車を売るとしても10年以上乗っているから、買取拒否されるかもしれないと考える人も多い。確かに国内の中古車市場は年式が若い方が好まれるため、10年以上の車には価値がつきにくい。だが決して値段がつかない訳ではない。
近年になって車買取店の中に、最低保証という言葉を掲げる業者が増えてきている。この最低保証とはいったいなんのことか、疑問に思う人も多いだろう。そこで車買取店が掲げる最低保証の内容や、注意点などを確認していく。
まず知ろう!車買取の『最低保証制度』とは
では車買取における最低保証制度とは、いったい何かから解説していきたい。端的に伝えるのなら、どんな状態の車であっても、最低いくらで買取をするといった制度のことだ。
車買取店ではあまりに価値が低い車については、買取拒否や0円査定というケースがある。この場合売り手側としては、古い車だから仕方ないと諦めてしまいがちだが、実はそうではない。
日本製の車は国内だけではなく、海外でも高い需要があるため、パーツとして輸出する業者もあるのだ。つまりどんな車であっても価値があるといえる。
だが車買取店の中には、そうした顧客の心理を上手く利用して、0円で引き取るなどのことを行っているのだ。そうした状況の中で、最低でも幾らの値段をつける業者が出てきている。それが最低保証制度を掲げる業者だ。
【最新】最低保証制度がある中古車買取店《まとめ》
ガリバー | 3万円(※キャンペーン中のみ) |
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DMM auto | 1万円 |
ティーバイティーガレージ | 1万円 |
コスモ石油 | 1万円 |
オレンジ | 1万円 |
東海自販株式会社 | 1万円・3万円・5万円 |
何が得なの?最低保証制度をつけて車買取する『3つの理由』
では最低保証制度をつける車買取店には、いったいどんなメリットがあるのだろうか。車買取店は営利組織であるため、利益がなければ当然最低保証など行わない。ではどこで利益を生んでいるのか、その理由は大きく3つある。
この3つだと推測できる。ではそれぞれに確認していこう。
【買取店メリット1】リサイクル料金や自動車税の返金があるから
どんな車にも価値はある。その理由となるのが、リサイクル料金や自動車税の返金があるためだ。過去に車買取をしたことがあるのなら、経験があるはずだ。
車買取ではリサイクル料金、自動車税の返金がある。これは明細書にも記載されている。
つまり最低保証が1万円だとすると、このリサイクル料金のみでも成立するのである。さらに自動車税の返金もある。自動車税は毎年4月1日時点での車の所有者が支払うものだ。この税金の支払いは1年分を先払いしている。
そのため途中で車買取をした時には、1年間の税額を12で割り、3月までの残り月数分をかけたものが返金される仕組みだ。つまり査定額が0円でも、最低限の返金分を使って保証しているのである。
【買取店メリット2】パーツや部品に価値がある
車買取店が最低保証をつけても利益が出せる理由は、車そのものに価値があるためだとも言えるだろう。そもそも車のほとんどが金属でできているため、鉄として売ることもできるのだ。さらにパーツや部品を再利用する方法がある。
車は約3万のパーツからできている。そのため車本体に価値はなくても、使えるパーツや部品というのは多くあるのだ。特にそれが現在は製造されていないものだと、価値がでる可能性が高い。
そのため本体に価値がなくても、それらを売ることで利益が出せるのである。
- 不動車
- 冠水車
といった中古車市場的に見れば無価値な車であっても、部品やパーツは再利用できるのだ。そのため最低保証をつけて車買取をする業者も少なくない。当然そうした部品などを売る販路がなければできないことだ。
【買取店メリット3】海外で売ることができるから
車買取店が最低保証をつけるのは、海外で売ることができるという点も大きいだろう。日本の車は壊れにくいことで知られていて、海外でも多くの国から需要がある。
- 10万km以上の過走行車
- 10年落ちの古い車
これらの車は国内市場ではほぼ価値がない。車種やグレードによっては価値が出る場合もあるのだが、一般的な車はかなり買取額が下がるだろう。だがこれらの車は特に途上国での需要が高いのだ。先に伝えたように、国産車は壊れにくいものだ。
だからこそ国内では見向きもされない車が、途上国では沢山走っている。実際に海外の映像や写真などを見ると、古い日本の車が沢山使われているだろう。こうした海外輸出ルートを持つ、車買取業者も増えてきている。
車買取における最低保証制度にデメリットはない
ここまで車買取における最低保証制度を見てきたが、売り手側にとって多くのメリットがある。本来は価値のない車であっても、買取額をつけてくれる時点で損をすることはない。ではデメリットになる部分はあるのだろうか。
売り手側にとってデメリットになる部分はないと言えるだろう。強いて言うのであれば、最低保証がついている車買取を利用するとしても、決め打ちをするのは良くない点くらいだ。なぜなら車買取業者ごとに買取額が異なるためである。
だからこそ少しでも高く売るのなら、車一括査定などを使って買取額の高い業者を探した方がいいだろう。逆に買い手側にとっては、特殊なルートがなければ損をするかもしれない。
- 冠水車
- 水没車
- 不動車
- 年式が10年以上
- 走行距離が10万km以上
などのような車は引き取ったとしても、どこにも転売できないためである。だからこそ買い手側は、前段のような海外輸出やパーツを売るルートを確保しておく必要があるのだ。
【警告】無料で車を引き取ろうとする業者には要注意
最後に注意をしておきたい車買取業者について解説しておく。車一括査定などを使ってみると分かるが、条件の悪い車については0円査定とする業者も少なくない。それは車としての価値がないためである。
だがリサイクル料金や自動車税の返戻金といった、最低限のお金は返ってくるのだ。だが悪質な業者になると、返戻金そのものをなかったことにする場合がある。さらには価値がないから、廃車にするのを勧めてくるのだ。
そして廃車にするといって手数料を要求してくる。だが既に解説したように国産車は、部品としても売れるし、海外に輸出をしても価値が出るのだ。そうしたことを隠しておき、交渉してくる業者もいる。
だが条件の悪い車でも価値があることを知っていれば、そうした悪質な業者に引っかかることもないだろう。
まとめ
車買取で最低保証がある業者についての解説をしてみた。最低保証制度とは、0円査定をしませんということだ。最低でも幾らの価値をつけて買取をする制度のことで、車買取業者としては優良な部類に入るだろう。
そもそも車本体に価値はなくなったとしても、金属としてやパーツとしての価値がある。さらには海外へ輸出するルートもあるのだ。
他にリサイクル料金や税金の返戻金もあるので、まったく価値がないとする方がおかしいのである。そのため最低保証制度をつけても、業者としては損をしていない。