不要となった車を車査定に出す際に、レッドブックがあれば有利となる場合もある。レッドブックには中古車だけではなく新車に関する様々な情報が掲載されており、自動車販売業などの関係者となれば購入することができる。
個人でも購入できる場合もあるため、閲覧や見方や利用法などを理解しておけば車査定に関する知識が深くなるかもしれない。
シルバーブックなどの他の種類もあるため、査定のために同時に覚えておくことをおすすめする。
レッドブックとは”車種別に中古車価格が閲覧できる本”
車査定で使えるレッドブックの特徴をまとめると、以下の通りである。
レッドブックの特徴
- 車種別に中古車の価格が記載されている
- 新車の情報がわかる場合もある
- 正式名称は中古車価格月報と言い都内の企業が長年にわたり発行している
このレッドブックには、以下のような情報が記載されている。
- 中古車下取価格
- 中古車卸売価格
- 中古車小売価格
- 新車価格
以上の通り新車に関する情報もチェックできるが、基本的には中古車市場の様々な価格相場を調べるためのものと言えるだろう。
レッドブックは『業界用』ではあるが個人でも購入可能
事前チェックのためにレッドブックを購入したい場合だが、基本的には以下に該当する者に限られる。
業界用のものではあるが、個人で購入することに対して制約があるわけではない。そのため個人でも購入できる場合はあるものの、年間購読が基本となり料金は以下の通りとなる。
レッドブックの年間購読の基本料金
- 最も安い軽自動車二輪車用で4,700円
- 最も高い全シリーズセットで27,000円
商用車用や国産乗用車用など、複数のシリーズが存在する。
一般の方向けは”シルバーブック”
業界用であるレッドブックの他に一般用のシルバーブックというものもあり、中古車価格ガイドブックとも呼ばれている。シルバーブックには基準となる中古車の小売価格が、以下のようなジャンルごとに掲載されている。
- 乗用車
- キャブワゴン
- オフロードタイプ
- 商用貨物車
- 軽自動車
- 輸入車
毎月1日に発行されているが、日本の中古車は月1回のペースで小売価格や卸売価格の基準が更新されるということになる。レッドブックには大手メーカーの情報が掲載される場合もある。
シルバーブックの閲覧方法
一般用のシルバーブックを閲覧するためには、以下の流れに従う必要がある。
- 日本自動車査定協会の公式ホームページにアクセスする
- 購読可能なものの中からシルバーブックを選択する
- ファックスや郵送など申し込み方法を選択する
- 画面の案内に従い必要な情報を入力する
- 内容に問題がないことをチェックして申し込みを完了させる
紙媒体ではないデジタルブックもあるため、自分の好きなタイプを選択して購読すると良い。
最新!レッドブックの価格一覧表
種類 |
発行月 |
購入価格 |
[A] 商用車(トラック・バス) |
隔月発行(毎奇数月) |
年間8,200円 |
[B] 国産乗用車 |
毎月発行 |
年間11,000円 |
[C] 軽自動車・二輪車 |
隔月発行(毎奇数月) |
年間5,200円 |
[D] 輸入自動車 |
隔月発行(毎偶数月) |
年間7,600円 |
全シリーズ(上記のA,B,C,D) |
年間28,800円 |
国産車シリーズ(上記のA,B,C) |
年間23,600円 |
レッドブックを販売するのは『有限会社オートガイド』
上記にある都内の企業とは有限会社オートガイドのことで、以下のような特徴を持つ老舗である。
- 現時点で60年以上の長い歴史がある
- レッドブックを1958年に創刊させた
- 車査定における自動車価格のみを販売している
有限会社オートガイドには60年以上のデータが蓄積されており、様々なメーカーや車種の情報がチェック可能となっている。業界ではこうしたデータが標準となっており、車査定を長きにわたり支えていると言える。
“レッドブック”と”イエローブック”は会社が異なる
シルバーブックには中古車販売価格の目安が掲載されているが、イエローブックには中古車の卸売価格が掲載されている。自動車販売業界のガイドブックという役目があり、一般個人の購入と閲覧はできないようになっている。
