車買取の際、バンパーにキズやヘコミがあると買取額に影響することも十分考えられるのでは、と思う人もいるはずだ。もしかして、事故車扱いになってしまうのではと思う人もいるのではないだろうか。
たしかに損傷度合いによっては、思わぬ減額になってしまうこともあるが、事故車扱いになる心配はないのだ。
ここでは、バンパーの損傷は買取額にどれだけ影響を与えるのかを解説している。もし不安な人はどれくらいの傷が買取額に影響があるのか確認してもらいたい。
バンパー修理&交換は買取額に影響する!JAAIの減額幅と評価基準について
カードサイズ未満 | 修理〔小〕 | 修理〔大〕 | 交換 | |
---|---|---|---|---|
すり傷、さび | 10点(-1万円) | カードサイズ以上 A4サイズ未満 |
A4サイズ以上 | ー |
凹み、曲がり、ふくらみ | 10点(-1万円) | ー | ー | カードサイズ以上 |
ささくれ | ー | ー | A4サイズ未満 | A4サイズ以上 |
亀裂 | ー | ー | カードサイズ未満 | カードサイズ以上 |
腐食 不要(取外し)穴 |
ー | 1cm未満 1個 | 1cm未満 2〜3個 | 1cm未満 4個以上 1cm以上 |
ちょっとバンパーを擦ってしまった、ぶつかってバンパーに亀裂が入ってしまったというケースは少なくないはずだ。バンパーの傷やサビ、亀裂などは見た目も悪く修理・交換が必要になってくることもある。
そしてそれは買取額にも影響を及ぼしてしまうこともある。その減額幅についてはJAAIで決まっており、車買取業者も基本的にそれに沿って査定するのだ。ただ、傷や凹み、亀裂、腐食によっても基準が変わってくる。
- 傷の大きさ・深さ
- 傷の数
- 再塗装の必要性
- 板金の必要性
当然だが、修理が必要となればその費用に相当する額がマイナスとなってしまう。また、状態によっては交換が必要となることもあるのだ。
ただちょっとした傷であれば、1万円程度の減額もしくは減額にすらならないこともあるのだ。
小さなキズ&凹みは買取店によって査定額に影響しない
バンパーに小さなキズや凹みがあるケースは少なくない。たとえば、1cmに満たない爪でひっかいたようなキズは、知らない間についたということもあるはずだ。こういった小さなキズや凹みは車買取店によっては査定額に影響しないのである。
バンパーの状態はJAAIの基準で決まっているとはいうものの、バンパーのキズや凹みは状態が車によって異なる。そのため、その判断は車買取店次第ということになるのだ。ある程度のキズの目安は以下の段階にわけられる。
ゴルフボール程度 | 1 |
---|---|
テニスボール程度 | 2 |
サッカーボール程度 | 3 |
ビニールレザーのバック部分 | 30点(-3.0万円) |
線キズはA、キズのない凹みはU、キズと凹みがあるとBとなり、線キズのゴルフボール程度ならA1と表される。そしてA1程度なら減額にならないことがほとんどである。
査定士がチェックするバンパーの故障&ダメージの検査方法
車査定の際には、査定氏はバンパーの状態もチェックすることになる。その際の検査では、バンパーの傷やヘコミ、割れの状態をチェックしたり、バンパーを修理されているかどうか、その修理の状態もいろいろな方法でチェックしている。
【チェック1】バンパーの傷・ヘコミ・割れの検査
バンパーは外からの衝撃や振動を和らげる目的で設置されている。バンパーがあるために、車の損傷を最小限に抑えることができるのだ。その役割上、やはり以下のような部位の損傷が多いのだ。
- 左右コーナー
- 下部
- 格子部
左右コーナーは最もキズが付いやすい部分で、多くの車でみられるものだ。また、車高が低い車ほどバンパー下部にダメージを受けていることもある。また下からの衝撃では下部だけでなく格子部分まで割れていることも見られるのだ。
そして、バンパーそのものには傷が見られなくても、全体的に押されることでクォーター部分とのずれが生じているケースもある。査定員は、主にこういった部分を目で見てチェック、検査し、そのキズや凹みの大きさで減額していくこととなる。
【チェック2】バンパーの修復歴
従来、樹脂製のバンパーは修理ができないといわれていたのだが、現在は修理技術の進歩によって交換せずに修理も可能となっている。
そのため、バンパーを修理している車もあるのだ。バンパーの検査では、キズやヘコミだけでなく、修理歴もチェックしている。査定員は主に以下の部分をチェックしている。
- 凸凹部分の肌や色調
- マスキング跡
バンパーの修理ではパテを用いる方法と、再塗装するだけの方法がある。査定士はパテ目をチェックしたり、再塗装した際の色調の違いなどもチェックしているのだ。
バンパーの修理&交換は事故車(修復歴)扱いにならない
車査定において、事故車や修復歴ありの車は査定額が大きくダウンしてしまうのだ。もし、ちょっとした事故でバンパーを修理した場合、やはり事故車扱いになってしまうのでは、と不安なる人もいるかもしれないが、それは安心して大丈夫だ。
なぜならば、バンパーの修理や交換は修理歴がある車ということであり、修復歴とは違うのだ。事故車や修復歴とはあくまで特定の部位に損傷がある場合、もしくはそれを修理した場合に用いられるのである。
JAAIでは修復的に該当しない修理範囲を以下のように定義している。
- バンパー
- ボンネット
- フェンダー
- ドア
- トランク
- エアロパーツ
みてもわかるように、バンパーも該当しており、修理しても交換しても事故車扱いにはならないのだ。
事故車(修復歴)扱いになる定義と具体例
事故車や修復歴あり扱いとなる定義については、以下の部分が損傷し修理・交換が行われた場合と決められている。
- フレーム
- クロスメンバー
- インサイドパネル
- ピラー
- ダッシュパネル
- ルーフパネル
- フロア
- トランクフロア
- ラジエータコアサポート
これらの部位が損傷していると、仮に修理・部品交換して見た目にはわからない状態でも、ボディ全体にきしみやへたりが起こるリスクが高くなるため、事故車扱いとなってしまうのだ。
これらの部分が損傷する具体例としては以下のケースなどがある。
- ガードレールに衝突してピラーが損傷
- 前の車に追突しクロスメンバーが損傷
- 後ろから追突されてトランクフロアが損傷
車のバンパー修理・交換履歴を保管しておくことでトラブル防止になる
車のバンパーを修理した、交換したというケースでは事故車扱いとはならない。そのため、修理した旨を伝えずに査定を受ける人もいるかもしれない。だが、もしバンパーの修理や交換をした場合には、その履歴を保管しておくことが重要だ。
バンパーを修理・交換のためにボルトを外すと、そのボルト跡が残ってしまうものである。査定員は修復歴がないか隅々までチェックしているため、もし不審な跡を発見したら事故車ではないか修復歴があるのではと疑ってくるのである。
本来なら減額にならないもしくはわずかな減額で済むような修理・交換だったとしても、疑われることで大幅減額になってしまうこともあるのだ。それを回避するためにも、修理・交換履歴はしっかりと残しておきたいところだ。
まとめ
このように、バンパーの修理・交換となると、かなり大掛かりに思えてしまうため、事故車になるのではと不安になるものだ。
だが、実際はバンパーのみの修理・交換であれば事故車扱いにはならないのである。それでも、バンパーの損傷度合いによっては減額になることもあるため、覚悟は必要だ。
だが、減額を避けたいからといって、査定のためだけにバンパーを修理・交換するのは間違いである。まずは、そのまま査定を受けることがおすすめだ。