車査定では、1社ずつ査定をするのではなく複数の業者との同時査定をする方法もある。これにより1社1社査定するよりもメリットがいろいろあるのだ。とはいえ、デメリットが全くないわけではないため、よく知っておく必要がある。
ここでは車買取の複数の業者に同時に査定することのメリットや考えられるデメリットについてまとめている。また同時査定をする場合の流れや注意点も確認して、よりスムーズに同時査定を受けるように心がけてほしい。
車買取で買取業者同士が同時査定(バッティング)をしても問題なし
車買取査定で複数の買取業者同士が同じタイミングで査定することを同時査定というが、同じ業者がバッティングすることは問題では?と思う人もいるのではないだろうか。買取業者にはあまり好まれない手法だが、基本的に同時査定は全く問題ない。
近年は頻繁に行われている手法でもあり、慣れている査定員も少なくないのだ。そもそも、車買取は車のオーナーの都合を優先すべきことであり、少しでも高く売るための方法の一つに過ぎない。業者の事は深く考えず堂々とやって構わない。
車査定を同じ時間(同時査定)にする『3つのメリット』
車査定を複数の買取業者で同じ時間でおこなう同時査定には以下のような3つのメリットがある。
【メリット1】各買取店が同時に立会いすることで高価買取になりやすい
買取業者はできるだけ安く車を買取すれば、それだけ利益が多くなる。そのため、オーナーと価格交渉をして少しでも安く買取しようと画策するものだ。例えば、今すぐ決めてくれたらこの額で買い取ります、というように即決を迫る方法を用いるのだ。
相場を知らないオーナーなら、そこで即決して損をしてしまうこともあるのだ。それが各買取店を同時に立会いすれば、当然業者同士競い合う事になるため、オーナーが特に交渉をしなくても高価買取になりやすいのである。
車は1台しかないわけだから、自社の査定額を他社が上回れば、それを上回る額を提示するというようにオークションのようにどんどん価格が吊り上がっていく。結果的に各買取店が、限界まで買取額をアップしてくる可能性が高くなるのだ。
以下が実際に同時査定を試してみた方の口コミだ。
訳あって身内のクルマ売却を代理でする事になった。
ネットの車買取比較サイトに入力した→5社同時見積もり
→現地でセリ
という展開にw
おかげさまで2時間で決着しました。比較サイト便利やけどクルマ屋さんは大変だ〜! pic.twitter.com/1KOM34PJhm— 沖 啓太郎@一生付き合える洋服屋 (@keitarooki) January 28, 2017
車の買取交渉。「是が非でも一番最初に査定したい」と主張していた1社目は「即サイン即引渡で30万円」、断って2社目は32万円。更に断って3社を同時に呼んで名刺の裏に金額を記入していただき入札したら55万円。交渉してみるもんだ。 pic.twitter.com/gyEqyVDoF1
— 軍手 (@gunziotaku) November 10, 2016
いわゆる中古車一括査定ってのをやった。結果から言うとディーラー下取り査定のプラス4万円に。同時4社で相見積もりしたんですが、経緯とか面白かったので経緯とかつらつらと
— Zaki_XL (@Zaki_XL) June 1, 2014
【メリット2】各買取業者との交渉時間を短縮できる
同時査定をおこなうとオークションのように価格がどんどんアップしていくわけだが、個別査定でもできないわけではない。例えばA店の査定額をB店に伝えれば、A店よりも高い値を付け、それを繰り返せばいいのだから。
だがこの方法を使うと、どうしても交渉に時間がかかってしまうのだ。買取店が多くなればどんどん時間ばかりかかってしまう。
同時査定をすればその日だけ、1時間足らずで交渉がすべて終わり売却先を決めることができるのだ。買取業者からとってみても、ズルズルといつまでも交渉されるよりも一度で決着がつくため同時査定でも構わないという業者も多いのだ。
【メリット3】強引な取引をしてくる業者を避けられる
買取業者には安い買取額で強引に売却を迫ってくるところもあるものだ。実際に出張査定を依頼したら、査定員が売るまで帰ろうとしないなどのトラブルも少なからずあるようだ。中には周囲の目があるところで泣き落としに入る業者もあるとの事。
そういう強引な取引をしてくる業者は、安く買い叩こうと思っているため同時査定をすれば当然価格で負けてしまうだろう。
そのため、同時査定を拒否して個別査定を求めてくるものだ。同時査定をすれば、その時点で強引な取引をする業者を避けられるだろう。
車査定を同時にする2つのデメリット…だが気にする必要なし
同時査定はオーナーにとってさまざまなメリットがあるが、デメリットも以下のような2つほど考えられる。
