車売却時には譲渡証明書の提出が求められることがある。初めて車を売る人は、譲渡証明書とはどんなものなのだろうか、どこで入手できるのか、どのように記入すればいいのかもわからないため不安かもしれない。
そんな人のために、ここでは譲渡証明書の書き方と入手方法をまとめているので参考にしてもらいたい。譲渡証明書の書き方はそう難しいことではないのだが、いくつか重要なポイントや注意点もあるので、記入前に覚えておくといいだろう。
車売却時に必要な譲渡証明書とは?入手方法は?
車売却時には、いつ誰が誰にその車を譲り渡したのかを証明する譲渡証明書の提出が必要である。その譲渡証明書は、どのような様式でもいいわけではなく、形は決まっているのでそれに従って正しく記入する必要があるのだ。
とはいえ、車を初めて売却する人からすればその譲渡証明書をどこで入手すればいいのかわからないだろう。譲渡証明書の入手方法としては以下の2つの方法がある。
- インターネットでダウンロード
- 買取店で準備してもらう
今はほとんどの家庭でインターネットがあるだろうから、今すぐにでも簡単にダウンロードして入手可能だ。だが、実際は車買取店で準備しているため、個人売買をする人以外はあえて自分で準備する必要はないだろう。
車売却で譲渡証明書が必要になる『3つのケース』
車売却で譲渡証明書が必要となるケースとしては以下の3つのケースが考えられる。それによって準備する書類が若干変わってくるので確認しておくべきだ。
【ケース1】車検証の名義がディーラーもしくはローン会社
車を購入する場合、マイカーローンなどを組む人は少なくないはずだ。もしローンを組んで車を購入した場合は、車検証の名義すなわち所有権がディーラーやローン会社になっているケースがほとんどで、譲渡証明書に自分の情報を記入しても無効である。
その場合はまず所有権を解除して、自分の持ち物とした上で譲渡証明書を自分の名前で書くか業者に連絡をして譲渡証明書を郵送してもらうことになるのだ。所有権を解除するには以下の方法がある。
- ローンを完済する
- 車の売却価格から残債を完済
- 車の売却価格より残債が上回る場合は、残りを現金で支払う
- 残債を含めて新たにローンを組む
【ケース2】名義が友人もしくは親などで名義変更が必要な場合
車を友人から個人売買で購入した場合、車検証の名義が友人のままというケースも少なくないだろう。特に多いのが、親名義の車を購入した場合である。このようなケースでは、譲渡証明書だけでは賂契約は進まないのだ。
ただ、ディーラーやローン会社が名義人になっているケースとは異なり、この場合には車検証の名義人に譲渡証明書に記入・実印を押してもらい、さらに委任状があれば友人や親がいなくても売買契約を進めることができるのだ。
【ケース3】廃車手続きをするときに譲渡証明書が必要
譲渡証明書は一般的に車を売却する時に必要になるのだが、それ以外にも必要となるケースがあるのだ。それが廃車手続きである。とはいっても、廃車の手続きをすべて自分で行う場合には、譲渡証明書は不要だ。
だが、自分で廃車手続きをするのは非常に面倒であり、たいていの人は業者に依頼することとなる。その際には一旦買取業者に名義を変更した後に廃車手続きを行うのが一般的だからだ。
稀に廃車にするといって、リユースする業者もあるが、いずれにせよスムーズに車を手放すには譲渡証明書が必要なのである。仮に業者がリユースするとしても、名義さえ変更してしまえば何の問題もないはずだ。
譲渡証明書を作成するのはそう難しいことではなく、トラブルになることもないのだから、廃車にするにも売却するにも準備しておくといいだろう。
【画像付】車売却時に必要な譲渡証明書の書き方と5つの参考例
車売却時に準備する譲渡証明書の書き方は、ポイントさえ押さえておけばそう難しいことではない。譲渡証明書の書き方の5つのポイントは以下の通りだ。
【参考1】車検証を用意して車の情報を記入
譲渡証明書で一番上に記入するのが、以下の4つだ。
- 車名
- 型式
- 車台番号
- 原動機の型式
あまり車に関して詳しくない人だと、これらの車の情報はわからないという人もいるはずだ。だが、その心配は無用である。それはこれらの車の情報に関しては、車検証にハッキリと記載されているからだ。
車検証は車に入れているものであるし、紛失していればそもそも売却もできないのだから必ずあるものである。それを見れば同じ項目が載っているので、それをそのまま記入するだけでOKだ。
【参考2】譲渡人・譲受人と住所を記入