そのため車査定のために事前に情報をチェックしたいときは、レッドブックの方が向いている。レッドブックとイエローブックは、以下の通り会社が異なる。
- レッドブックを取り扱うのは有限会社オートガイド
- イエローブックを取り扱うのは日本自動車査定協会
日本自動車査定協会は会社と言うよりも、適正な車査定が行われるように設立された巨大な組織である。
イエローブックの閲覧方法だが、基本的な流れはシルバーブックと同じである。
レッドブックが利用される『3つのシーン』
車査定のためにレッドブックが役に立つには、大きく3つのシーンが存在する。以下に挙げる3つのシーンに遭遇したときにレッドブックが手元にあれば、トラブルに巻き込まれてしまったとしても乗り切れる可能性があるのだ。
【シーン1】保険会社が補償額を決めるとき
交通事故に遭い車が破損して損害が発生した場合、自動車保険により必要な費用が補償される場合もある。レッドブックはそのための指標とされており、他の業界よりも保険会社が利用するシーンが目立つと言われている。
街中を走っている車は試乗を除けば新車として店頭に並んでいるものではないため、すべて中古車扱いとなり査定額もバラバラとなる。
そのため時価相応額の賠償が認められる場合もあり、レッドブックの情報が参考となるのだ。
【シーン2】交通事故の裁判が起きたとき
交通事故の内容によっては裁判に発展することもあるが、法律的には車は資産と考えられている。
トラブルの相手が無保険である、また相手の保険会社の金額に納得できないため弁護士に相談して決着をつけるというシーンもあり得る。裁判所は明確な根拠となる資料の存在を重視し、被害額を決定する。
その際に参考とされているのがレッドブックであり、車査定のデータがチェックされることもある。証拠として有効となれば、裁判を有利に進められるかもしれない。
【シーン3】官公庁が車を購入するとき
官公庁の公用車はすべてが新車というわけではなく、中古車が購入される場合もあるのだ。状態が良く公用として問題がない中古車には市役所の名前が入り実際に運転されることがあり、購入の際にレッドブックが役に立っている。
しかし保険会社や裁判などの他のシーンと比較すると、公用車の購入のために利用されるシーンはそれほど多くないとも言われている。
官公庁にとってレッドブックは、たまに参考にする程度のものなのかもしれない。
車買取業者の多くがレッドブックを利用しない”3つの理由”
レッドブックをチェックすれば車査定に関する情報がわかるが、実は車買取業者の多くが利用しないと言われている。
何故利用しないかというと以下に挙げる3つの理由があるためで、車買取業者にとって合わない部分もあるのだ。
車買取業者の多くがレッドブックを利用しない”3つの理由”
1.在庫状況などによるリアルタイムの価格変動に対応できない
レッドブックにはデジタルブックもあるが基本的に紙媒体の本であるため、オンライン上の資料とは違い内容が常に最新というわけではない。どうしても時間差が発生してしまい、最新の情報をチェックすることには向かないのである。
在庫状況などによるリアルタイムの価格変動に対応できず、あえて利用しない車買取業者もあるのだ。
車査定では特別な理由がない限り、刻一刻と価値が下がると言われているため、紙媒体という性質がデメリットとなっているのである。
2.地域間での車の需要の違いに対応していない
同じ車でもすべての地域で等しく人気があるわけではなく、たとえば北海道と沖縄とでは需要に違いが見られる場合もある。
中古車は1台1台がすべてまったく同じ状態というわけではなく、細かなポイントが車査定を左右する。
たとえば北海道では人気でも沖縄では需要のない車を買取に出した場合、車査定の結果が安くなる可能性もある。
レッドブックの内容はあくまでも参考程度となるものであり、需要が反映されていないため注意した上でチェックするべきだ。
3.年式が10年を超える車の価格は記載されていない
車査定では年式が10年を超えるものは高くならず、販売価格の1割になると言われている。レッドブックとイエローブックには10年を超えた車については記載されていないため、年式の古いものに関しては信ぴょう性に問題がある。
元々の人気が高かった車種であっても10年を超えている場合、一律10パーセントとなるという意味だ。
