自動車の下取りや買取などのサービスを利用する際、査定額をアップさせる方法がいくつか存在するのだ。
利用者の中には状態を少しでも良くしようと思い、査定前に洗車を行い車体に付着した小さな汚れを落とそうとする人もいるだろう。
洗車そのものは決して悪くはないが、実はそれ自体では査定額に影響しない。ただし影響がなくてもやるべき理由は存在しおススメする洗車の方法などもあるため、査定に関する情報をまとめて紹介していこう。
査定前に洗車しても査定額の増減に影響しない
下取りや買取について勘違いしている人は、洗車が重要だと考えるだろう。しかし実際には洗車によって査定の結果が良くなるわけではなく、自動車の査定は一般財団法人日本自動車査定協会の基準に沿って行われるのだ。
一般財団法人日本自動車査定協会の基準ですが、以下の通りになる。
- 査定には加減点方式が採用されている
- 洗車に関する内容が項目にはない
- 車種や年式などの項目の方が重要である
つまり洗車には直接的な影響力がないため、査定前に行う必要がないのだ。一般財団法人日本自動車査定協会の基準を遵守するスタッフが査定を担当した場合、洗車したことをアピールしても重視してもらえないかもしれない。
ただし直接的に影響せずとも、間接的に影響する可能性はある。
それでも洗車すべき理由は「査定員へのアピール」
査定員として働くスタッフも人間であり、基準のみを重視しない場合もある。客観的な評価が行われる必要があるが、綺麗に洗車されている自動車を見るとしっかりと手入れされていると判断される可能性もあるだろう。
反対に雑な状態で査定を依頼した場合、スタッフの主観や先入観が邪魔をしてしまいマイナスに働くかもしれない。
要するにアピールとして間接的に左右し、査定額がわずかながらにアップする可能性もあるのだ。
査定前にやるべきおススメの洗車のやり方
洗車はただ水をかけて汚れを洗い流せば良いわけではなく、おススメするやり方がある。どうせ査定前にわざわざ洗車を行うのであれば細かな汚れを少しでも多く綺麗にできた方が良いため、是非とも参考にしてみてほしい。
【外装洗車】査定前にやるべき洗車手順(WAX・コーティングなし)
まず外装を綺麗にする方法ですが、以下の手順を守れば良いだろう。
- 【1】車体に水をたっぷりとかけて付着しているほこりや砂などを洗い流す
- 【2】しっかりと泡立てたカーシャンプーで車体を洗う
- 【3】シャンプーが乾いてしまう前に水で洗い流す
- 【4】車体に付着した水が乾燥する前に素早く拭き取る
上記した手順で洗車を行う場合、以下のような理由から暑い日や日当たりの良い場所はなるべく避けた方が良い。
- 洗車の途中で水やカーシャンプーがすぐに乾いてしまう
- 水やカーシャンプーが原因でボディにシミができて査定に影響してしまう
気温が高くなる夏に洗車を行う場合は朝や夕方、また曇っている日がおススメだ。また査定前だからといって、以下の内容について変に気合を入れる必要はない。
- 入念にWAXをかける
- 高価なボディコーティングを施す
【車内清掃】念入りに掃除・清掃する
次に車内清掃に関する方法ですが、できるだけ綺麗にしておいた方が査定時の間接的なアピールとなるだろう。車内の環境は乗車する人によって左右するため、外装洗車以上に手間をかけて綺麗にしておいた方が良いかもしれない。
しかし変に気合いを入れて掃除を行う必要はなく、下取りや買取に出す前に掃除機を使う程度で良いだろう。ただし小さな汚れが入り込む場合もあるため、以下の場所は念入りに掃除をすると良い。
- 床
- フロアマット
- シート
シートをスライドさせることができる場合、前後に動かして掃除機をかけよう。掃除機は車内でも使いやすいコンパクトなものを選び、細いノズルを取り付けると奥の方にある汚れも吸い取れるだろう。
【車内消臭】煙草・食べ物・汗・ペットの臭いは消臭スプレーor重曹
嫌な臭いがする場合、査定時の印象が悪くなることもある。車内の嫌な臭いの原因には、以下のようなものが挙げられる。
- 煙草の煙
- 食べ物の臭い
- ペット
- シートに染み付いた汗
