SUVといえばアウトドアに活躍する車というイメージが強かったが、最近はラグジュアリー感あふれる高級SUVも次々に発表されており、実際それも高い人気を誇っているので、「そもそもSUVとはどんな車か?」と疑問に思う方もいることだろう。
本来、SUVとはアメリカ発祥の名称で、「Sports Utility Vehicle」の略語である。日本語に訳すなら「スポーツ用多目的車」などと言えるだろう。
ただ、スポーツと言ってもサーフィン、スキー、キャンプなど何でもありで、そのように広い範囲に用いられる車ということで、特に日本では本来アメリカで用いられていた狭義のSUVを超えて、さまざまなタイプの車がSUVと呼ばれている。
SUVの一般的な定義と特徴
発祥のアメリカでは、SUVとはトラックをベースにした2ドアスタイルの車を指す言葉だった。
細かい定義では、以下の3つがSUVの条件とされていたが、日本ではそれらを超えて広い範囲でSUVという言葉が使われている。
- アメリカ産であること
- フレームが梯子型であること
- FRP製ハードキャップを荷台に乗せたピックアップトラックであること
一般的なイメージと異なり、日本ではSUVは四駆である必要がない。
また、乗用車をベースとするクロスオーバーSUVや高級SUVの登場もあって、トラックベースである必要もなくなった。
したがって、日本ではSUVに特定のサイズやデザインの決まりはない。ブランドのコンセプトでSUVかどうか判断されると思ってよいだろう。
また、最近では運転しやすいサイズ感が売りのコンパクトSUVや軽自動車のSUVも登場している。だから、SUVといってもスポーツやアウトドアに限らず、街乗りなど何にでもオールラウンドに用いられる車を括るカテゴリーと捉える方が適切だろう。
ただ、典型的なSUVといえば、国産車ではトヨタのハリアーやホンダのヴェゼル、マツダのCX-5辺りを思い浮かべてもらうとわかりやすいと思う。
「SUV」と「クロカン」との違い
SUVとよく似た車にクロカンと呼ばれる車もある。
クロカンとは「クロスカントリー」の略であり、「山野を駆け抜ける」という意味が本来のものだ。そのため、車を指してクロカンと言う時は、四駆の本格的なオフロードカーを意味している。
オフロードカーである条件には、ボディ、駆動方式、タイヤなどが悪路を走るのに適していることが挙げられる。だから、たとえ見た目がオフロードカーのデザインをしていても、悪路を走るための大径のタイヤを履けない車はクロカンと呼ばない。
つまり、パジェロやサファリなどは「クロカン」と呼ばれるが、ハリアー、エクストレイル、CR-Vなどはクロカンではなく「SUV」と呼ばれるのだ。
【知識】ランドクルーザーはクロカンに分類される
ランドクルーザーはトヨタ自動車が製造する世界的に高い評価を受ける車で、最初の試作車は1951年に誕生した。
ランドクルーザーといえば、日本を代表する大型車の一つだが、厳密にはクロスカントリー車に分類するべきだろう。
最近ではランドクルーザーをクロスカントリーSUVと呼ぶこともあるのでわかりにくくなっているが、本来が軍用車両のジープとして誕生した車であり、大型の車体、四輪駆動、耐久性などクロカンであるべき要素をすべて備えている。
ただし、ランドクルーザーの名を冠していてもランドクルーザープラドは仕様も車格も異なり、SUV車に分類される。
価格がリーズナブルになり近年SUVの人気が高まっている
SUVはボディサイズが大きく価格帯も高めで、おまけに燃費性能も良くないことから、これまでは一部のユーザーだけに支持されてきた感がある。
ところが、最近では運転に自信のない人でも気軽に乗れるコンパクトSUVや軽自動車SUVなどが登場している。
燃費性能も格段にアップしており、ダウンサイジングしたことで価格もリーズナブルになった。各メーカーも次々とこのようなコンパクトSUVを投入しており、いまやSUVは誰もがライトに乗れる車になったと言えよう。
このジャンルの先駆けとなった日産のジュークやトヨタのハリアーはもとより、2018年以降も続々と新たなコンパクトSUVが誕生するだろう。
SUV&クロカンの『5つのメリット』
SUV&クロカンは上で見たように厳密には違うカテゴリーで括られる車だが、日本ではアウトドア向きの車として同じようなイメージで捉えられている。そのため、アウトドア志向の人以外には、あえてSUV&クロカンを選ぶメリットが思いつかないかもしれない。
しかし、いまやSUV&クロカンもさまざまな仕様の車が登場しており、何もアウトドアだけに用いられる車とは限らなくなった。実際、普段使いにも多くのメリットがあるのである。