レッドブックとイエローブックの記載内容が、実際の価格とは大きくかけ離れたものとなっている場合もあるのだ。
レッドブックとは関係なく高価査定を狙うなら”車一括査定”がおすすめ
車一括査定とはインターネットを利用して車査定の申し込みができるサービスであり、以下のような特徴がある。
車一括査定の特徴
- 一度のタイミングで複数の業者にまとめて車査定の依頼ができる
- 査定のために店まで外出する必要がない
- 複数の業者が参加することで査定額アップになりやすい
車一括査定から査定依頼すると、どの業者も他社が参加していることを知っている。そのため、業者同士が意識し合い競合が起こる。利用者をめぐり業者が自社で契約を取ろうと競り合えば、高額査定が期待できる。
車一括査定サービスは、たった一度きりの申し込みで、複数の買取店に査定依頼ができるネットサービスだ。
最大のメリットはこちらが何もせずとも査定額が吊り上げてくれるという点だ。
例えば、4社が競合した場合、各買取店は他の業者以上の買取額を提示しないと買取成立にはならない。よって業者間が自然に競合状態になるため、特に何もしなくても最低額がどんどん高くなるのだ。
- 確実に高価買取を実現させたい方
- 愛車のリアルな査定相場を知りたい方
- 時間と労力を費やしたくない方
- 交渉が面倒な方&苦手な方
このような方に欠かせないおすすめのサービスだ。
編集部おすすめ車一括査定『カーセンサー』
当サイト編集部が車一括査定サービスで最もおすすめしているのがリクルート社運営の「カーセンサー」。
なぜなら、ビッグモーターやアップル、カーセブンなどの大手買取店と提携し、買取業者数が1000社を超えているのはカーセンサーだけ。
同時査定依頼も30社と業界最多なので、最も査定額が高い業者を選ぶ幅が圧倒的に広がるのだ。
編集部所有の車を実際に査定したが、ディーラー下取りよりもなんと96万円も高い査定額が付いている。
他社の車一括査定もあるが、高価買取を目指すならカーセンサー以上のサービスは存在しない。編集部が太鼓判を押す一括査定サービスだ。
【2023年最新】車一括査定おすすめランキング《人気5社比較》
|
カーセンサー |
ユーカーパック |
ナビクル |
楽天Car車買取 |
ズバット |
運営会社 |
リクルート |
UcarPAC |
エイチーム |
楽天 |
ウェブクルー |
提携業者数 |
1,000社 |
5,000社 |
55社 |
2,000社 |
220社 |
同時査定依頼数 |
30社 |
? |
10社 |
? |
10社 |
業者選択 |
〇 |
× |
× |
× |
〇 |
入力の時間 |
約1分 |
約1分 |
約1分 |
約3分 |
約1分 |
利用料 |
無料 |
無料 |
無料 |
成約時
22,000円 |
無料 |
電話の多さ |
多い(メール可) |
1社のみ |
少ない(JADRI加盟) |
1社のみ |
多い |
上記の特徴と比較表を見ればある程度わかるが、これだけだとどのサービスを利用すべきか迷うはずだ。
そこで実際に当サイト編集部が車一括査定サービスを利用してみた。その結果も判断材料に加えたうえで、5つの一括査定サイトをランキング形式で紹介する。
1位:カーセンサー(※編集部一押し)
- 特徴1.同時査定依頼数30社は業界No.1
- 特徴2.競合会社が多いため高額査定率も圧倒的に高い
- 特徴3.電話営業は多いがメール&電話時間指定可能
前述したが、高価買取を狙うなら間違いなくカーセンサーがおすすめだ。提携業者は1,000社を超え、大手中古車買取業者はほぼ網羅している。また、同時に査定依頼できるのが30社で業界最多。
当然ながら競合する会社が多い分、高額査定が出やすい。人気や知名度だけでなく、当サイト編集部が実際に使用して成果も出ている。
現段階で車一括査定の中で最高のサービスだと自信をもっておすすめできる。迷ったらカーセンサーで間違いないだろう。
2位:ユーカーパック
- 特徴1.掲載買取業者は2,000社は圧倒的
- 特徴2.高額買取にも期待
- 特徴3.電話営業一切なし
- 特徴4.申し込みと同時に買取相場がわかる
オークション形式の車一括査定サイト「ユーカーパック」。掲載買取業者は1位のカーセンサーと比較すると約2倍の2,000社、当然ながら高額査定に期待できる。