これらの臭いは時間が経つとしつこく染み付き、簡単には落とせなくなる場合もある。嫌な臭いをなくすためには、以下のものを上手く使って掃除することだ。
- 消臭スプレー
- 重曹
まず消臭スプレーだがホームセンターやカー用品店を利用すれば、車内用のものが販売されているだろう。そして重曹はシートやフロアにそのまま撒き一晩放置し、掃除機で吸い取ると臭いが綺麗になくなりやすい。
重曹で作った水は弱アルカリ性であるため、革製のシートや内装には使わないことだ。
洗車と合わせてやるべきプラス査定を出す『2つの方法』
プラス査定のためには洗車だけではなく、以下に紹介する2つの方法と合わせることをおすすめだ。有利となるアピールポイントを作っていた方が、何もしていない場合と比較して高額となる可能性が高い。
1.社外品のパーツから純正品に戻す(オーディオ・カーナビは除外)
一度誰かに使われていた自動車を中古車として再販する場合、純正であると高く評価される場合もある。そのため下取りや買取に出す前の時点でパーツが統一されていない場合、新車購入時の状態に戻す純正戻しが必要だ。
社外品のカスタムパーツなどがあれば、元の状態に戻すために取り除こう。中古車買取の査定では、以下のような傾向が存在する。
- 純正で統一されている中古車は人気が高い
- 高価な社外品ばかりだと人気が低い
傾向は絶対的なものではないが、参考にすると良いだろう。ただしオーディオやカーナビに関しては無理して純正にするのではなく、そのままにして良いだろう。この2つは取り外しが大変であるため、無理をする必要はない。
2.ステッカーを外す(ダッシュボードクリーナー)
購入時にドレスアップとして貼られていたステッカーは、査定においてマイナスには影響しないだろう。しかしそれ以外のものは、外すことをおススメする。ステッカーを外す場合、以下のポイントを意識してみるといいだろう。
- 室内にあるステッカーは可能な限り外す
- 外した跡を目立たなくさせるためにダッシュボードクリーナーを使う
ダッシュボードクリーナーもホームセンターやカー用品店で取り扱われているため、使いやすそうなものを購入してみよう。
大きなキズ・洗車傷があっても修理はしない(修理費が高い)
洗車中に大きなキズや洗車傷などを見つめても、下手に修理をしない方が良い。自分では注意していたつもりでも気付かないうちに車体がダメージを受けていることもあり、査定前であれば修理する必要はない。
理由はシンプルであり、修理代の方が査定額よりも高くなってしまう可能性があるためだ。たとえば修理のために10万円がかかったしても査定時にそれ以上の評価がされなければ、結果として損をしてしまうことになるのだ。
修復歴がある中古車は、査定時にマイナスとなる場合がある。しかし大きな傷やドアが小さく凹んでいる程度では修復歴ありとは判断されないため、余計なコストをかけて評価を上げようとすることは無駄な努力と言えるだろう。
高価買取を狙うなら「車一括査定」がおすすめ
査定額アップのためには、下取りや買取の業者を競合させると良いだろう。1人の利用者が査定を依頼すると複数の業者は利用者確保のために互いに刺激し合い、他社よりも高額の査定額を出してアピールする場合もあるのだ。
競合を起こすきっかけとして、車一括査定というサービスが存在する。中古車の車一括査定はインターネット上のサービスであるため自宅で利用でき、短時間で複数の業者の情報がチェックできるというメリットがあるのだ。
まとめ
下取りや買取の査定に出す自動車の洗車は義務ではないものの、間接的なアピールのためには必要だ。ただし時間やお金をかけて熱心に行う必要はないため、少しでも良いから綺麗にしようというライトな気持ちで問題ないだろう。
査定を行うスタッフが人間である以上、機械のように定められた基準のみを意識することはないかもしれない。
綺麗にしようとした努力や自動車に対する愛が伝われば、基準とは別の部分でプラスに評価される可能性もある。
ただし必要以上にコストをかけないことが重要で、査定額が高額でなければ損をしてしまうためほどほどにしよう。洗車やその他の作業のために予算を立てる場合、必要最小限に抑えることがポイントだ。