【メリット1】パワーがある
SUV&クロカンはコンパクトカーや軽自動車よりも排気量が大きいため、なんといってもその力強さが大きなメリットになる。加速もスムーズであり、上り坂も余裕で走るのだ。
また、アクセルを踏み込んでも静かなところもエンジンにパワーがあるからこそだろう。軽自動車など小さなエンジンをフル稼働させるため、少しアクセルを踏み込むだけでも大きな音が鳴る。あと、四輪駆動なので雪道など悪路もへっちゃらだ。
【メリット2】車高が高いから見晴らしがいい
SUV&クロカンはふつうのセダンと比べて車高がかなり高いので、その分運転する時の見晴らしが良い。見晴らしが良いということは視界が広いというころだから、当然運転のしやすさも車高の低い車よりアップする。
また、車高の低い車より乗り心地が良い点もSUV&クロカンのメリットだ。車高が低いと底突きしやすく振動がドライバーにもろに伝わってしまうが、SUV&クロカンの車高の高さならそんな心配は無用である。
【メリット3】オシャレでかっこいい
どんな車がオシャレでかっこいいかは個人の主観によるところが大きいが、少なくとも最近の傾向として言えることは、かつての主流だったセダンは若い世代から「ダサい車」「オヤジの乗る車」というイメージを持たれている。
それに対し、迫力がありながらスタイリッシュなボディを持つSUV&クロカンへの好感度が年々高まっている。若い女の子にモテたいのなら、セダンよりもSUV&クロカンなのは間違いない。
【メリット4】荷物がたくさん積める
ボディサイズの大きなSUV&クロカンならではのメリットが、荷物がたくさん積めることだ。荷室と客室が分かれた室内空間の狭いセダンが決して敵わない点である。
最近では軽自動車にも室内空間の広い荷物をたくさん積める車が増えているが、SUV&クロカンはよりアウトドアに向いているタイプの車なので、キャンプが趣味などというアクティブな家族にはSUV&クロカンこそがぴったりだろう。
【メリット5】頑丈なので安全性が高い
SUV&クロカンはアウトドアのための車であるから、当然ボディは頑丈にできており、ちょっとやそっとの衝撃で壊れることはない。
ボディサイズが大きいほど、それに比例して衝撃吸収性も高まるので、仮に事故に遭っても車内へのダメージは少なく、乗る人の安全性も高まると言えるだろう。
ワンボックスカーもSUV&クロカンと同じような大きさを持つが、こちらはシートと車外の距離が近いため衝撃を受けやすいというデメリットを持つ。安全性ならSUV&クロカンが一番だ。
SUV&クロカンの『4つのデメリット』
以上見てきたように、SUV&クロカンのメリットはボディサイズが大きくパワーがあることに起因する。しかし、それゆえのデメリットが生まれるのも否定できない。大きなボディサイズと強力なパワーはしばしば乗り手を選ぶのである。
車に求めるニーズによってはSUV&クロカンでは不便に感じられることもあるだろう。購入を考える際は、以下に挙げるデメリットについてもよく検討してからにしてもらいたい。
【デメリット1】車高が高いから乗り降りが不便
最近はライトなSUV&クロカンが増え、また高級感を盛り込んだシニア世代の購入意欲をそそるものも登場している。アウトドア志向の若者だけが乗る車というイメージは過去のものとなっただろう。
しかし、SUV&クロカンの車高の高さは誰にでも向いているものではない。お年寄りや小さな子どもは乗り降りに苦労することは間違いない。また、シートも高いため揺れもある。見栄えだけで選ぶと後悔する可能性があるだろう。
【デメリット2】立体駐車場に入れない
立体駐車場のなかには車高の高いSUV&クロカンが入れないところも多い。日本の立体駐車場には自走式と機械式の2種類があるが、このうち機械式の立体駐車場のほとんどが1,550mmという高さ制限がある。
なかには1,800mmぐらいまで駐車可能なところもあるが、機械式の立体駐車場はほぼ使えないと思った方がよいだろう。立体駐車場に入るコンパクトサイズを売りにする車種もあるが、その場合でもギリギリの高さのためアンテナが引っかかる可能性がある。
【デメリット3】重心が高いからカーブが怖い
SUV&クロカンのような車高の高い車は、重心が高い位置にあるのでカーブを曲がる時に大きく横に傾くように感じる。
これは感覚だけの話ではなく、実際、車高が高いほど支点となる地面からシートまでの距離が長くなるため、カーブする際に乗っている人は左右に大きく振れるのである。
よほど無謀な運転でもない限りカーブで転倒することはまずないが、乗っている人が恐怖感を抱き、その結果、操作性が低下して事故が起きやすくなるというリスクはある。