車の情報を記入したら、その下にある譲渡人及び譲受人の氏名又は名称及び住所を記入する欄がある。これは4つの欄があるが、基本的に使用する欄は上の2つの欄だけだ。ポイントとなるのは記入する順序である。
一番上に欄には譲渡人、つまり車の旧所有者の住所と名前を記入することとなる。そしてその下に譲受人、つまりその車の新しい所有者となる人の住所と名前を記入するのだ。
車買取業者に売却する場合には、基本的に上の欄にご自分の住所と名前を記入すればOKである。
【参考3】譲渡する日の年月日を記入
次に左側の欄にある譲渡年月日に、その車を譲渡する日の年月日を記入することとなる。これは上記の譲受人の住所と名前を記入した欄の左側に記入が必要だ。
とはいえ、車買取業者に売却する場合には、譲渡証明書を提出する日となるため、正確にはわからないだろう。そのため、車買取業者に売る場合にはそこは業者に任せていい。
もし、個人売買する場合には、その欄は譲渡証明書を提出する日の年月日を記入することとなるが、確定していなければ提出する直前でも問題ないだろう。
【参考4】実印を押す
譲渡証明書に必要な情報を記入したら、あとは実印を押すこととなる。譲渡証明書には譲渡人印という欄が設けられているので、そちらに譲渡人の印鑑登録されている実印を押すのだが、ここで1つだけ注意が必要だ。
譲渡人印と記載されてはいるが、あくまで押すのは譲渡人の住所と氏名を記入した欄の隣となる1ヶ所だけである。
【参考5】捨印はどちらでも問題ない
いろいろな書類を作成する場合には、その用紙の余白の部分に捨印を押すことが多いはずだ。譲渡証明書を作成するにあたり、捨印も押すべきかと悩む人もいるだろうが、基本的にどちらでも問題ない。
つまり捨印はなくても譲渡証明書として認められるのだ。そもそも捨印で訂正できるのは譲渡人や譲受人の住所や氏名のみのため、万が一作成時に間違いを修正するという場合でも、すべて訂正印で修正して構わないのだ。
かといって、捨印があって無効になるということもないので、気になる人は押してもいいだろう。
譲渡証明書を作成する際の注意点
譲渡証明書の作成はそう難しいことではない。車検証に記載されている車の情報をそのまま記入し、旧所有者の住所・氏名、そして印鑑登録している実印を押すだけだからだ。だが、それでも注意もしくは確認しなければいけない点があるのだ。
- 車検証の名義人を確認
- 車検証の有効期限
- 所有者の氏名・住所
- 印鑑証明書の記載事項
車検証の名義人が本人であるならば問題ないが、中には親や友人から譲り受けて名義変更をしなかったためにそのままというケースもあるのだ。その場合は所有者から委任状や譲渡証明書に記載してもらわないといけないのだ。
また、車検が切れている場合や印鑑証明書に記載している住所や氏名が車検証の内容と違う場合なども注意が必要だ。また、実印も必要となるため印鑑登録を済ませていないといけないのである。
譲渡証明書を含め名義変更で必要になる書類一覧
必要書類名 | 発行方法 | 費用 | 注意点 |
---|---|---|---|
譲渡証明書 | ・インターネット ・買取店 |
無料 | 以前の所有者の実印が押されている |
以前の所有者の委任状 | ・インターネット ・買取店 |
無料 | 以前の所有者の実印が押されている |
新しい所有者の委任状 | ・インターネット ・買取店 |
無料 | 新しい所有者の実印が押されている |
以前の所有者の印鑑証明書 | ・役所 ・コンビニ |
300円 | 以前の所有者の実印が押されている |
新しい所有者の印鑑証明書 | ・役所 ・コンビニ |
300円 | 新しい所有者の実印が押されている |
新しい所有者の車庫証明書 | 警察署 | ・軽自動車(500~600円) ・普通自動車(2,000円~3,000円) |
発行してから1ヶ月以内のもの |
車検証 | 車の中 | 無料 | 車検が切れていないもの |
まとめ
このように、車の売却時には譲渡証明書が必要となるのだが、入手方法も記入方法も難しいことは一切ないのだ。特に車買取業者に車を売却する場合には、譲渡証明書自体も業者で準備してくれるため、気にする必要もない。
また、業者に聞きながら記入することになるだろうから、印鑑登録を済ませている実印さえ持っていけば心配ないだろう。
ただ、個人売買をする場合には、自分で譲渡証明書を準備して提出しないといけないので、二度手間にならないためにはいくつかあるポイントは押さえておくべきだ。