターネット上で利用できる無料サービスになる。複数の中古車店に査定の依頼を出すのだが、業者同士を競合させられるのが特徴だ。
- 複数の業者からの買取額を比較できる
- どの程度の高値になるのかがわかる
といったメリットがあるのだ。専門店を使うのは良いのだが1社しか査定を依頼しないのなら、それが適正価格かどうかの判断がつかない。しかし車一括査定を利用すれば、ある程度の相場が理解できるだろう。
まとめ
旧車買取について解説してみた。一般的に旧車とは1975年以前の車を指す言葉で、この年代に作られた車は特に高額で取引されることが多い。
またアメリカの25年ルールによって、1980年代後半からの車も値段が高騰している。
そうした旧車を適正価格で買取してもらいたいのなら一般的な中古車業者ではなく、専門店を利用した方がいいだろう。旧車に関する知識はもちろんだが、販売ルートがあるため適正価格で買取してくれるからだ。