【デメリット4】車両の価格が高めの設定
SUV&クロカンは大きな車体を持つ。車体が大きくなるということは、すべてのパーツが大きくなるので良いものを使わざるを得ず、必然的に車両価格が高くなってしまうのだ。また、パワーがある分、それを制御するブレーキも高性能でなければならない。
このようにSUV&クロカンはその性能と引き換えにコスト面での負担が大きくなるのである。実際、多くの車種が新車価格200~300万円以上の高価格帯である。
SUV&クロカンの国産売れ筋ランキング
いくつかのデメリットはあるものの、SUV&クロカンにはそれを上回るメリットがある。最近は大きいだけでなく、各メーカーがさまざまなコンセプトで次々にSUV&クロカンを発表している。
そこで、国産SUV&クロカンの売れ筋をランキング形式で紹介しよう(注:販売台数のランキングとは異なる)。
1位 | C-HR |
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2位 | ヴェゼル |
3位 | ハリアー |
4位 | エクストレイル |
5位 | CX-5 |
6位 | フォレスター |
7位 | ランドクルーザー |
8位 | CX-3 |
9位 | イグニス |
10位 | レクサス RX |
【10位】レクサス RX
新車価格(2018年時点) | ガソリン車が495~621万円 ハイブリッド車が603~743万円 |
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燃費性能(4代目モデル・2015年~2022年) | ガソリン車が11.2~11.8km/L ハイブリッド車が18.2~18.8km/L |
ライバル車 | トヨタのハリアー |
第10位はトヨタの展開するレクサスブランドのRXだ。タイプとしては5ドアクロスオーバーSUVであり、SUVながら高級セダンの快適性を兼ね備えている。快適性だけでなく機能性も極めて優れており、SUVとして最高級の部類に入るだろう。
【2023年現在】レクサス RX(5代目モデル・2022年~)
新車価格 | 664万円~900万円 |
燃費性能(WLTCモード) | 11.2~18.8km/L |
2022年のフルモデルチェンジで5代目となったRX。
日本仕様ではガソリンモデルが「RX350」、RX初のプラグインハイブリッドモデル「RX450h+」、ハイブリッドモデル「RX500h」が設定されている。
PHEV車である「RX450h+」は高いEV走行性能・加速性能・静粛性を実現する新開発プラグインハイブリッドシステムを採用。
燃費消費率はWLTCモード18.8km/L。
大容量な駆動用電池の搭載により、満充電からのEV航続距離は86kmを達成。
ナビによるルート案内中、電力を効率よく使用するために駆動用電池の残量や経路、交通情報といったデータをもとにEV走行とHV走行を切り替える「先読みエコドライブ」といったシステムも。
走りやデザインすべてが上質でハイパフォーマンスな新しいRXは高級性を追求したSUVに乗りたい方におすすめの一台だ。
【9位】イグニス
新車価格(2018年時点) | 138~188万円 |
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燃費性能(初代モデル・2016年~) | 25.4~28.0km/L |
ライバル車 | 日産・ジューク、ホンダ・ヴェゼル、トヨタ・C-HR |
第9位は、スズキの販売するクロスオーバー型のコンパクトSUVであるイグニスだ。2016年2月に発売されたばかりの新しい車で、の新車を売り上げた。
イグニスは、軽自動車SUVであるハスラーとコンパクトクロスオーバーSUVのエスクードの中間として企画されたコンパクトSUVだ。
【8位】CX-3
新車価格(2018年時点) | ディーゼルエンジンモデルが241~307万円 ガソリン車が211~280万円 |
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燃費性能(初代モデル・2015年~) | ディーゼルエンジンモデルが21.0~25.0km/L ガソリン車が16.6~17.0km/L |
ライバル車 | トヨタのC-HR、スズキのイグニス |
第8位は、マツダが販売する5ドアクロスオーバーSUVタイプのCX-3だ。2015年に国内で販売開始された。マツダのクロスオーバーSUVではCX-5に次ぐモデルである。
CX-3にはガソリン車モデルが存在する。ディーゼルエンジンモデルはパワフルであり、かつ燃費性能も優秀だ。ガソリン車もというまずまずの燃費性能を誇る。
