車買取で絶対に避けて通ることができないのが査定だ。この査定は大きくわけると2つの種類がある。それは無料のものと有料のものだ。
一般的に査定といえば無料のものとイメージする人が多いだろう。確かに車買取業者などに連絡をすれば無料で査定をしてくれる。
わざわざお金を出してまで査定を受ける意味がわからないと考えても不思議ではない。ではなぜ有料の査定もあるのだろうか。ここでは車買取における査定について詳しく考えてみる。
車買取で有料査定は利用しなくても無料でOK
車買取で絶対に行われるのが査定である。中古車というのは同じ車種、同じグレードのものであっても、1台1台状態が異なっているものだ。例えば走行距離が異なれば、年式も違ってくる。ふだんどんな使い方をしているかでも状態は変わるだろう。
このような状態を正確に見極めるために行われるのが、査定というものだ。実際には資格を取得した人がマニュアルに従って行うもので、当然だが人件費などの費用が発生する。だが車買取業者は無料で行っているのだ。
この無料の査定なのだが、車を売ることを目的とするのなら十分利用できるものだと言える。有料といっても無料で行われる査定と項目が変わることはない。ではなぜ有料の査定があるのかという問題が出てくるが、まずは無料の査定から見ていこう。
車買取店が無料査定を行っている理由とは?
ではなぜ車買取店は査定を無料で行っているのだろうか。これは主に2つの理由が考えられる。
- 在庫を確保するため
- 車を買ってもらうため
在庫を確保するためというのは、主に車買取店の事情になる。基本的に車買取店は消費者から買取した車を転売することで、利益を出すのがビジネスモデルとなっている。そのため在庫を確保する必要がでてくるのだ。
その時に査定を有料にするよりは無料にしたほうが、お客を集めやすくなるという理由からである。車を買ってもらうためというのは、主にディーラーに当てはまる。ディーラーは新車の購入客に対して、下取りということで車を引き取っている。
この下取りが有料であると、車の購入を諦めるという人も増えてしまうだろう。だからこそ査定そのものを無料としているのである。
有料の車査定は日本自動車査定協会が行っている
では有料の車査定についても考えてみよう。これは一般財団法人である日本自動車査定協会が行っているものだ。一般的にはJAAIと略称で呼ばれることが多い。
聞き馴染みがないので怪しい団体だと思われるかもしれないが、経済産業省と国土交通省が許可を出して設立した団体になる。先述した査定をするために必要な資格の発行や管理などを、行っているのもこの団体になる。
JAAIの有料査定を受けるのは、最寄りの支部に車を持ち込むか、出張査定を利用するのかの二択になる。ちなみに出張査定を選んだ場合は別途出張料が必要になるので注意したい。査定料は以下の通りだ。
軽自動車 | 5000円 |
---|---|
3000CC以下の乗用車 | 6500円 |
3000CC以上の乗用車 | 9000円 |
すべて税抜き価格である。ちなみに査定後には査定証が発行されるので、それが証明になる。
有料の車査定を受けたほうがいい『4つのケース』
車買取の査定には有料と無料があることがわかった。一般的に車を売るのなら、無料のものでも十分である。では有料の査定を受けるべきなのはどういう場合なのだろうか。
以上の4つにスポットをあててみたい。
【ケース1】車両状態の確認
では有料の査定を受ける理由である車両状態の確認から考える。車両状態の確認というのは、修復歴や事故歴のことだ。これは車買取で査定を出した時に、指摘されることがある。しかし自分には覚えがないといったときに、証明する手立てになってくれるだろう。
そもそも中古車市場における修復歴や事故歴とは、フレームを損傷があった事故、または修復をしたことを指す。車庫入れの時に軽く壁にぶつけた程度では、事故歴にはならないのである。だが車買取店にそれを指摘されることがあるのだ。
基本的に修復歴や事故歴があると、中古車市場では敬遠されるので価格が下がってしまう。そうした時に再査定や契約キャンセルなどでトラブルが起こる可能性がある。このトラブルを未然に防ぐという意味で、有料査定をするケースがあるのだ。
【ケース2】事故の価格落ち
先述した車の状態を確認するというものと、少し似ているのが事故による価格落ちに対するものだ。事故といえば自分が起こすことをイメージする人も多いが、逆にもらい事故である可能性もある。このもらい事故で修復歴がつけばどうだろうか。
修復歴がついた車の価値は著しく下がってしまう。場合によっては2割~3割ほども下がることがあるのだ。もらい事故でこうした価格落ちになるのは、とても理不尽に思うかもしれない。
特に過失割合が10対0というような、相手方のみに発生する場合はそうだろう。こうした相手の過失による事故による評価額の下落を、格落ちと呼ぶことがある。
格落ちが発生したときには、相手が加入している保険会社に損失分の請求が可能になる。請求をするのに損失分を正当に評価してもらう必要があり、そこで有料の査定を使うということになるのである。
【ケース3】車両の適正価格
3つ目になる車両の適正価格というのは、個人売買などを行う時に使うものだと考えていいだろう。最近では車買取については、買取店などの業者を通さない場合がある。SNSなどを通じて個人間売買をするというケースだ。
この時に適当な値段付けをしてもいいのだが、相手が納得しない場合も少なくない。値段が高すぎると判断されるためだ。そうした時に車の値段を正当に評価してもらう、JAAIの有料の査定を使うことがある。
JAAIは第三者機関となるので、客観的な価格をつけてくれる。それを元にして車の値段をつけることによって、双方ともに納得のいく取引ができるようになるのだ。
【ケース4】相続車両の評価
最後に紹介するのは相続をするといった場合だ。遺産の1つに車があるといった場合に、どのようにするのかで揉めることがある。車が複数台あるのなら、それぞれの相続人に分けてもいいだろう。だが多くの場合で車は1台か2台である。
そのため平等に相続できないことが多いのだ。そこで有料の査定を受けることで、資産としての価値をはっきりとさせることで値段の目安をつくることができる。この査定額を目安として、相続時の分配などを正確に行うことが可能になるのだ。
逆に相続を放棄するような場合でも、正確な価値を知っておくことが重要になる。相続の対象となる車は勝手に売却することができないので、資産価値をはっきりとさせて承諾をもらうときにも役立てられるだろう。
車を高く売りたいなら無料の『車一括査定』がおすすめ
車買取で高く売りたい、その目安に有料の査定を使う意味はない。なぜなら無料の査定で十分だからである。すでに挙げたような特殊な理由がなければ、有料の査定をわざわざ受ける意味はないだろう。
ただ少しでも高く売りたいのなら、無料の査定でも車一括査定がおすすめになる。
- 複数の業者に一括して見積もり依頼ができる
- 無料で利用できる
- インターネットのサービスなので365日24時間受付している
- 業者から相見積もりをとることによって愛車の相場がわかる
- 業者同士を競合させることで買取額が高くなる可能性が高い
以上のような理由が車一括査定にはある。使い方も簡単でインターネットをあまりしないという世代の人でも、手元に車検証をおいておけば十数分で申込みが可能だ。
まとめ
車買取では査定が行われるのだが、大きくわけて2つ種類がある。それは有料のものと無料のものだ。基本的に車の買取を望むのなら、無料の査定で十分だと言える。そもそも有料と無料で行われる内容に違いはないからだ。
ただ事故後の格落ちや車両の適正価格が知りたいなどのように、特殊な事情があるときは有料の査定を受ける意味がでてくる。
一般的には利用する確率は低いだろう。ただ有料で査定を受けられるということを覚えておくのをおすすめする。