大手買取店との提携はカーセンサーに劣るが、地域密着型の買取店との提携によって高額買取実績を増やしている。
本来、一括査定サービスは複数業者と売主本人が交渉するのが基本だ。しかし、ユーカーパックは売主の代わりにユーカーパックの担当者が交渉を全て代行してくれる。
編集部でも試したが、他のサービスとは比べものにならないぐらい手軽だった。交渉が苦手&面倒な方に最も適したサービスだ。
3位:ナビクル
- 特徴1.年間利用者数No.1
- 特徴2.わずか45秒で買取相場がわかる
- 特徴3.JADRIの審査を通過した優良業者のみ提携
中古車業界の流通を健全化を目的とした団代”JADRI”の審査に合格した業者しか提携しない「ナビクル(旧:かんたん車査定ガイド)」。
中古車業者を選定している分、業者数がそこまで多くないため、電話営業が少ないという特徴もある。年間利用者数が最も多く、その分高額買取実績も多数出ている信頼度No.1の一括査定サービスだ。
4位:楽天Car車買取(旧:楽天Carオークション)
- 特徴1.電話対応も査定も楽天1社のみ
- 特徴2.成約で楽天ポイントを獲得
楽天Car車買取(旧:楽天Carオークション)はオークション形式で、成約で楽天1,000ポイントがもらえる車査定サービス。
楽天Car車買取なら査定までの全ての工程を楽天の担当者が行うため、しつこい勧誘電話も一切なし。査定回数も1回のみ。
一括査定特有の営業電話が嫌な方、交渉が苦手な方でも勝手に査定額が吊り上がるのでおすすめだ。
5位:車査定比較(ズバット車買取)
- 特徴1.10年の実績と東証一部上場企業の安心感
- 特徴2.申込みと同時に買取相場がわかる
- 特徴3.査定業者を選定できる
車査定比較(ズバット車買取)は車買取業者として実績が長く、東証一部上場企業の運営という安心感があるサービスだ。
比べられる業者も多く、大手中古車買取業者との提携は7社と十分なスペックをもっている。また、運営実績が長いため、実績のある買取店との提携から高価買取にも期待できる。
申込みのフォームが利用者が迷わない簡易な仕組みになっていたり、申込みと同時に買取相場がわかるのも人気の理由だ。
【初心者向け】一括査定のデメリットをカバーした”ユーカーパック”
以上、編集部がおすすめする車一括査定を5つ紹介した。だが、肝心な一括査定のデメリットを解説していない。
一括査定サービスは中古車買取店同士が競合させるのが目的なので、必然的に買取店からの電話営業が多くなる。我先にと各社営業するために電話をかけてくるのは商売上仕方のないことである。
だが、利用者からしてもこの大量電話を懸念して利用を迷っている方も多い。しかし、高価買取を実現するなら一括査定サイト以上の方法は存在しない。
大量の電話を覚悟で、一括査定を利用しなくてはいけないが、一括査定サイトでもデメリットをほぼ解消したものが存在する。
それが「ユーカーパック」だ。
前述したが、ユーカーパックは担当者1名とのやりとりで査定から買取まで全てのやりとりが済むサービスだ。大量の営業電話は一切ない。
- 公式サイトから査定申込(概算の買取相場も表示)
- 担当者があなたの愛車を実地査定(出張査定可)
- 愛車を非公開オークションに出品し、2000社が競合
- 最高額を付けた業者を選んで車を売却する
あなたは何もしなくても、各買取業者の査定額をスマホから確認でき、競合する中古車買取店の相見積りをすべて同時に見ることが可能だ。
当サイト編集部でも実際に利用してみて、今までの一括査定サービスとは比較にならないほど手軽なサービスだと感じた。
ユーカーパックは、従来の一括査定サービスのデメリットである「交渉の手間」「一括査定後の大量の営業電話」を克服した上で高価買取が可能。よって初心者でも安心して利用できる非常に優れたサービスなのだ。
まとめ
レッドブックはあくまでも参考程度にして、車査定の情報収集に活用すると良いだろう。あえて利用しない車買取業者もあるものの、事前に役立つ情報を1つでも多く持っていた方が後悔しない現金化ができるかもしれない。
レッドブックと同じく一般用のシルバーブックも参考にできるが、イエローブックは一般用ではないため間違えないように注意する必要がある。
車一括査定にも複数の種類があるため、様々な業者が登録しているものがおすすめだ。