【7位】ランドクルーザー
新車価格(2018年時点) | 473万~684万円 |
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燃費性能(200系・2007年~2021年) | 6.7~6.9km/L |
ライバル車 | 日産・エクストレイル |
第7位はSUVを代表する車種とも言えるトヨタのランドクルーザーだ。愛称の「ランクル」でもお馴染みの最上級モデルの大型クロカンである。
ランドクルーザーの歴史は古くは戦時中までさかのぼり、軍用の四輪駆動車として構想されていた。戦後、発売されてからもしばらくジープと呼ばれていたが、走行性能はその通り極めて優れている。現在まで歴代モデルはすべて人気を博している。
【2023年現在】ランドクルーザー(300系・2021年~)
新車価格 | 510万円~800万円 |
燃費性能(WLTCモード) | 7.9~9.7km/L |
2021年、14年ぶりのフルモデルチェンジとなったランドクルーザー。
ガソリン、ディーゼルの2タイプがあり、ランドクルーザー初の「GR SPORT」が設定されている。
ガソリン車では7人乗りであるZX、GR SPORT、VX、AX、そして5人乗りのGX。ディーゼル車では5人乗りのZX、GR SPORTが用意されている。
トヨタ車で初となる「指紋認証スタートスイッチ」が採用されているのも注目だ。指紋情報が一致しなければエンジンが始動しない仕組みになっている。
世界的に人気でニーズの高いランドクルーザー。エクステリア・インテリアのデザイン性、走行性能はいうまでもなく、盗難対策のセキュリティなど装備も充実している。
【6位】フォレスター
新車価格(2018年時点) | ターボ車が313万円 ノンターボ車が242万~292万円 |
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燃費性能(4代目モデル・2012年~2018年) | ターボ車が13.2km/L ノンターボ車が13.4~16.0km/L |
ライバル車 | 日産・エクストレイル、マツダ・CX-5 |
第6位はスバルが1997年から販売しているクロスオーバーSUV型のフォレスターだ。オフロードから高速道路までさまざまな走行状況を考えて開発されたSUVである。
フォレスターの特徴は車高の高さと高級感あふれる内装だ。インテリアが高級なだけでなくオーディオも高級品が搭載されている。現行モデルは2012年からの4代目で、そろそろフルモデルチェンジがあるとも言われている。ライバル車にはなどが挙げられる。
【2023年現在】フォレスター(5代目モデル・2018年~)
新車価格 | 299万2000円~363万円 |
燃費性能(WLTCモード) | 13.6~14.0km/L |
2018年に5代目となったフォレスター。
グレードはスタンダードモデル「Touring」、「X-BREAK」、上級モデル「Advance」、スポーティモデル「SPORT」、最上級モデル「STI Sport」。ほかに特別仕様車「XT-EDITION」が販売されている。
SUBARUの新たなデザインコンセプトである「BOLDER」。
BOLDERというのは「見ただけで高い機能性やパフォーマンスを予感させ、思わずどこかに行きたくなる、何かをしてみたくなるデザイン。使う人の挑戦を後押しし、非日常的な体験へと誘うデザイン。」。
フォレスターはそのコンセプトが存分に体現されたSUV車になっている。
【5位】CX-5
新車価格(2018年時点) | ディーゼルエンジンモデルが281~353万円 ガソリン車が250~321万円 |
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燃費性能(2代目モデル・2017年~) | ディーゼルエンジンモデルが17.2~18.0km/L ガソリン車が14.6~16.0km/L |
ライバル車 | トヨタのハリアー、日産のエクストレイル |
第5位は、マツダのクロスオーバーSUVであるCX-5だ。マツダの新世代技術であるスカイアクティブがフル搭載された車種である。安全装備も最新で、マツダの良さを詰め込んだような車になっている。
【4位】エクストレイル
新車価格(2018年時点) | ガソリン車が220~283万円 ハイブリッド車が259~310万円 |
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燃費性能(3代目モデル・2013年~2022年) | ガソリン車が15.6~16.4km/L ハイブリッド車が20.0~20.8km/L |