実際はデメリットといっても対策次第では気にする必要もないのだ。
【デメリット1】同時査定を嫌がる車買取店とは交渉できなくなる
車買取店からすれば、個別交渉のほうが安く買取できる可能性があるため、同時査定を拒否する買取店もある。
自分の車を高く買取してもらうためには、できるだけ多くの業者に査定をもらうことが基本だが同時査定を嫌がる業者とは交渉できなくなるのだ。
だが、同時査定を嫌がるのは、他店よりも高く買取する自信がないからだ。むしろ自信がある買取店なら、一度の交渉で決着がつくため同時査定を好むはずである。そのため、このデメリットは実際、気にする必要はない。
【デメリット2】各買取業者間で談合する可能性がある
同時査定の本当のデメリットともいえるのが、同時査定をすると買取業者間で談合する可能性があるという点だ。同じ地域にある買取店はすでに顔見知りになっていることも十分に考えられる。
そのため、同時査定によりお互いの利益が少なくなるなら、業者が談合して買取額を安く抑える手口をしてくる可能性もある。そうなると、結局安く買い叩かれてしまい相場よりも安く手放すことになってしまうのだ。
だが談合を避けるには以下の方法がある。
- 買取相場を把握しておく
- 調べた相場以下では売らない旨を話す
- より多くの業者に参加してもらう
買取相場を把握しそれ以下では売らないと明言していれば、談合して安い買取額だとどこの買取店も買取できないことになってしまうのだ。
中古車の出張査定を同時にしてもらう具体的な流れ
中古車の出張査定を同時にする流れは以下の通りだ。
ただ参加する業者が少ないと、これもできない可能性があるため比較的多くの業者を交渉のステージにあげる必要がある。
【1】複数の車買取業者を時間指定して出張査定をしてもらう
まずは複数の車買取業者に出張査定を依頼することだ。今やほとんどの買取店が無料出張査定をおこなっており、依頼すれば自宅はもちろん指定した場所に査定に来てくれる。すべての買取業者に同時刻で来てもらうことで同時査定が可能になるのだ。
その際は同時査定してもらう旨を伝えておくといいだろう。買取業者の中には同時査定を嫌がり、その日時での査定を拒否してくるところもあるかもしれない。だが拒否する業者は思い切って断ってしまっても構わない。
【2】それぞれの車買取業者と価格交渉をする
同じ時刻に出張査定に来てもらえば、すべて買取業者が同時に査定をスタートできる。査定自体は30分もかからず終わるが、査定が終わった業者から価格交渉を始めるといいだろう。ただここでの価格交渉はあくまで価格を提示するだけだ。
1社だけの価格交渉なら、即決してくれるならこの額まで出します、などと業者が言ってくるものだが同時査定だとその心配がない。その際には他社が提示した査定額は他の業者には伝えないことがポイントだ。
他社の査定額が分からない以上、ある程度限界に近い買取額を提示せざるを得なくなるのだ。
【3】高額査定をしてくれた上位2社をさらに競合させる
同時査定をするとほとんどの業者は査定員が独断で提示できるギリギリの額を提示してくるはずだ。もし他店に買取額が下回るようであれば、その時点で候補から外されてしまうからである。
そのため、最初の査定額定治でも高価買取が期待できるが、そこからその中で高額査定をしてくれた上位2社に絞ってさらに競合させるといいだろう。1回目の査定額提示でもギリギリの額を提示しているが、あくまでそれは査定員の裁量によるものだ。
2社をさらに競合させれば、今度は上司と話し合ってさらに買取額をアップしてくる可能性があるのだ。2社に絞られた時点で買取できる可能性が高くなったわけだから、業者もますますやる気になって限界に近い買取額を提示してくるはずだ。
複数の車買取業者に依頼をするなら”車一括査定”が簡単でおすすめ
同時査定をするためにも、まずは複数の車買取業者に依頼する必要がある。しかも出張査定が可能な業者を見つけなければいけないのだから、自分で探すのは非常に大変である。そんな時は車一括査定を利用するといいだろう。
車一括査定を利用すると、その地域で出張査定に対応してくれる業者が簡単に見つけられる。
さらに車一括査定を利用すれば、複数の業者から査定額を提示してもらえるのだ。それが同時査定の際に明言する最低買取価格の参考にもなるはずだ。
まとめ
車買取で行う同時査定は、短い期間で高価買取してくれる業者を見つけられる最善の方法である。買取業者間での談合の恐れがあるなどのデメリットはあるものの、事前に最低買取価格を提示していれば避けられるのだ。
しかも同時査定なら、業者との価格交渉もそれほど必要がなく、交渉が苦手な人でも車を高く売ることができる。
出張査定可能な業者を見つけるためにも、買取相場を知るためにもまずは車一括査定を利用してみるといいだろう。