ライバル車 | トヨタのハリアー、マツダのCX-5 |
第4位は、日産が2000年から販売しているミドルサイズのクロスオーバーSUVであるエクストレイルだ。日産の新デザイン言語「Vモーション」を採用し、ガソリン車とハイブリッド車がラインナップされている。
エクストレイルは、2017年に新車を販売しているように、すべてのSUV&クロカンのなかでも上位にランクする人気車だ。マイナーチェンジを経て内外装ともにより洗練された。
【2023年現在】エクストレイル(4代目モデル・2022年~)
新車価格 | 319万8800円~504万6800円 |
燃費性能(WLTCモード) | 18.4~19.7km/L |
2022年、4代目へのフルモデルチェンジを機にガソリンモデルを廃止、ハイブリッドモデルのみとなった。
グレードは「S」「X」「G」(4WDは「S e-4ORCE」「X e-4ORCE」「G e-4ORCE」)、そしてカスタムカーの「AUTECH」と「エクストリーマーX」が設定されている。
日産エクストレイルは第2世代「e-POWER」とともに革新的な電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載。
内燃機関とEVの革新的な技術がエクストレイル1台に集約されている点が評価されて「2022-2023 テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。
発売から2週間で受注台数が12,213台。歴代モデルのうち最速であり、日産が発売してきたe-POWER搭載車のなかでも発売から最短日数で受注1万台超えとなった。
【3位】ハリアー
新車価格(2018年時点) | ターボが338万~405万円 ハイブリッドが377万~460万円 ガソリンが295万~378万円 |
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燃費性能(3代目モデル・2013年~2020年) | ターボが13.0km/L ハイブリッドが21.4km/L ガソリンが16.0km/L |
ライバル車 | 日産のエクストレイル、マツダのCX-5 |
第3位は、トヨタの販売する高級クロスオーバーSUVであるハリアーだ。1997年に初代モデルが発売されたが、高級クロスオーバーSUVという概念を作った車種と言えよう。
【2023年現在】ハリアー(4代目モデル・2020年~)
新車価格 | 312万8000円~620万円 |
燃費性能(WLTCモード) | 14.7~22.3km/L |
2020年のフルモデルチェンジにより、4代目となったハリアー。
ガソリン車、ハイブリッド車のほか、プラグインハイブリッドが新設された。グレードは「S」「G」「Z」、「Z」には「Leather Package」が設定。
ハリアーの特徴といえば、クーペフォルムのSUVという枠を超えた上品で洗練されたスタイル。
幅広い年齢層に評価を得ている高級SUVだ。
【2位】ヴェゼル
新車価格(2018年時点) | ガソリン車が192~240万円 ハイブリッド車が227~289万円 |
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燃費性能(初代モデル・2013年~2021年) | ガソリン車が19.0~20.6km/L ハイブリッド車が21.6~27.0km/L |
ライバル車 | トヨタのC-HR |
第2位はホンダのヴェゼルだ。クーペとの融合というコンセプトで完成した5ドアクロスオーバーSUVである。車高はSUVらしく高いが、クーペのスタイリッシュ感あふれるデザインが特徴だ。
2017年の新車販売台数はあらゆるSUV&クロカンのなかでも上位の売上を誇っている。オフロードの走行性能も優れているが、街乗りなど普段使いに良いところが人気の理由だろう。
【2023年現在】ヴェゼル(2代目モデル・2021年~)
新車価格 | 227万9200円~329万8900円 |
燃費性能(WLTCモード) | 15.6~25.0km/L |
2021年、2代目となったヴェゼル。
ガソリンモデルは「G」、ハイブリッドモデルは「e:HEV X」「e:HEV Z」「e:HEV PLaY」の3タイプ。
前モデルと比べると、シンプルで美しい水平基調のロングキャビンシルエットが特徴的なデザインになっている。
ハイブリッドモデルが「e:HEV」となり、燃費性能が向上、2030年度燃費基準を達成した。
【1位】C-HR
新車価格(2018年時点) | ハイブリッド車が265~293万円 ガソリン車が251~280万円 |
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燃費性能(初代モデル・2016年~) | ハイブリッド車が30.2km/L ガソリン車が15.4km/L |
ライバル車 | ホンダのヴェゼル |
第1位は、トヨタのコンパクトクロスオーバーSUV車であるC-HRだ。2017年の新車販売台数が117,299台と10万台の大台を突破したように、すべてのSUV&クロカンのなかで最も売れている車種である。
C-HRのライバル車はホンダのヴェゼルになるが、ヴェゼルに負けないだけの走行性とデザイン性の高さが特徴である。2016年12月に発売されたばかりの車なので、2018年もまだまだ人気は続くだろう。
SUVへの買い替え・乗り換えで10万以上得する方法
SUVへの買い替えや乗り換えや検討している方は今から紹介する方法を必ず知っておくべきだ。
なぜなら、これを実践するだけで10万円、人によっては50万円以上得する方もいるからだ。
まず、今乗っている車をSUVへ買い替えしようと思っている方は「SUVを購入しようと考えているお店のディーラーへ下取りに出す」という考えを捨てるようにしてほしい。
今所有している愛車の相場を知らないままディーラーに下取りに出すのは99%損をする。
ディーラーはそもそも下取り(買取)を専門に行っていない。独自のルートもなく、一般的なオークション価格で安く買い叩かれてしまう。
車を売るならそれを専門に取り扱う買取業者に売らないと適正価格で買取はしてもらえない。
なお、高価買取を実現させるために車一括査定を利用すれば、時間を節約しながら短時間で買取額を大幅に上げることが可能だ。
車一括査定を使えば、下取りより10万円以上の買取額が付くのが当たり前になってくる。
これを見れば、SUVへの買い替えや乗り換えで損しないために、必ず車一括査定は利用すべきサービスだとわかってくれるはずだ。
【総評】コンパクトSUVが大人気
もともとは悪路を走破するオフロードカーがSUVという車だったが、いまやアウトドア志向の若者だけにとどまらず、幅広い層に求心力を持っている。
売れ筋ランキングを見てもわかるように、最近は従来のイメージの大型SUVよりも街乗りにも便利なコンパクトSUVが人気を博している。
SUVをざっくり分類すると、ホンダのヴェゼルやトヨタのC-HRのような都会派のSUVと、トヨタのランドクルーザーのような4WDのオフロードSUVの2種類がある。
SUVは悪路を走行する機会の多いアウトドア志向の層には良いが、普段使いが中心の一般層には若干扱いにくい面があるのも否めない。
それがいまや迫力あるデザインはそのままに、より扱いやすいコンパクトSUVが市場を賑わせている。SUVやクロカンにとどまらずすべての車においてダウンサイジングの傾向が見られる昨今だが、それだけユーザーのニーズが時代とともに変化しているのだろう。
今後もこの傾向はしばらく続くと思われる。2018年以降のSUVも、今回のランキングに挙がった車種を中心に売れていくのではないだろうか。
まとめ
近年、SUVやクロカンなどのアウトドアに適した車が人気を上げている。SUVとはそもそも「Sports Utility Vehicle」であり日本語なら「スポーツ用多目的車」とでも呼ぶべき車で、従来はオフロードを走行するためのアウトドア志向の層にニーズがあったものだ。
それが、最近では従来の大型SUVだけにとどまらず、迫力ある外観と強力な走行性能を持ちながらも、ダウンサイジングしたコンパクトSUVや、また、おしゃれな外観と高級感のある内装でシニア層にも求心力を持つ高級SUVなどが勢力を伸ばしているのである。
トラックベースの四輪駆動車がかつてはSUVの条件だったが、今ではそんな定義に囚われず、各メーカーが独自のコンセプトのもとさまざまなタイプのSUVを発売している。
SUVはすべてのドライバーに適した車ではない。車高が一般の車より高いため、乗り降りに不便なところがあり、立体駐車場にも停められない。重心が高いので揺れも感じやすい。
燃費も良いとは言えない。そのため、お年寄りや小さな子どものいる家庭には不向きな車だった。しかし、昨今はそんなSUVのデメリットを克服した車種も続々と登場している。
トヨタのC-HRやホンダのヴェゼルのように、コンパクトで使い勝手が良く燃費性能も優れたSUVがあらゆるタイプの車のなかでも特に売れているのである。今後もこのコンパクトSUV人気の傾向は続いていくだろう。